
ふるさと切手「萩開府400年」の日本風景社版初日カバーを偶然目にしておや?っと思ったのが発端でした。過去会報類のデータベースを即チェックしました。案の定、この記録がヒットしました。
日本風景社社主の吉川洋一氏、病気のため平成4年用年賀小型シート (1992年1月16日) をもってカバー製作終了。(「カバー日和」誌136号/199204)
つまり、ずいぶん前に初日カバーの製作は終了していたわけです。カシェはどのふるさと切手にも使い回せる汎用デザインであることから、どなたかが空カバーを大量に買い置きでもされていて、それを使ったのだろう・・・ぐらいに軽く考えていました。とは言え、12年もの時間差があります。シミやヤケひとつないカバーのフレッシュな状態に違和感を感じました。

そこにまた運良く吉川氏が1995年1月に発行された「日本初日カバーしのび草」(定価25,000円/日本風景社) を手に入れました。その後書きに「・・・風景社版FDCも、1992 (平成4年) 1月16日がFinal F.D.C.となり、空カバーのみの発行を続けている次第です。」との一文を確認できました。なるほど、そういうことだったのかと疑問が氷解しました。
さらに空カバーの製作販売はいつまで続けられたのか、新たな疑問も出てきました。お詳しい方がいらっしゃいましたらぜひお知らせください。
かつての初日カバー製作・交換・収集人気もすっかり退潮し、こうした記憶も確実に忘れ去られていきます。デジタル化・データベース化の重要性を改めて認識した次第です。
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せっかくなので同書から気になったアイテムを5点ピックアップしました。これまで白黒コピーでしか見たことがなかったものが、さすがにお高いだけあってオールカラーだったのは良かったです。
▼関門トンネル開通記念、清水凹版版第1号
地元、山口県関係ということで目に入りました。清水凹版 (19580309-19650925) 最初の製作品ということはこれまでまったく認識していませんでした。

▼棟方志功直筆
▼滝平二郎きり絵
▼昭43年用年賀のぼりざるS/S
宮崎県はかつて労働組合が強過ぎた地域で、郵趣のための押印を本来業務外だと敵視していました。そのもっとも端的な事件がこれです。
年賀切手「のぼりざる」については初日指定局になったことを渋々容認しました。ところが翌年1月の年賀小型シートに関しては郵頼を全面拒否。結局、延岡局に実際に行った人しか初日カバーが作れませんでした。
話題になることがないので全くと言ってよいほど知られていないものの、これぞ隠れた珍品です。なおかつ、左翼労働運動が郵趣にとってもいかに害悪であったかを如実に示しています。

▼吉祥天立像1,000円切手フルシート+S/S全貼り
かつての最高額面券種です。高額すぎるためペア貼りですら希少なのに、まさか全貼り初日カバーが作られていたとは!。額面合計21,000円は今の貨幣価値 (1.78倍) だと37,380円にもなります。さすがその道の専門家はクレイジーです (誉めています)。

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