韓国初の三角切手
韓国を旅行されたたぬぞうさんから送っていただきました。ありがとうございます!。
「切手趣味週間スペシャル」と題する記念切手の小型シートです。朝鮮最初の切手、5文と10文の2種を描く韓国初の三角切手です。普通シートがそれぞれ100万枚ずつ、この小型シートは32万枚発行されました。また、UVライトを照射するとそれぞれ「五文」と「拾文」の文字が浮かび上がってオレンジ色に発光します。なるほど、スペシャルであります。
題材の2種は日本で製造されたことで特に有名です。もちろん初の日本製外国切手です。銘版も「大日本帝国政府大蔵省印刷局製造」と入っていますので、切手展などで目にする機会がありましたらぜひご覧ください。
さらに、発行後わずか10日あまりの短命で終わったことも物語を際立たせています。 1884年11月18日の郵便開設とともに発行されたのですが、保守派による反革命クーデター「甲申政変」のために郵便制度そのものが廃止されてしまったからです。日本は曲がりなりにも明治維新で近代化に踏み出すことができたのですが、残念ながら朝鮮はそうはいかなかったのです。この時にいかに失望したか、福沢諭吉があーだこーだ書いてまして、そのことがいまだに日韓間の評価のずれを惹起しておりますが、ここでは政治向きのことは書きません。副館長さんあたりにお願いしますです、はい。
もうひとつ事実だけを記しますと、日本で製造されたため用紙と目打も当時の日本切手(U小判)と同じです。興味のある方はぜひお買い求めください。ときどき2種セットで17,000円〜くらいで販売しているのを見かけますから注意してさえいれば入手できるでしょう(たぶん)。
最近の韓国切手はけっこう面白くていろいろ入手していますが、消印がねえ、ちょっとどうかなと思えるくらいにザツなのがひっかかっています。図版にも押されているこの機械印もかなり長期間使われていますけれども、この見た目の"がさつ感"がいかんともし難く、未使用でもかなり安いこともあって、ついつい使用済を避けてしまいます。本当は使用済収集の方が面白いことはわかっちゃいるんですけどね。
"Me too文化"とも言われる韓国、真似だのインスパイアだの言い方はさておいて、ぜひとも諸外国のきれいな消印を研究していただきたいところです。普通の消印がきれいだとごく普通の実逓カバーでさえも、その姿が良く見えるんですね。それが郵趣文化にとって非常に重要なことなのですが、案外、私たち日本人収集家も気付いていないかもしれません。
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