旧桂ヶ谷貯水池堰堤トレーディングカード
「桂ヶ谷貯水池堰堤」は”かつらがたにちょすいちえんてい”と読みます。国土交通省の管轄ではないためでしょう、ダムカードではなくあくまでも「トレーディングカード」と呼称していました。竣工100周年を記念して作られたもので、実際に他のカードがあるのか、交換することができるのかどうかは知りません。
20231017に山口小郡文化資料館に行ったところ、当初は無条件で配布していたが、守る会の意向で実際に現地を見てもらいたいので、行った証拠となる写真を提示した人だけにひとり1枚限定でお渡しする方針に変わったとのこと。そのいちばん大事な条件が山口新聞の記事では脱落している。館員さんもその点をずいぶんお詫びされました。
それから実際に現地に行ってみたが実に酷かった。資料館でいただいたチラシにアクセスQRコードがあったからまだ良かったものの、見学者専用駐車場へ行こうにも最新式のカーナビに登録自体がない。カーナビメーカー各社への情報提供を忘れているのではないか?。
そして根本的にサインがなってない。教えられた通り秋吉台サファリランドのシマウマの看板のところを入って最初の交差点に誘導サインがないため、最初は運動公園の方に行ってしまった。くだんの交差点まで戻り、改めて反対方向に進んだのだが、離合できないような細い山道のうえ、いきなり大型ダンプと行き合ってしまい不安感炸裂。
ようやく整備されたという駐車場に車を停めたが、そこの案内サインに示された遊歩道と実際の小径の見た目の落差がありすぎ。遊歩道とは名ばかりで単に草を刈っただけの獣道。今にも熊や猪が現れそうな凸凹道を350m歩かされた。事実、帰路の途中でつまづいてコケそうになった。山口市として保護する気があるなら、(1)遊歩道の整備、(2)誘導サインの整備、の2点をしっかりやるべき。
元サインデザイナーなので(2)について特に記す。基本的に誘導動線が連続していないことを軽視している。初めて行った人は確実に道に迷う状態なのにそれがいかに重大な欠陥であるかの自覚がない。訪問者には必ずストレスが残る。
サインを建てる際に地主さんとの調整がうまくいかなかったという話も聞いたが、不便なものは不便でしかない。地主云々の話は言い訳にならないし、それを何とかするのが行政のするべき仕事だ。かくも瑣末な理由など市民には何の関係もないことを忘れてはならない。
また、よくあることだが、サイン整備予算がなかったことがありあり。サインは商業看板とは違い、恒久的に使うものなので筐体や基礎自体が頑丈でなくてはならない。行政の側にサインと看板は違うという基本認識自体が欠けている。駐車場を降りて最初に目にする誘導サインなど、細っそい棒にカマボコ板のような小さな表示板に「桂ヶ谷貯水池堰堤350m→」と表示してあるだけ。その先の見た目は獣道である。不安感こそあれ、およそサインを信用できる状況ではない。女性の場合は心配になって引き返しても不思議ではない。
トレーディングカードを”実際に見に行ってくれた人にだけ限定配布”に方針変更したのは大失敗である。事前情報が全くない状態で、こんな獣道を歩かされるだなんて誰も予想していないはずで、保護しようという気持ちを削ぐには十分すぎるほどの不親切である。私も、こんなんだったら二度と行かないとしか思わなかった。
大事なことなのでもう一度書く。山口市として保護する気があるなら、(1)遊歩道の整備、(2)誘導サインの整備、の2点をしっかりやるべき。
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