未発行・販売中止

July 31, 2024

局名入りポスト型はがきリサーチ結果

 今日7月31日に報道発表がありましたので、防府市・山口市の全郵便局の販売状況リサーチ結果を発表致します。なお、簡易郵便局と分室もわかる範囲内でリストに加えています。
 実際のフィールドワークでは、既に売り切れていた局があった一方で、最初期バージョンが売れ残っていた局もあり、久しぶりに楽しい郵便局巡りでした。

 通信面の表示違いで3種があることを確認しています。最初期がAタイプで、最終がCタイプになります。

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 以下に郵便番号順の一覧表を示します。凡例は、2024年7月末の現地調査で確認されたのが●、それ以前に入手していたものが◎。存在しないと推定されるものが─、空欄は調査未了または不明を表しています。

<防府市内局一覧表>

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<山口市内局一覧表>

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 山口陶簡易郵便局さんは、地元でもあることから私から特にお願いしてポスト型はがきを作っていただきました。最低ロットの20枚しか存在していないはずだと記憶しています。
 山口大学内簡易郵便局さんは、以前訪問した際にポスト型はがきを取り扱っておられたのでたまたま入手していました。このたび改めて訪問しましたところ、現在は取り扱っていないとのことでした。

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 山口県庁内郵便局さんも、分室時代と現在の2種を偶然所持していましたので並べてご覧いただきます。

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(20240810追記)
 8月9日、所用で周南市に行く用事があったので、ついでに周南市の調査も敢行してきました。午前中の仕事を終えてからのわずか半日なので、旧徳山市街と旧新南陽市を回るのが精一杯。リストは訪問できた局のみをまとめました。平成の大合併で周南市に加わった旧熊毛町・旧鹿野町までは回れませんでした。

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August 25, 2021

第76回国民体育大会中止?

 去る8月21日、武漢中共肺炎こと新型コロナウイルス禍のため、三重県が第76回国民体育大会を中止する方向で協議に入ったことを公表しました。それを受けて既に配布が始まっている同国体切手解説書、切手発行プログラムを採取してきました。今日8月25日にも正式に中止の発表が予定されているとか。
 切手は既に印刷・配給済でしょうし、初日押印関係の指定局への郵頼も進行しているものと思います。後処理をどうするのか非常に懸念されます。
 世界的に見ても必ずしも一般的とは言えないのですが、こうした事態に備え、切手は各自が地元で購入しカバーやはがき、押印台紙などに貼り付ける。それを切手発売後一週間以内に指定局に送れば記念押印してもらえるアメリカ方式にされてはいかがでしょうか。指定局では押印業務のみを行い、押印規程に即していないものは何も押さないでお返しする。郵頼では引受消印は普通便のみ応じ特殊取扱はできない、というものです。
 来年からゆうちょ関係の手数料も上がりますし、押印する側、押印をお願いする側双方にとってプラスになると思うのですが。

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July 05, 2021

みほん券の頒布中止

 博多天神の即売会で三友裕一さんから懐かしい紙資料をいただきました。いつもありがとうございます。

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 「新切手解説書の発行中止」についてと題した、今はなき財団法人 郵便文化振興協会の「切手」誌号外です。発行日は1999年 (平11) 5月25日付です。文中にあるように、ふるさと切手「ゴマフアザラシ」80円切手 (額面変更の改版) をもってみほん券の頒布が終了しました。なお、「キタキツネ」80円切手 (同改版) も発行日は同じですから、2点が同時ファイナルと見做すべきかと思います。図はさくらカタログ電子版のスクショです。

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 この号外、A4判のコピー用紙に2面付けして印刷し手作業で断裁したようです。図版のように右辺が曲がっているのが手断裁の証拠と思います。その後の同会の未来を暗示しているかのような雑さです。

<参考:郵政民営化と郵便文化振興協会の終焉>

・1992年 (平4) 全日本切手普及協会が財団法人郵便文化振興協会と改称。
 この段階では郵政民営化とは無関係。

・1999年 (平11) 6月25日 ふるさと切手「ゴマフアザラシ」をもってみほん券頒布終了。
 同年1月に報道各社が伝えた600円普通切手偽造事件の影響と言われる。
 郵趣家は全く無関係なのに偽造犯罪予備軍かのような偏見に基づくものだった。

・2005年 (平17) 9月11日 第44回衆院選で小泉純一郎政権圧勝。
 いわゆる”郵政民営化選挙”により民営化が現実のものに。

・2005年 (平17) 10月14日 郵政民営化関連法案成立。

・2006年 (平18) 3月31日 財団法人郵便文化振興協会解散。
 「切手」誌も3月25日発行の2,770号をもって廃刊。

・2007年 (平19) 10月1日 郵政民営化。郵便局会社と郵便事業会社に分割。

※2005年、郵政民営化が現実的なものとなったことで、お荷物財団法人のお取り潰しが相次ぎ、郵便文化振興協会もその対象にされた。

 

 

 

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June 25, 2021

懐かしい便乗商法

 昨年のスタンプショウはかた2020のワゴンセール・・・と言えば聞こえは良いのですが実際は雑品・見切り品の叩き売り・・・で拾ってきました。いずれも1985年に開催された科学万博ーつくば’85の便乗商品です。かつては五輪や博覧会など、ビッグイベントがあるたびに関連する図案の安物切手を50種とか100種とかを黒台紙に並べてパッキング。これを1,000円、2,000円で販売していました。イベント主催者の許諾を得て作られたものではないため、粗利率は相当高かったと思われます。
 それも今は昔、切手収集家は激減し切手商さんも年々減ってきています。こうしたお土産品級商品が作られることもなくなりました。前世紀最後の夏季五輪シドニー大会 (2000) の時にはもう見かけなくなったように思います。なので、これらも軽視せず郵趣遺産として入手に努めています。せめて日本国内での作例の最古と最新ぐらいはしっかり押さえておきたいものです。

[科学万博ーつくば’85]
 タスキ紙からドイツ館来館記念品として販売されていたパックとわかります。アジマン、キューバ、ポーランド、ハンガリーといった、郵趣家にはお馴染みのアラブ土侯国・旧共産圏各国のオーダーキャンセル切手で組まれています。これが1,000円で売れていたのですからいい稼ぎになったことでしょう。

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[元世界最大の切手のみほん]
 これもベテラン郵趣家なら「ああ、あれね」で通るキワモノです。これは日本のエージェントが動いた品です。その会社は今も存続していますが、とっくに代替わりして普通のディーラーさんになってらっしゃいますので社名は伏せておきます。
 マジュロ島と世界地図を描く110mmH×160mmWの元世界最大の切手のみほん。日英郵趣協会 (当時) ことZ切手社が仕込んだものですが、当時マ諸島はアメリカの信託統治領で、アメリカ政府の正式な承認を受ける前にZ切手社が発行したために非公認になってしまいました (1979年10月30日)。先走りせずに待っていれば良かったものを、焦って既成事実化を狙って失敗したようです。おかげでスコットカタログでは非公認扱いです。さりながら転んでもタダでは起きません。この写真のようにSPECIMENの表示を印刷した見本切手も作って販売されました。なので、郵趣市場には未使用と見本の2種類が流通しています。
 なお、銘版にTOPPAN PRINTING CO., LTD. TOKYO JAPANとあるように凸版印刷株式会社製です。

 タスキ紙に”科学万博記念発売”とありますけれど、もうおわかりですね、科学万博とは直接・間接的にも何の関係もありません。ここまで正々堂々と便乗されると気付きにくいです。これを2,000円で売ろうとしていたわけですから商魂逞しいものです。

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 せっかくなのでエラーと言うほどではないにせよ、目打が印面を噛んでいるオフセンターのパックをチョイスしました。
 また、拡大すると昭和天皇の肖像も見えます。小さかったので見逃されたようですが、事前に宮内庁に知れていれば確実にアウトになっていたはずのキワモノです。

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April 08, 2017

幻のゆうペーン

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 平成7年の切手趣味週間(阪神・淡路大震災寄附金付切手)にはゆうペーンはなかったはずですがなぜか表紙が現存します。発行翌年の1996年頃、名古屋中央郵便局窓口で「自由にお持ちください」扱いのふるさとペーン表紙の中に紛れ込んでいたものだそうです。
 どなたか詳細をご存じの方はいらっしゃいませんか?とfacebookの郵趣グループで呼びかけたのですがまったく反応がありませんでした。よって表紙が作られたもののお蔵入りになった可能性が高いです。20年以上を経て意外なところで激レア品が確認された?

[20170427追記]
 愛知県の堀本稔さんからゆうペーン表紙をカシェがわりに使って作成された初日カバーの画像をご恵送いただきました。初日に堀本さんご自身が名古屋中央郵便局で作成されたものです。これにより、その稀少性が実証されました。たいへん重要な資料です。ありがとうございました。

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July 28, 2016

ついに日本でも「翌日切手」を発行

2016072801 昨日7月27日付で日本郵便さんのプレスリリースがありました。リオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピック競技大会期間中、日本選手が金メダルを獲得した場合、翌日の正午にメダリストのフレーム切手が東京中央郵便局で各1,000シート販売されます。売り切れた場合でもオンライン通販サイト「切手SHOP」で受注販売されます。詳細は、金メダルを獲得した翌日に発表されます。
 日本切手初のことなのでたいへん驚かれる向きもあろうかと思いますが、実はこれと全く同じ切手は16年も前、2000年のシドニー・オリンピックの時にオーストラリア郵政が実現済です。左はその時に発行されたうちの1枚で、女子400mで金メダルを獲得したキャシー・フリーマンです。たまたまミクスチャーの中から掘り出しました。その世界最初の翌日切手について、当時の郵趣誌(2000年11月号)の記事を引用しましょう。

【シドニー・オリンピック2000】
 世界に先駆けて、切手の”翌日”発行を成功させたオーストラリア。同国の誇る最新のデジタル技術とデータ送信システムが、高速印刷を可能にしたといえる。郵政ではオーストラリア・オリンピック員会(AOC)の支持を得て、この企画を数カ月にわたって準備したようだ。以下に”即席”切手が発行されるまでをまとめてみた。
 シドニー五輪で同国の選手が金メダルを獲得した場合、まず表彰式での受賞の瞬間を、高解像度のデジタルカメラで撮影。公式のオリンピック写真団体「オールスポーツ」所属のプロ・カメラマンにより、郵政切手デザイン専任官の立会いで行われ、何十枚ものショットが撮られる。
 それらの画像データを元に、最も相応しいショットが選ばれると、切手シートの形に加工される。候補図案のデータはすぐにAOCに送信され、認可を受ける。ここまでの過程で2時間弱。
 AOCが承認した切手図案は直ちにシドニーの郵政デザイン・スタジオに送信され、最終的な修正が行われる。
 完成した図案は高速データ通信で、同国6州の州都にある専門の切手印刷センター(在シドニー、パース、アデレード、キャンベラ、ブリスベーン、メルボルン)に送信。翌日の昼には、全国の主要67局の窓口で、全く同じ切手が一斉に発売されるという仕組みだ。なお同国では、1996年から存命中の人物の切手発行が許可されている。
 世界初の「Pスタンプ」や一般市民が登場する切手など、革新的な試みを行ってきた、オーストラリアならではの切手発行といえるだろう。(引用はここまで)

 翌日切手の基本的な仕組みは、最初の2000年の時点でほぼ完成していることがおわかりでしょうか。当時と比べてIT技術ははるかに進歩している上に、日本では原則的に東京中央郵便局1局だけの発売ですから、意外に余裕がありそうに思えます。

【北京オリンピック2008】
 また、オーストラリアでは翌日切手とは別に、正式な平版印刷の切手も後日発行しています。その実例を2008年の北京オリンピックの例で比較しました。
 翌日切手の方はデジタル版、後日発行分が平版と呼ばれ、プリンター性能の違いで前者のドットが粗く見えますので容易に区別ができます。これは2000年のシドニー・オリンピックの時から行われていまして、私の持っているものはことごとく平版です。デジタル版は皆さん使わずに大事に残しておられるのでしょう。
 日本の場合も同様の違いがあるのかどうか、についての説明はありません。もし、違いがあるとしたら、全国の郵趣家の皆さんの目がまたしても大きく吊り上がることになりそうです(笑)。

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2016072803【ロンドン・オリンピック2012】
 2012年のロンドン・オリンピックの際、イギリス・ロイヤルメールも全く同じ金メダリストの翌日切手を発行しました。その時、これだけのための切手発行案内書を作成し、それを全世界の収集家に向けて発送しました。左はその表紙です。表紙をめくると下のような解説ページがあります。ここでも「最新のデジタル技術、データ送信、高速印刷」あってこその翌日切手というスタイルが踏襲されています。
 下図をクリックするとより大きな鮮明画像がポップアップウィンドウで表示されます。簡単な英語ですからぜひお読みください。

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2016072805【翌日切手の問題点】
 オリンピックメダリストの場合、ドーピング違反によるメダル剥奪の危険性が容易に想像つくと思います。実際に問題が発生して販売中止・回収騒ぎになったのが左図です。2004年のアテネ・オリンピックの際にギリシャが発行したものです。
 重量挙げ男子62キロ級のレオニダス・サバニスです。ドーピング検査で陽性反応が出たため、メダル獲得の翌日10月17日の発売日から、メダルが剥奪される22日までのほんの数日間のみ販売されました。郵便局に残っていた切手は回収されました。
 日本選手は倫理と遵法意識が高いので、このような問題は起きないだろうと信じます。むしろ、繰り上がりで金メダル獲得になった場合、当の選手もかなり白けそうだなあと、そちらの方を懸念しています。

【基本技術はPスタンプで培われた】
 勘の良い方は既にお気付きかと思います。翌日切手を可能にした基礎技術はPスタンプです。シドニー・オリンピックの前年1999年3月にメルボルンで行われた国際切手展オーストラリア’99会場で、帆船ポリー・ウッドサイド号45c切手のタブに個人の肖像を印刷した「個人切手」こと正式名称”Personalized Stamps”が世に出ました。
 本来は図のようにタブ部にはコアラの記念ロゴが印刷されているのですが、会場だけでこの部分に個人の肖像が印刷されました。この技術開発に数社の民間企業が参加しており、写真処理はMac、印刷機はフジゼロックスのDocucolor4040カラーレーザープリンターであることも判明しています。何のことはない、日系企業が一番最初から噛んでいたのです。
 にもかかわらず日本で翌日切手が実現するのが最初から数えて16年もかかってしまいました。せっかくの技術がありながらこれほどの周回遅れは忸怩たるものがあります。技術立国ニッポンの名折れです。
 日本郵便さんも民間からの提案をどんどん受け入れ、ぜひとも世界中があっと驚くテクノロジーの切手を”世界最初に”世に送り出して頂きたいものです。

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April 25, 2015

日韓国交正常化50周年記念切手発行反対/関連資料(1)

2015042501 1967年(昭42)、当時の沖縄切手で起きた「日米琉合同記念植樹祭記念」切手の発行中止事件についての基本資料をお示しします。左図が問題となった切手図案です。

 一見しておわかりのように、日の丸が星条旗よりも上の位置にあったことが問題となった・・・と一部のマスコミもそこまでは伝えていますが肝心な点が抜けています。これが直接原因となって米国民政府が激怒して発行中止に追い込まれたことです。

 大事なことなのでもう一度書きます、強制的に発行中止です。

 しかし、日米琉の三者が平等であれば何も問題にならなかったわけで、当時のアメリカ側の考えは筋が通っています。明らかに日琉側のデザインがトラブルの原因です。勉強不足、配慮不足です。
 それと同じ轍を踏もうとしているのが「日韓国交正常化50周年記念切手」です。

(以下、ビジュアル日本切手カタログVol.2より)
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March 08, 2015

変形郵便と発行銘

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 捨てないで残しておくと、後で別の意味に気がつくことが多いです。上もその典型で、札幌大通局の平7(1995).2.8付の第46回さっぽろ雪まつりの変形記念カードです。

 まず、この当時から郵便局でフォルムカード的な変形カードを製作・販売していた事実に着目です。往時はただのお土産品的な見方しかされませんでしたが、フォルムカードが定着した今、それまでとは違った意味が伺えます。
 規格外のサイズのため定形外郵便物扱いとなり、50g以下130円料金となっています。それゆえ、どこにも「郵便はがき」の表示もありません。これは今のフォルムカードと全く同じ制度運用ですね。
 さらに細かく見ますと宛名面右下に小さく「札幌郵趣会」の銘があります。文字通り郵趣会が発行したものなどではなく、郵趣会の名義を借りて郵便局(おそらく札幌中央もしくは札幌大通郵便局)が発行したものです。郵趣会名義での各種郵便商品の製作・販売という手法は決して珍しいものではなく、私見では郵便局名義の方が少ないようにすら感じます。
 ところが、このスタイルは不明朗な会計処理につながると会計検査院から厳しく指導され、平11(1999).4.30付で禁止されました。それ以後、全国各地のオリジナル郵便商品が激減したことに気づいておられる方はどれほどいらっしゃるでしょうか。
 ですから郵趣会名義の禁止以前と以後、フォルムカード登場以前と以後の変形郵便物(カード)は、その違いを細かく見る必要があります。それが郵便局製であればなおのことです。

 なお、ついでに記しますと、今でこそゆるキャラやマスコットがひんぱんに小型印図案に採用されていますが、ほとんどの場合、著作権関係をクリアした証として印面にコピーライト表示「©マーク」が刻まれています。ところがさっぽろ雪まつりだけは昔から、そして直近の第66回(平27)でも©マークがありません。事前に調整のうえ円満に解決されてのこととお察しします。その詳細については地元北海道の郵趣家の皆さんの手で歴史をまとめて発表をお願いしたく存じます。

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July 14, 2014

究極のヤラセ

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 1996年の夏、財団法人日本郵趣協会はモンゴルに「日本モンゴルジュニア親善使節団」を派遣しました。いずれも私の郵趣の教え子たちで、現地からいろいろなカバーを作って送ってくれました。当時の通信文を見返すと「椙山さんの好きそうなゲテモノを送ります」としれっと書いてあります。当時から私の悪趣味は知れ渡っていたわけです。その中でも最高のゲテモノがこれです。貼ってある4種の切手を見ただけで「おっ!」と唸った人は相当なヘンタイです(笑)。
 1962年7月、モンゴルは図版のチンギス・ハーン生誕800年記念切手4種を発行しました。モンゴルも鷹揚なもので何の疑問も抱かなかったらしい。ところがソ連にとってチンギス・ハーンは歴史上最大の宿敵です。えらく不評を買ってしまい、モンゴルもやっと事の重大さに気が付いて慌てて発売中止にしました。郵便窓口から一斉に引き揚げて倉庫の奥にしまい込んでいたと言われています。
 それが1989年の民主化を受けて、保管していた切手に”CHINGGIS KHAN CROWNATION 1189”の黒加刷を施し、即位800年記念切手として1万組だけが世に出ました。加刷の方も貴重ですが、図の無加刷の方がよりレアなのは容易に想像できると思います。使節団の彼らは現地の収集家との交換会でこれを入手したそうです。それを実逓使用したところが素晴らしい。きっと先生が良かったのでしょうね(笑)。
 しかし、モンゴル郵政の消印は不鮮明である場合が多いです。このまま投函しても消印で失敗しかねないと考えた彼らは究極の方法を思いつきます。歓迎のレセプション・パーティーの席上でカバーをとある人物に託したのでした。その人物とはモンゴルの郵政大臣でした。いずれの国でもこれ以上の「押印お願い」はないでしょう。究極のヤラセにより、この実逓カバーには1996年8月9日の鮮明な消印が押され、途中で盗難されることもなく無事に日本に到着したのでした。

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September 12, 2010

「ふるさと心の風景・第7集」再発売

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 マサスタンプこと山本誠之さんから、ほんの10分前に届きました。いわゆる「択捉島抜け」の図案ミスによる発売中止から3ヶ月、問題個所を削除した改版が2010年9月10日に再発売されました。その札幌 22.9.10付の実逓FDCです。いつもありがとうございます。
 何せ届いたばかりなのでまだよく見てはいませんが、切手自体は初版とまったく同じはず。それでも何らかのシークレットマーク(秘符)として、おばあちゃんが撒いている鶴のエサのつぶつぶの数が変わってないか、ホルスタインの白黒模様に差はないか、小屋の板塀はどうかなど一応チラ見はしましたが、めんどくさいので記念特殊切手の専門家の方にお任せします。後はよろしく!。
 わかりやすい変化としては左下のQRコードです。ケータイのバーコードリーダーで読むと、初版はKCH:01;KKC:2000000709130;で、再版は末尾が215;に変わっています。ドットのレイアウトが明らかに異なるので肉眼でも差異がわかります。

 それにしても山本さんのカバーはセンスがいいですね。グラフィックスが素人臭くないし、フォントの選び方もいいので全体的にあか抜けたイメージに仕上がっています。商品としてお金を取るに十分な美麗さを持っています。パソコンの普及で、普通の人でも手軽に自作カバーが作れる時代になりましたけれど、やっぱり道具ではないですね。センスの悪い人は何やってもいまいちですから。
 近日中に山本さんのブログに詳細が掲載されることでしょう。右のリンク欄からアクセスしてみてください。

■参考:緊急速報「ふるさと心の風景・第7集」販売停止

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