収集品は自らの意志で行きたいところに行く
・・・と常々非科学的なことを言っている自分ですが、今日まさに収集品の方が私を選んでやって来てくれたとしか思えない経験をしました。
1969年(昭44)に東京で開催された万国郵便連合(UPU)大会議の際に配布されたらしきトンガ王国とビルマ(現ミャンマー)の贈呈帳です。この時は日本も4種セットの記念切手を発行しています。
「よくわからないのが出てきたんだけど」と私の目の前に出されました。もちろんその場で意味がわかりましたので二つ返事でいただいてきました。
しかし、なんでまた贈呈帳が山口県の片田舎に眠っていたのでしょうか。会議に出席した郵政省の関係者に山口県出身者がいて、たまたま入手できたのでしょうか?。もちろん、収集家向けに一定数を販売した可能性もあるにせよ、新切手の発行日に郵便局に並んでいたような凡庸なレベルのコレクターでは手に入れられなかったでしょう。そもそも、日本切手ではないので日本の郵便局では売っていなかったはずです。
常識的に考えておそらく製造数は1,000部もないと思います。また、参加国が贈呈帳を作っていたなら、ホスト国の日本の郵政省も作っていても不思議ではありません。どなたかお持ちではありませんか?
ビルマの贈呈帳表紙です。上質な紙製でリボンを結んであります。
こんな感じで当時の美麗切手をチョイスして貼り込んであります。ヒンジではなく裏糊の一部分を湿らせて台紙ページに直接貼ってあります。
1968年の「独立記念日」記念切手も貼り込まれていました。左上の男性は誰だかおわかりですか?。今まさにクーデターの渦中にあるアウンサン・スー・チー女史のお父様、惜しくも暗殺されてしまったビルマ独立の志士アウンサン将軍です。
トンガ王国の贈呈帳です。ビルマと違ってお金かけてますねぇ。図版では省略しましたがしっかりした箱に納められています。
ビルマと同じく、切手は台紙ページに直接糊付けされています。
セルフ糊式切手(シール式切手)もトンガ王国名物ですね。この当時、セルフ糊式切手は程度の低いキワ物、パチもん扱いでした。ところが今では主要先進国ではセルフ糊式切手の方がメジャーです。かくも価値観が逆転する時代が来るとは、当時は誰も予想だにしていませんでした。
トンガ王国ならではの円盤切手は大きめのヒンジで留められていました。一部のヒンジはダメになっていましたので帰宅してから補修しました。
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