May 12, 2008

ペラナカン博物館のコレクション

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 アイアイスタンプさん(郵趣5月号P.37参照)からオファーを頂き、二つ返事でこの賑々しい小型シートを譲っていただきました。いつもありがとうございます、オファーは常時大歓迎です!。
 2008年4月8日にシンガポールが発行した「ペラナカン博物館のコレクション」という名のポーチ型変形小型シートです。変わっている点はもちろんそれだけではありません。中央の$5切手の刺繍柄部分に細かいビーズ玉(キャビア・ビーズと言うそうです)がみっちり貼り込まれています。
 ペラナカン文化とは中国系とマレー系が混合して生まれたハイブリッド文化のことだそうです。シンガポールの旧アジア文明博物館第1棟が4月26日にペラナカン博物館としてリニューアル・オープンしたのに合わせての切手発行かと推察されます。そのペラナカン文化の代表である刺繍とビーズ細工を取り入れたものだそうです。わかりやすい発行目的ですね。
 ホルダー(二つ折りタトウ)に記載されていた説明文をそのまま文末に転載しますが、重大なミスがあります。「世界初のビーズ(貼り)切手」だと謳っていますが、これは完璧な間違いで、正しくは下記の通り世界で5番目です。いつもはホルダーは捨ててしまうのですが、この記述ミスがあるため、あえてコレクションに残しておくことにしました(笑)。
 なお、魚卵系模様が生理的に苦手な人は特に避けた方がいいかもしれません。ビーズが小さいぶん、ぎっしり感が非常に濃密だからです。

1 スワロフスキー・クリスタルの世界SS(オーストリア/2004年)
2 花火SS(オーストリア/2006年)
2 同上(中国香港/2006年)
2 同上(上記2国の同居型SS/2006年)
  ※「花火」はオーストリアと中国香港の共同発行&同時発行
5 ペラナカン博物館のコレクションSS(シンガポール/2008年)

 A distinctive aspect of Peranakan culture is its exquisite beadwork. Reputed for their creativity and refinement of workmanship, Peranakan ladies (nonyas) used brilliantly coloured miniscule glass deads to create intricate designs on anything from slippers to tobacco pouches. The beaded wedding purse as depicted in this unique pouch-shaped Collector's Sheet in an excellent example of the intricate Peranakan handicraft, which also features the world's first beaded stamp! Tiny "caviar beads" are manually affixed onto the $5 stamp to re-create the delicate texture of Peranakan beadwork.

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April 12, 2008

デビュー

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 スウェーデン郵政の報道発表によると、ウェブデザイナーから切手デザイナーに転身したJenny Burman女史のデビュー作品とのふれこみ。新人さんのうちからこんなに持ち上げられて大丈夫なんかなあ?。俺なんざデザイナーとしての仕事よりコンクリートの配合を試したりオービタルサンダで研磨したり、すっかりドカタ派になってますが。ええ、もちろんうらやましくて書いてますよ(笑)。
 同時発行された昆虫3種のコイル切手のうち、テントウムシを描く1種のみが図のように6面建てで限定3万シート発行されました。売価も額面合計33クローネのところを5クローネ増しの38クローネで販売されました。無額面切手・郵便等級表示切手の類だと、こういう割増販売も見過ごしやすくなる点に要注意ですね。また、シート左下のドットは目打穿孔穴でテントウムシを象っています。ですから穴開き切手の一種ということにもなります。
 3種のうちこれだけがオフセット印刷で他の2種はいかにもスウェーデンらしい凹版印刷です。一般に安価と言われるオフセット印刷なのに割増販売ってどうよ?みたいな気もしますが、風合いとしては意識的に多色凹版印刷の趣を醸し出しています。オフセットでもここまで表現力がありますよ、という意図でしょうか。

※興味のある方は郵趣4月号P.78を参照ください。
 または同号の見本誌はこちらから申し込めます(本文末を参照)。

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March 18, 2008

本家カナダの「赤毛のアン」

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 先日、日本郵便の「国際文通グリーティング(赤毛のアン)」発行の報道発表がなされました。今年の共同発行相手国はカナダということで、さっそく同国郵政サイトにアクセスしたものの、やや肩すかしでした。いわく「details誌(同国の郵趣広報誌)に詳しい紹介記事があるので郵便受けを開けてみなさい」と。で、帰宅したらホントに私んちにもdetails誌が届いていました。ありゃま、ほんとだ!。
 さて、本家カナダの「赤毛のアン」切手の呼称は"Anne of Green Gables"となっています。10面ペーンの切手帳の他、上図のような変形小型シートも発行されます。この小型シートのみ横ペアの中央目打部分にカエデ型の目打穴が穿孔されます。また、絵はがきやメダルなども発行されるとのことです。委細は同国郵政ホームページの発表を待て!。
 この調子だと来年の国際文通グリーティングも日本アニメネタでテーマは「フランダースの犬」、そしてもちろんベルギーとの共同発行でしょう!。ベルギー本国ではもともとこの物語はあまりメジャーではなく、実は日本アニメの輸入・放送のおかげで一般に認知されたそうなので、ふさわしさに遜色はないのでは?。ってな勝手な予想が、まぐれでもいいから当たんないかな。

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August 18, 2007

現代美術:ヘルマン・ニッチュS/S

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 郵趣8月号の連載記事に取り上げられなかった補遺です。

 オーストリアが発行した表題の小型シートは変り種度のレベルがかなり高いです。まず、目打ですが、これは白抜き印刷であって実際に穿孔はされていない擬似目打です。ドローイングの黒い描線が、この目打穴風の図柄の上を通過していることではっきりそれとわかります。他の国々の先例でも、擬似目打部分に絵柄を重ねること(オーバー・レイ)はほとんどなく、あたかも目打穿孔されているかのように絵柄も白抜きにすることが多いのですが、本例は意図的にそれをしていないものと思われます。もっとも、このデザインの場合、黒版から目打穴部分だけ抜くと、描線の勢いを削ぐデザイン上の欠陥もさることながら、実際に印刷する時に刷り合わせが面倒になることも問題なのですが。
 さらに、目打穴風図案の中には額面数字がありません。よく見ると、題字の右側に「100」とありますね。これが額面で100ユーロセントの表示です。ですから、目打も実際に穴は開いていないし、額面表示もシート地部分(のように見える場所)に表示してあることから、小型シートのように見えて小型シートではなく、これ全体が無目打の単片切手であるとも言えるのです。オーストリアほどの国が、ここまでトリッキーなことをやるのも相当面白い現象だと思います。
 ヘルマン・ニッチュ自身が原画制作だけでなくデザインまで行ったとすれば、そしてかのようなトリックを意図的に仕込んだのだとしたら、ひょっとすると彼自身もフィラテリストではないか?、とさえ思われます。

 ついに$1=114円台に突入しましたね。タイミングを見計らってアメリカの業者さんへ色々まとめて注文を出しましょうか。

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August 14, 2007

発行中止

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 お墓参りから帰宅したところ、Iさんから質問のメールが入っていました。某A社から購入したとのことですが、素性がわからないので教えて欲しいとのこと。実は、私も同じものを持っておりますよ(^O^)

 "中国足球"の文字がありますが中国切手ではありません。目打は施されていますが、国名も額面も入っていませんのでまるで宣伝シールか何かのようです。この正体は、北朝鮮が発行寸前まで用意していた「ワールドカップ・サッカー2002記念切手(の完成一歩手前の円形変形シート)」です。ここまで準備しておき(たぶん中国に製造を依頼していた)これに国名と額面を加刷式に刷り重ねて発行しようと計画していたものです。上段2種(1,2番切手)が各40ウォン、中段4種(3〜6番切手)が各20ウォン、下段(7,8番切手)が各30ウォンの計220ウォンとなる予定だったそうです。それがなぜ中止になったと言いますと、北朝鮮は1996年頃から既に韓国に対して共同開催の提案をしていたのですが、結果はみなさんよくご存知の通り日韓の共同開催でした。これに北朝鮮が割り込めるような風向きではなく、実際のところ、韓国も本気でそんなことを考えてはおらず(要は無視)、韓朝共同開催の芽が潰えたのに伴い、本件も発行中止となってしまったのです。
 計画されていた時期は、シートの円周に組み合わせグループが列記されていることから、抽選会のあった2001年12月1日よりも後であることはわかりますが、それ以上の日程の確定はできていません(大会は2002年5月31日から開催)。
 ここでは中国代表チームが登場していますけれど、これと全く同じフォーマットで全参加国のシートを発行しようと考えていたのではないかと想像しています。

 そんな発行中止アイテムがなんで世の中に出回っているのか、ですが、ありていに言いますと横流しされたものだからです。日本みたいに管理がガチガチに厳しい国の方が少数派で、切手でなければただのラベル、シールだからマニアに売っても別にいいじゃん!ってな感覚でしょう。紙質が良いこと、オフセット印刷のスクリーンメッシュ(網点)が中程度に細かいこと、そして最も重要なポイントですが、横流しが日常茶飯事、の3点から北朝鮮が中国に依頼して作ってもらったもの&中国で横流しされたもの、と書いたわけです。
 発行中止と決まってゴミと化した時、廃棄処分の過程で管理が行き届かなくなったレベルで、人気のある自国代表チームのシートのみ持ち出したやつがいたのでしょう。そうでなければ市場に出回るわけがないし、かの大陸では類似事件は非常に多く、いまさら遠回しに言ったところで隠す理由もないのでハッキリ書きました。

【発行前の完全回収について】
 日本でもありましたね、誤字脱字や写真の裏焼きなどの理由で配給済切手の発行前の全回収が。日本郵政くらいの大規模な組織になると完全回収なんて絶対に無理。ふとどきな動機だけではなく単純に事務的に限界があるのです。実際に回収漏れが発見されていますし、それらは超レアアイテムとなり、地下水脈的マーケットで取引されるのです。動機はどうであれ、欲しい人がいるのにモノがなことでさらに不健全な事態に陥るのです。どんなへ理屈をこねようとも、これが無視できない現実です。
 ですから、私は致命的なミスに気付いても発行前には一切言いませんし、発行後も十分な量が行き渡るまでは黙っています。切手の図案ミスなんて、要は発行母体のメンツを損なう以外に何ら実害はありません。郵便に使う上ではもちろん何の支障もないし、最後は誰かが責任をかぶって「ごめんね」と言えば終わる程度のことです。誰一人として生命や財産が損なわれることはないのですから、ことさらに大袈裟に扱う必要はないのです。
 郵政民営化後は今まで以上に図案ミスが頻発することでしょう。それでもなお、否、それだからこそ、それと気付いたからといってご注進に及び、結局は闇市場を活性化させるだけのような愚はゆめゆめ行ってはなりません。いかなミスでも大量に出回り、なおかつ時間も経ってしまえば、それが最も被害が少ないのです。そんな例はカナダやアメリカなど、いくらでも実例はあります。

 完全回収できるなどと考えるのはただの空想ではなく明らかな犯罪である。

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June 21, 2007

ターゲットは団塊の世代

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 カナダ郵政発行の郵趣広報誌details最新号が届きました。Canadian Recording Artistsと題する存命中のミュージシャンを取り上げた切手が6月29日に発行されます。登場するのはゴードン・ライトフット、ジョニ・ミッチェル、アン・マレー、ポール・アンカの4人です。発行券種はそれぞれのポートレイト写真を表紙にしたセルフ糊式切手帳が4種と、上掲の裏糊式円形小型シート1種です。
 アメリカの郵趣雑誌だったでしょうか、団塊の世代は何も日本に限ったことではなく、第2次世界大戦を経験した国にほぼ共通して存在するそうです。それがまた同じように切手収集回帰のムーブメントがあるそうです。上記4人のセレクションを見ますと、やはり団塊の世代を狙ったとしか思えませんね(善し悪しの話ではなく)。私が知っているのはポール・アンカとジョニ・ミッチェルだけです。他のおふたりは存じ上げません。

◆スタァ誕生!
 イギリス版・素人参加のスタ誕番組です。この風采の上がらない携帯電話のセールスマン、ポール・ポッツさんがやってくれました。第一印象が非常に悪いだけに、それだからこそ人は見かけによらないことを体現した「やったぜ!」感はスカッとしますなー。グランド・チャンピオンにもなったそうですから、いずれ日本でもCD発売になるかも。
 本来の正しいオペラの発声ではないんですが、まあ、見てちょんまげ。まったく期待していなかった審査員の表情がみるみる変わる様だけでも十分爽快ですよ、鳥肌立つよ。

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