いろいろおかしい
「47都道府県の花」の山口県版を横ペアで貼った初日カバーです。寄贈品の中から出てきたものですが、よく見るとおかしい点が見受けられます。
まず、小型印のタイトルです。山口県の県花は「ナツミカンノハナ」であってナツミカンではありません。このことは山口県民なら常識です。
次に、描かれた山口県のアウトライン地図が変です。小型印用に図案は省略を必要とするものではありますが、描かれているそれは省略ではなく形が違う感の方が強いです。島嶼部を消した白地図を合成しましたので参照ください。山口県はこんなデブではない!(笑)
こんな単純ミスはよほど山口県とご縁がない方の手によるデザインなのでしょう。おそらく他県の分もあるでしょうから見比べてみたいです。
そして最も大きな注目点が発行銘です。カバー裏面の表記は山口郵趣会とありますが、戦後直後に結成された同会はもうこの頃には活動停止していたと思います。これは実際は郵便局さん自身 (または関連会社) が企画立案製作していながら、販売するのに都合が良かったことから郵趣会を名乗っていたものです。
本例も切手の額面だけなら124円のところを売価を160円にしています。郵便局さんとしてはこの差額の割増分36円の会計処理が面倒でした。そこで郵趣会に切手を額面で売り渡したことにし、その段階で会計を〆てしまいます。完成した初日カバーを郵趣会がいくらで調達し販売しようが、郵便局はもう関係ありませんの体を取ったのです。
ところが、1999年(平11)5月1日、この販売スタイルは不明瞭会計につながると会計検査院から禁止の行政指導がありました。その日を境に郵趣会名義の郵便商品は忽然と姿を消します。ここ、大事な歴史の分岐点です。
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