図案ミス

January 13, 2024

いろいろおかしい

 「47都道府県の花」の山口県版を横ペアで貼った初日カバーです。寄贈品の中から出てきたものですが、よく見るとおかしい点が見受けられます。

 まず、小型印のタイトルです。山口県の県花は「ナツミカンノハナ」であってナツミカンではありません。このことは山口県民なら常識です。
 次に、描かれた山口県のアウトライン地図が変です。小型印用に図案は省略を必要とするものではありますが、描かれているそれは省略ではなく形が違う感の方が強いです。島嶼部を消した白地図を合成しましたので参照ください。山口県はこんなデブではない!(笑)
 こんな単純ミスはよほど山口県とご縁がない方の手によるデザインなのでしょう。おそらく他県の分もあるでしょうから見比べてみたいです。

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 そして最も大きな注目点が発行銘です。カバー裏面の表記は山口郵趣会とありますが、戦後直後に結成された同会はもうこの頃には活動停止していたと思います。これは実際は郵便局さん自身 (または関連会社) が企画立案製作していながら、販売するのに都合が良かったことから郵趣会を名乗っていたものです。
 本例も切手の額面だけなら124円のところを売価を160円にしています。郵便局さんとしてはこの差額の割増分36円の会計処理が面倒でした。そこで郵趣会に切手を額面で売り渡したことにし、その段階で会計を〆てしまいます。完成した初日カバーを郵趣会がいくらで調達し販売しようが、郵便局はもう関係ありませんの体を取ったのです。
 ところが、1999年(平11)5月1日、この販売スタイルは不明瞭会計につながると会計検査院から禁止の行政指導がありました。その日を境に郵趣会名義の郵便商品は忽然と姿を消します。ここ、大事な歴史の分岐点です。

 

 

 

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January 05, 2024

1月5日(1973)

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 リベリアが発行した「ミュンヘン・オリンピック優勝者」6種セットのうち、10c切手にレスリング・フリースタイル57キロ級の優勝者・柳田英明氏が採用されています。ただし、惜しくも名前を「HIDEKI YANAGIDA」とスペリングミスしています。名前ミスは少なくないので、外国切手に登場した日本人名は必ずチェックするようにしています。

 

 

 

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December 18, 2021

謎の図案ミス切手2題

 下図左はあまりにも有名なゴヤの「イザベル・デ・ポルセール」(1804-05)のマキシマムカードです(スペイン・1958)。右は原画のロンドン・ナショナルギャラリーの画像です。
 一見しておわかりのように切手はもろに裏焼きです。しかし、裏焼きミスで発行停止・回収されたとか、正規版を再発行したなどの話はまるで聞きません。facebookでお訊ねをしましたが、結局、詳細は不明でした。
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 下はソ連が1960年に発行した野生動物18種セットのうち2種貼りの実逓カバーです。問題は左のヨーロッパ・ヤブウサギです。”走る時には耳を寝かせる習性があり図案のように耳を立てて走ることはない”・・・とスタンプマガジン1991年7月号P.9に書いてあります。当時はそんなもんかなと深く考えずにいたものの、私とて筋金入りの田舎者です。基本夜行性の野ウサギをそう頻繁に見る機会はないにせよ、走って逃げる姿はちょいちょい見ています。耳を伏せて走っていたっけ???と若干の疑念を持ち続けてきました。洋の東西でそんなに違うはずはないのでは?。
 嗚呼、あれから30年!(綾小路きみまろ風に読む)、今ではYouTubeで簡単にヤブウサギの動画を視聴することができます。で、その結果は・・・耳立てて走ってますがな😅

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January 25, 2019

YVONNE CARRE(イボンヌ・キャル)

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 直筆サイン入り郵趣品も収集対象にしている関係で、将来の記念押印用にサイン入りプロマイドなどもチェックしています。その一環で入手したのがこれ、YVONNE CARRE(イボンヌ・キャル)さんです。

 表には"for FREDERICK - me in TOKYO"と群青色のマジックインキペンで書かれています。ファンレターをくれたフレデリックさんへのご返事品のようです。裏には日本滞在中に日本語のレコードを吹き込み、28のTV番組に出演したとあります。調べた結果、イボンヌさんは主にヨーロッパで活躍された国際派歌手さんで、坂本九さんの「上を向いて歩こう」をドイツ語などで歌っておられたようです。いわゆる”スキヤキ・ソング”ですね。3年後の2021年がレコード発売60周年にあたるので、その際のカシェにでも使えるかな?と考えての購入でした。はい、つまり「上を向いて歩こう」と私は同い年でアリマス。

 残念ながらWikiにも記載がないのでちょっぴり手こずりましたが彼女のホームページも発見できました。写真の印象は1960年代っぽいのですが、同じ写真が1970年代のBiographyに掲載されていました。その時代なら日本のテレビ局関係にも資料が残されているかもしれませんね。

http://www.yvonnecarre.com/seiten/intro.php

 ところがホームページとこのプロマイドの写真が左右逆でした。どちらかが裏焼きエラーということになります。プロマイドでは和服の襟が左前になっているのでこちらがミスと思います。着付けの先生にお願いしなければ外タレさんが自前で着られるわけがありませんし、先生が左前にするはずもありません。

 直筆サイン入りに加えて裏焼きエラー品。ちょっぴり得した気分です。


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July 05, 2018

掲揚のプロトコール

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 公務員職でないと気付きにくい、逆に言うと公務員職なら敏感に反応する事柄がありました。今月2日から使用開始した宮崎県庁内郵便局の風景印です。図はプレスリリース時の原画と実際の宮崎県庁舎の正面写真です。違和感に気づかれましたでしょうか。
 実際の写真では3本の掲揚ポールの中央に日の丸、その右側に県旗が掲げられています。中央が上位、右が下位のプロトコールがきちんと守られています。原画のように中央に県旗だけというのはありえないことです。このことに最初に気づいたAさんはやはり公務員職でした。すぐに日本郵便お客様相談センターに問い合わせたところ、このような回答がありました。

 『お申し出いただいております風景印につきましては、写実的に仕上げるという決まりはなく、デザインとしてわかりやすく作成しておりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。』

2018070502 日の丸を引っ込めて県旗を前面に押し出すことの方が”わかりやすい”と言えるでしょうか?。郵便・郵趣のネットワークとは実に素晴らしいもので、2010年7月に発行されたフォルムカード「宮崎県庁舎」も同じアレンジだとの指摘がすぐに寄せられました。発行日が8年も離れているのにこの見事な一致は偶然ではないでしょう。日の丸を掲げることによるトラブルを未然に回避するための”逃げ策”ですね。よりによって建国神話のある宮崎県でこんな及び腰とは情けない。
 逓信省の時代から旧幕府寄り人脈が根を張っていると言われている日本郵便です。薩長と異なり因習に回帰しようとする属性は150年経っても直らないのでしょうか?。逃げと正統の混同は是正されたい。少なくとも『日の丸を掲げないことにより、結果的に誤ったメッセージを発してしまう』ことに関しては早急に認識を改めていただきたいです。

・・・てなことを書こうかと思っていたところに郵頼が戻ってきました。たいへん丁寧な押印で完璧でした。してその県旗部分を見ますと・・・図案が小さすぎて実印影では県旗かどうかの識別自体ができません。根本的な部分で”わかりやすく”なっていませんでした(笑)
 こんなことならいずれ印顆が摩滅することまで見越して、どの旗でもない塗りつぶしデザインでも良かったのではないでしょうか。私も見えない部分まで問題にしようとは思いませんよ。意外な結果でした。ちゃんちゃん♬

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June 18, 2018

War Crimes in Bangladesh by Pakistan Army and their Collaborators 1971

 バングラデシュが表題の由々しい切手を発行しました(2017年7月)。日本語直訳すると”パキスタン軍とその協力者によるバングラデシュでの戦争犯罪”。さらに切手1枚ずつに”Genocid - Torture in Bangladesh 1971”(バングラデシュでの虐殺・拷問1971)と表記されているという、なんとも恐ろしい仰々しさです。

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 バングラデシュ、パキスタン、インドは昔から三巴の仲の悪さだということは一般常識として知られているところです。しかし、外交上あからさまな敵対表現の郵便切手は発行するべきではないとUPUも定めています。本券はその良識に根本的に反しています。大判の連刷シートの第1コーナー部をご覧いただきますが、腐乱死体や虐殺遺体のオンパレードで正視に耐えません。なので、その一部(と言っても過半数にも及びますが)の図案にボカシを入れました。人の遺体を食べている野犬の写真まであります。こんなのはいくら事実であっても切手にしてはいけません。

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 厄介なのは単なるグロ切手ではない点です。シート左上角いわゆる1番切手位置に不具合があったらしく真っ黒に塗り潰されています。ひどい写真図案だらけなのに、これ以上のどんな不都合があるのかよ?です。
 さらに、横4種ごとに田型に納めた計18種の小型シートも同時発行されました。1番切手位置の塗り潰しは小型シートでも行われています。なお、小型シートは無目打です(目打は印刷)。

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 厄介なのはそれだけではありません。2番切手から順に全ての切手に1番から71番までの切手位置番号が割り振られているのです。1番切手の塗り潰しのため、実際の切手位置と割り振られた番号がひとつずつずれているという無駄なややこしさです。小型シートも同じ番号が入っています。
 それでなくても切手位置番号が入った切手は、エストニアが1927年に発行した「風景」5種に次いで本券がなんと史上2番目にあたるため、変り種切手コレクターとしては看過できないのが悩ましい限りです。

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 バングラデシュ切手のポンコツさ加減は想像を超えるものがあります。今回は発行前に発覚して黒塗りになったわけですが、2007年発行の「洪水救済」連刷シートは発行後に不具合が判明し、各郵便局で問題切手部分を鋏で切断してから販売させました。
 現地の収集家に聞きましたところ、被災者に救援物資を手渡している人物が前政権の担当チーフ(大臣か?)だったからだそうです。発行するまで誰も気づかず発行後にそうした対処をしたのだとか。いかに人件費が安い最貧国のひとつとはいえ、なんともおおらか過ぎるお話です。

 なお、この大虐殺71種連刷シートと小型シート18種は郵趣誌7月号に掲載はされますが図版は省略で販売の取り扱いもありません。当然だと思います。それでもなお欲しい方はリスク承知で各自個人輸入されてください。私もこの件については一切責任を負いかねます。


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May 08, 2018

お恥ずかしいM美術大学

 リーフ説明をどうぞお読みください。料金別納表示位置は実務上の要請から決められていることなのに、こんなことにまでいちいち歯向かって一体何の意味があるのでしょうか。こういう”人として面倒臭い”ことをしでかすから美術系は社会常識のない変人という偏見を持たれるのです・・・実際、否定できませんが・・・。未熟な若者ならまだしも、れっきとした大学・大学院がこんなことしたらいけません。

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 後学の資料とするため未使用も複数枚確保してきました。実際に郵送しようとした人は郵便窓口で200パーセント迷惑がられたはずです。自分の責任でもないのに、さぞかし肩身の狭い思いをされたことと思います。心中お察しいたします。

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小さすぎる切手フェスタの小型印

2018050701 お江戸の収友たちが主催している切手フェスタも今回で3回目になりました。連休明けに小型印付きポストカードが届いたのですが、ぱっと見た瞬間にピンときました。催事に参加された方々も多かったと思いますが、皆さんお気付きですか?。
 小型印の直径は規定では32ミリです。ところがこれは31ミリしかありません。わずか1ミリですが印象がかなり違います。

 過去には旧東海郵趣政局(現東海支社)で、昭和44年度に同じ8月1日に使用された小型印2種がさらに小さな小型印を使用しています。左の清水局が28.2ミリ、右の沼津局が28ミリちょうど。今の所、この2点が私が確認した中で小さすぎる小型印の最小レコードです。

 現在はパソコンで版下作業も行われているでしょうから、寸法間違いというのは昭和の時代より発生しにくいものと思います。押印された方はどうぞ大事になさってください。

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January 15, 2018

ワールド・スタンプ・ナウ 第152回

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 郵趣2月号が校了しましたので恒例のチラ見せです。常識では滅多に起きないと思われる事態がまた発生しました。グリーンランドと仏領南方・南極地域どうしでここまで同じそっくり図案なのに、一方の仏領南方・南極地域は共同発行とは認めないと主張しているのです。なんらかの大人の事情があるのでしょうが、そんな話を郵趣に持ち込んで欲しくないですね。躍動的な素晴らしいデザインです。そんなことでケチがつくのはもったいないです。
 この切手、実は変なところがあります。郵趣誌上ではおちゃらけ話は自粛したのですが、よく見るとコウテイペンギンは海面上を歩いています。右端の切手はオジロワシが魚を捕まえて飛び立つ瞬間を描いています。海面から勢いよく水しぶきが上がっているところまで丹念に描き込まれています。コウテイペンギンの足下あたりだけ白っぽくなってはいますが、そこだけ結氷していると言うにはかなり無理があるのではないでしょうか。ひょっとして、そこが片想い共同発行になった理由だったりして(まさかね)

 欄外注記に深刻なことを書きました。郵趣イベントで長年利用していたKKR広島が3月に閉館します。実質的には今月いっぱいまでしか使えません。山口県下松市のザ・モール周南も営業譲渡されて8月からゆめタウンに変わります。棟続きのスターピア周南が郵趣イベント会場でしたが、ここも3月からリニューアル工事に入り、その後の使い勝手はよく見通せていません。
 郵便局舎のレンタルスペース事業化をぜひとも進めていただきたいと思います。切手の会は金銭のやり取りがあること、セキュリティーの問題があること、駐車場スペースに余裕がないこと、加えて野村不動産の買収問題が頓挫したこと等々課題があることは承知しています。しかし、イベント会場不足に悩んでいるのは何も切手の会だけではないでしょう。


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August 10, 2017

富士山麓ひのき製森のはがき

2017081001 今年の富士山頂郵便局のオリジナル郵便商品の中に2種のひのき製はがきがあるのを発見。変形郵便物あるいは変り種切手のファミリーとして変わった材料・原料品も収集しているものですから、富士登山を計画されていた市村良二さんに実逓発送をお願いしました。

 実物が届いてびっくり。薄い紙仕様のはがきかと思っていたらがっつり5ミリほどの厚みがあります。紙ではなく完全に板です。重さも25-30gあり、なるほど、これは定形外郵便物120円料金です。
 さらに驚いたのが穴あき加工です。日本の伝統建築の欄間に見られるような透し彫りになっています。たまたま元木工家具デザイナーだった弟が来ていたので見てもらったら、その断面が茶色なので”レーザー加工だ”と即答。NCマシニング加工だったら旭日の光源部などの細い部分には切刃が入って行かないそうです。なるほど、なるほど。しかも小口からして茶色いので、はがきの外形切り出しからレーザー加工だそうです。四角を直角にしないで丸くR加工しているのも、単に安全性のためばかりでなく、わかる人にはわかるだろうとの密かな技術力の誇示でもあるようです。
 決定打は”富士山登頂記念”の文字と郵便番号枠です。これは表面から数ミリのところで切削が止まっていて裏まで抜けていません。画数が多く微小加工でもあるので、レーザー加工でしかできない細工です。

 ここまでハイテクなアイテムだとは思いもしませんでした。市村さんのご好意がなければ入手できなかったものです。本当にありがとうございました。
 ストラップとのセットで1枚1,200円は納得価格です。変り種郵趣に興味をお持ちの方は、この夏ぜひ富士登山を。

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[追伸]
 報道発表の図と実物のレーザー彫刻の模様が左右逆の鏡像になっています。これって図案ミスでしょうか???


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