ジャポニカ

January 01, 2025

郵趣データベース 1万9千件到達

 自作の郵趣データベース「Stella」(ステラ) の採録点数が1万9千件に到達しました。奇しくも2025年 (令7) 元旦に達成とは縁起がいい😊

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 その記念すべき1万9千件目は「子供の遊び」4種 (シンガポール・2024)です。その中の1種、85c切手にカプセルトイが取り上げられています。

 もともとの販売機はアメリカで発明されたもので、カラフルな色付きのガムを売る機械でした。それが高度経済成長期真っ只中の1965年 (昭40) に日本に輸入され、全国の駄菓子屋さん、おもちゃ屋さんの店頭に設置されました。その光景をご記憶の方も少なくないと思います。さらにそれ以降の日本独自の進化と世界進出については郵趣2月号で取り上げたいと思います。

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November 14, 2024

1971年製のタイ王国60種パケット

 廃業古物商さんから一括して引き取った在庫品をチェックしていて、またまた面白アイテムを発掘しました。何が面白いかというと、パケットの裏面に坂出税関支署 (香川県) の通関印が鮮明に押されている点です。正規の輸入品であれば同様例がたくさんあるはずですが自分はこれが初見です。

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 パケットの封筒外観はかなりくたびれていますが、これは製造国の製紙技術がよろしくなかったせいだと思います。実際は1970年の大阪万博の翌年ですから53年前、そんな大昔でもありません。現地でタイ人の内職さんを使ってパケットを組む。それをとりまとめて全世界に輸出するなどのマネージメント業務はイギリスもしくはアメリカの専門業者さんであったろうと思います。当時は全国各地に切手商さんが林立していましたので、四国の切手商さんが輸入したものだろうと思います。

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 パケットの窓から見えている12種は白台紙に直接糊付けされています。水はがしをすればバラすこともできるでしょうが、資料性を考慮してこのままにしておきます。なお、矢印で示した6種は日本の大蔵省印刷局製です。

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 残りの48種はグラシン袋に入れて白台紙の後ろに納めてありました。その全種もご覧いただきます。なお、これも上から2段目までの6種が同じく日本の大蔵省印刷局製です。

 

 

 

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January 05, 2024

1月5日(1973)

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 リベリアが発行した「ミュンヘン・オリンピック優勝者」6種セットのうち、10c切手にレスリング・フリースタイル57キロ級の優勝者・柳田英明氏が採用されています。ただし、惜しくも名前を「HIDEKI YANAGIDA」とスペリングミスしています。名前ミスは少なくないので、外国切手に登場した日本人名は必ずチェックするようにしています。

 

 

 

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November 20, 2023

日本万国博切手資料集

 著者の石田徹さんからお送りいただきました。さして大したお手伝いもできませんでしたのに、まえがきで名前まで記して頂きまことにまことに恐縮です。

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▲表紙と代表的な1ページを著者の許可を得てお示しします。
三波春夫さんの直筆サイン入りホルダーには息を呑みました。
夢のような逸品です。これを拝むことができただけでも眼福です。

 本書の特徴はその構成にあります。基本分類は出展国、非参加、疑国、開催国の4つ。いわゆるアラブ土侯国を特別視することなくフラットな扱いをされていることに好印象を受けました。私自身、アラブ土侯国を何が何でも否定しようという、かつてのヒステリックとも思える排斥の空気を疎ましく感じていたからです。限定的なものではありますが、実逓郵便物も存在していますから「郵便に使えない=切手ではない」の論理が破綻していること、そもそも否定の先入観があまりにも強く、とても知性のある合理的な対応ではないと苦々しく感じていたものです。
 むしろ、ダバール、ナガランド、サンダなどのほぼアウトな国もどきを『疑国』(ぎこく)という新しい分類を立てて取り込んでおられる姿勢に考察の冴えを強く感じます。いずれの日にか改版を重ねてより充実されていくであろう可能性の手応えを感じました。

 以前から常々申し上げている通り、インターネットもまだない1970年代(切手製造時期はさらにその前の1960年代のはず)であるのに、おしなべて間違い図案がほとんどないことは”素晴らしい”を通り越して”誰がここまで正しい考証を行ったのか?”という驚きと疑問の方を強く感じています。これには著者も同じような印象を受けておられるらしく、次のような言葉を記されています。

『日本国内からのデザイン参加において、海外からの日本イメージに70 年代当時の先入観が最低限に抑えられた事やデザイン上のミスも抑えられた事がある。その為50 年以上を経過した当時の万博切手制作事情について、そろそろ詳細な記録が残されても良いのではないだろうか。』

 頒布申し込みについては、下記メールアドレスに、住所、氏名を明記のうえご連絡されると先に発送していただけます。代金は2,500円+送料370円(レターパックライト)の計2,870円後払いとなります。

石田 徹 t-ishida@serenade.plala.or.jp

 各自購入されるだけにとどまらず、お住まいの地域の公立図書館で新刊リクエストをされることも強くお勧めします。あの時代をともに生きた同世代の仲間たちもきっと手にとってくれるでしょうから。

(付記)
 ちなみに日本万博があった年、私は小学4年生でした。学習雑誌などで目にした『太陽の塔』に衝撃を受けた子供のひとりです。雷に撃たれたような・・・とはまさにこのこと。
 後にアート・デザイン業界に進むことなったのも岡本太郎先生のおかげです。私と同世代のアーティスト・デザイナーがことごとく岡本先生への尊敬心を抱き続けているのは、その衝撃の原体験『芸術は爆発だ!』が刻み込まれているからです。

 

 

 

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August 02, 2023

祝・おもしろジャポニカ切手図鑑

 2023年8月1日、表題本が全国一斉に発売開始されました。それを記念して秘蔵品をご紹介します。ブータンが1964年に発行した「東京オリンピック」記念切手(7種+S/S)からサッカー2NU切手のラフスケッチ、フルカラー手描き原画、モノクロ写真原画のセットです。それぞれを糊でリーフに直接貼ってあります。右下には実際の記念切手実物も貼ってあります。

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▶︎Rough sketch in colour
 色鉛筆で描いているようです。

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▶︎Final art work in colour
 切手実物と比較すると原画は約2.3倍の大きさで描かれています。使われている絵具は不透明水彩のようです。また、国名や東京五輪のロゴなども丁寧に原画に直接描き込まれており、想像以上に丁寧な仕事であることが見て取れます。

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▶︎one colour Photograph

 上記フルカラー原画を白黒フィルムで撮影したプリントだと思います。ただ撮影しただけでは階調が不自然だったらしく、ボールや襟部分に淡グレーで加筆して調整しています。白黒原画は販売カタログなどの宣伝用媒体に必要だったのでしょう。

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 旧蔵者さんはまめな性格だったようで、販売された時の広告の切り抜きまで一緒に保存されていました。広告の印象から、私も若い頃に利用していたオーストラリアの切手商「シンデレラ・スタンプ社」だと思います。こうした横流れ品をはじめとしていわく付きの品物を主体に扱っていたヤバイ系のディーラーでした。1990年代末頃で$375(US)というと、$1=¥130として¥48,750。往時は約5万円相当であったものと推定されます。ただし、同社は今世紀初め頃に廃業し現存しません。
 なお、広告文の一行目、1962とあるのは1964の間違いです。しょっぱなから間違えているのはいかにも筋モノ系業者さんらしいです。

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July 15, 2023

おもしろジャポニカ切手図鑑

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 8月1日の発売開始を前にスタマガネットでの注文受付が始まりました。
 若き英才・和田進さんの文章は、これまでのいかにも切手収集家然としたものとは大きく異なり、非常に流麗で目を見張るものがあります。
 また私は裏方に徹し、自作の郵趣データベースの中からジャポニカに関する約3,300アイテムを抽出し、電子データを編集部に無償提供しました。データを十二分に活用していただきサポートスタッフとしてもたいへんうれしいです。
 そしてわずか数ヶ月で具体的に書物の形に仕上げてくださったM編集員さんの卓越した職能にも感謝しています。
 ジャポニカのネタはもっとたくさんあります。売り上げが好調ならば第2, 第3弾も夢ではありません。どうぞお買い求めください。
 また、大きな公共図書館には片っ端から購入依頼を出す予定です。皆さんも是非やってください。図書館に常備されていれば、いつなんどき新たな収集仲間が生まれるきっかけになるかわかりませんので。

▶︎スタマガネット:おもしろジャポニカ切手図鑑

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 私ももう還暦を過ぎ、あと何年生きられるかわかりません。研究成果もあの世にまでは持っていけませんので、蓄積した郵趣データベースを惜しみなく提供していきます。その成果の第一弾が本書です。
 デジタル化とその活用について取り組んでおられる方ならいつでもデータ提供しますので直接ご連絡ください。

 

 

 

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February 07, 2023

第14回オンライン『郵趣』

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今月も10日(金)の21時から開催します。
月刊誌「郵趣」2月号に関連したテーマで以下を予定しています。

・「外国切手最新事情」(スピーカー:椙山哲太郎)
・「初日押印を楽しむ」(スピーカー:嘉藤雅子さん)
・「日本切手の壺+1解説」(スピーカー:山口充さん)
※テーマ及びスピーカーは変更になることがあります

 (公財)日本郵趣協会のイベントカレンダーのページにアクセス先が掲載されています。そちらに掲載されているURLをクリックするだけで参加できます。事前にZoomをインストールしておいてくださいね。

http://yushu.or.jp/event/schedule/index.html

 私は珍しくちょっとお堅い著作権絡みのお話をいたします。2月号の世界新切手ニューズ欄の図版が省略されていたフランスのナルト切手(P.67)、トーゴの安倍晋三追悼切手(P.72)、はたまたバチカンの刺繍切手(P.51, 64, 70)も取り上げる予定です。

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December 31, 2022

さようなら2022年、さようなら安倍晋三さん

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 2022年最大の出来事と言えば我らが山口県の代表 安倍晋三元総理大臣の暗殺事件でした。ちょうど30歳の年にベルリンの壁崩壊を目の当たりにした私は、世の中は想像もできないことが起きるものだと頭ではわかっていたつもりでしたが、緩慢な日常生活に慣れてしまい、いつしか忘れていました。そんな鈍った脳天を打ち砕かれたかのような衝撃を覚えました。

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 2022年はまた作り物郵趣品から一切手を引くと宣言した年でもありましたが、トーゴが9月1日付で発行した安倍晋三追悼連刷シート(1種)・小型シート(2種)セットだけは例外でした。和田進さんのお骨折りで、現地コレクターさんから実逓便を送っていただきました。ありがとうございました。
 本券は郵趣2023年2月号に掲載される予定ですが、エージェント切手にはつきものの権利関係の問題があり図版は省略されます。ご注意ください。

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 皆さま今年もたいへんお世話になりました。
 来る2023年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

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October 26, 2022

日本に原画がある「オルホン河」切手

 昨年の9月に原稿を預けて早丸一年が経過しました。一向に記事化される様子がないので、これはもうボツ扱いと判断し、自分のfacebookページ等に発表することにしました。
 生まれつき一度見た光景を映像として記憶する特技がありまして、本件もそれで”どこかで見た覚えがある”・・・からリサーチしましたらストライクだったという実話です。その過程で本国のモンゴルで切手になった時にはすでに原画は福岡アジア美術館の所蔵品となっていたことまで判明しました。
 私たち日本人もまたアジアの同胞です。近代化の影で置き忘れていったDNAに刻まれた原初的なアミニズムを呼び覚ましてくれる優れた作品です。
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 QRコードを読み込むと福岡アジア美術館さんの解説ページにダイレクトにアクセスすることができます。
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October 12, 2022

第10回オンライン『郵趣』

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 今月もあさって14日(金)の21時から開催します。

【テーマ】月刊誌「郵趣」10月号に関連したテーマで以下を予定しています。

「外国切手最新事情」(スピーカー:椙山哲太郎)
「“鳥切手”トピカルの世界」(スピーカー:川原啓一郎さん)
「日本切手の壺+1解説」(スピーカー:山口充さん)
※テーマ及びスピーカーは変更になることがあります

 (公財)日本郵趣協会のイベントカレンダーのページにアクセス先が掲載されています。そちらに掲載されているURLをクリックするだけで参加できます。事前にZoomをインストールしておいてくださいね。

http://yushu.or.jp/event/schedule/index.html

 私は以下の5つの話題をご用意しています。時間があれば先取り情報としてマン島が発行した”David Bowie : Actor” (俳優 デビッド・ボウイ) の”戦場のメリークリスマス” (Merry Christmas, Mr. Lawrence/Furyo) をご紹介します。

・魚類学者ユージェニー・クラーク(アメリカ)
 お母さまが日本人のミックス。
・アラブ首長国連邦50年(アラブ首長国連邦)
 懐かしい名称:アブダビ、ドバイ、シャルジャー、ラス・アル・ハイマ、フジャイラ、アジマン、ウム・アル・キワイン
・Seagull Mischief/カモメのいたずら(ガーンジー)
 海岸やゴルフ場で手にした食べ物を鳥にかっさらわれたことはありませんか?。
・新型コロナウイルス(キルギス・エクスプレス・ポスト)
 キルギスには従来からあるKyrgyz Pochtasyの他にUPUの正式承認を受けたもうひとつの郵便会社Kyrgyz Express Postがあります。2014年から切手発行も始まりました。
・ニコラ・テスラ(セルビア)
 氏の名前を称した電気自動車で一躍有名に。しかし、その晩年は決して恵まれたものではありませんでした。

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