三角切手

August 08, 2007

韓国初の三角切手

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 韓国を旅行されたたぬぞうさんから送っていただきました。ありがとうございます!。

 「切手趣味週間スペシャル」と題する記念切手の小型シートです。朝鮮最初の切手、5文と10文の2種を描く韓国初の三角切手です。普通シートがそれぞれ100万枚ずつ、この小型シートは32万枚発行されました。また、UVライトを照射するとそれぞれ「五文」と「拾文」の文字が浮かび上がってオレンジ色に発光します。なるほど、スペシャルであります。
 題材の2種は日本で製造されたことで特に有名です。もちろん初の日本製外国切手です。銘版も「大日本帝国政府大蔵省印刷局製造」と入っていますので、切手展などで目にする機会がありましたらぜひご覧ください。
 さらに、発行後わずか10日あまりの短命で終わったことも物語を際立たせています。 1884年11月18日の郵便開設とともに発行されたのですが、保守派による反革命クーデター「甲申政変」のために郵便制度そのものが廃止されてしまったからです。日本は曲がりなりにも明治維新で近代化に踏み出すことができたのですが、残念ながら朝鮮はそうはいかなかったのです。この時にいかに失望したか、福沢諭吉があーだこーだ書いてまして、そのことがいまだに日韓間の評価のずれを惹起しておりますが、ここでは政治向きのことは書きません。副館長さんあたりにお願いしますです、はい。
 もうひとつ事実だけを記しますと、日本で製造されたため用紙と目打も当時の日本切手(U小判)と同じです。興味のある方はぜひお買い求めください。ときどき2種セットで17,000円〜くらいで販売しているのを見かけますから注意してさえいれば入手できるでしょう(たぶん)。

 最近の韓国切手はけっこう面白くていろいろ入手していますが、消印がねえ、ちょっとどうかなと思えるくらいにザツなのがひっかかっています。図版にも押されているこの機械印もかなり長期間使われていますけれども、この見た目の"がさつ感"がいかんともし難く、未使用でもかなり安いこともあって、ついつい使用済を避けてしまいます。本当は使用済収集の方が面白いことはわかっちゃいるんですけどね。
 "Me too文化"とも言われる韓国、真似だのインスパイアだの言い方はさておいて、ぜひとも諸外国のきれいな消印を研究していただきたいところです。普通の消印がきれいだとごく普通の実逓カバーでさえも、その姿が良く見えるんですね。それが郵趣文化にとって非常に重要なことなのですが、案外、私たち日本人収集家も気付いていないかもしれません。

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September 15, 2004

アメリカ初の三角切手

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 アメリカ郵政は妙なところがあります。世界に先駆けて!の先進的なプランを実行するかと思えば、意外に保守的な側面をも濃厚にあわせ持っているからです。

 上掲はアメリカでの通算第9回目の開催にあたる国際切手展PACIFIC'97の記念切手で、タイトル通りアメリカ初の三角切手です。第9回と言えば単なる通過点の印象しかありませんが、1997年という年は、アメリカが1847年に最初の切手を発行してから150年の節目の年であったがために、このような大奮発な切手を発行したのでした。初の三角切手へのチャレンジという先進性とは裏腹に、その歴史を反映して切手展の舞台となったカリフォルニアの19世紀中頃の輸送シーン「クリッパー(快速帆船)」と「郵便馬車」を主題にし、しかも伝統的な凹版印刷で発行する古めかしさとの組み合わせがいいではありませんか。この一件だけを見ても、アメリカの古さと新しさの奇妙な同居関係が伺えます。
 言われて初めて気付くことの例では、なぜかアメリカ郵政は寄附金つき切手の発行に冷淡で、最初の寄附金つき切手が世に出たのは上掲切手発行翌年の1998年「乳ガン研究」です。かと思えばアメリカ初の円形切手は、同時に同国初のホログラム切手であり、なおかつ同国初の円形小型シートでもある「国際切手展2000/Space Achievement」(2000年発行)という極端な前衛的切手です。あるいはまた、つい先頃、著作権や肖像権の侵害が危ぶまれるとの理由で、世界各国で実用化されているPスタンプについては同国の審議会が発行を認めないとの厳しい答申を出しました。

 アメリカ切手を鑑賞する時は、デザインに込められた古さと新しさの奇妙な緊張関係を意識してみてください。歴史の浅い国ならではの、古式に対する感覚が私たちとはずいぶん違うことを感じ取ることができますよ。

(アメリカ1997年発行/購入参考価格:2種で200円)

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August 09, 2004

ルレット目打の三角切手

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 1957年11月17-23日、テルアビブで開催された国際切手展TABILの記念切手です。昔から名品との誉れ高い切手ですから収集歴の長い人は一度は目にされたことがあると思います。十二星座を描いた小型シートで、右図の赤線位置にルレット目打が施され、単片にばらすと4種の三角切手になります。これも言われて初めて気付くことですが、アラブ土侯国などのまがいもののラベル切手などを除いた真っ当な切手発行国で、三角切手とルレット目打の組み合わせは少ないようです。私の郵趣データベースではこれ1点しか見当たりません。他をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントをお願い致します。
(イスラエル1957年発行/購入参考価格:500円)

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