モーツァルト死去220年
画像を見ていただいただけで「は?」でしょう。アヴァンギャルドな発行政策も最早珍しくなくなったかのオーストリアが、来る2011年12月5日にこの追悼周年切手を発行します。有名な肖像画をトリミングしたとわかりますので、視覚工学的には記号としての役割はじゅうぶんに発揮しています。でもね、なにもご尊顔をがっつりはずすとはちょっとすごいね。これでGOサインを出した郵政当局も大胆不敵。
デザインしたのはSilvia Mouckaさん。オランダのエンスケデ社によるオフセット印刷で発行枚数は73,000枚。発行枚数も少ないし発行までのいきさつを是非聞いてみたいものです。
肖像切手はそれだけで講演ができるほどのネタがあります。ジョージ・ワシントンは木製のごつい入れ歯をしていたために頬が腫れたような不機嫌な肖像画が多い、といった雑学系の話題を含め、今思いついただけでも下の3点があります。
左は「探検家ジョージ・ヴァンクーヴァー誕生250年」記念切手(カナダ・2007)。船上で水平線を見つめるキャプテン・ジョージの後ろ姿を描いています。疑義のない肖像画も伝わっているのになぜか後ろ姿。肖像画を使うことに子孫がクレームをつけたという話も聞いていません。カナダ郵政の公式FDCには肖像画が印刷されているので機会がありましたらご確認を。
中は「偉人」小型シートより単片1種(ブラジル・2009)。2009年は「ブラジルにおけるフランス年」とされ、4月21日から11月までの半年強もの期間に各種イベントが開催されました。ブラジルと関わりのあるフランス人をアーティスティックに描いたという説明でしたが、切手に描かれているのはデフォルメされたブラジルの原住民。肝心の顕彰すべき当の偉人、社会人類学者クロード・レヴィ・ストロースはシート地に小さく描かれているだけ。本当に誉め讃える気があるのでしょうか?。
右は「画家ディエゴ・リベラ誕生100年」記念切手(メキシコ・1986)。有名な画家フローリダ・カーロのダンナです。ええ、もうあれでしょ、そ、そ、ハマコーさんそっくり(笑)。単なる偶然、他人の空似なので笑っちゃいけまへんが、このパターン、ごくたまにあるんですわ。左欄のカテゴリの「他人の空似切手」をクリックしてください。本券以外に若干数をご覧いただけます。
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