グッド・デザイン切手

June 26, 2017

美しきコビトカバ切手

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 1913年に生きた個体が捕獲されるまではカバの奇形だ、いやこれはカバではなくブタだろう、とまともに取り扱われることすらなかったのがコビトカバです。体長150-175cm、体重180-275kgで通常のカバの1/3ほどしかありません。たまたま生息域と戦乱地が重なっていた不幸も災いして野生の生息数もはっきりしていません。今ではジャイアントパンダ、オカピと並ぶ世界三大珍獣のひとつだそうです。
 さりながら飼育しやすいことから日本の上野動物園などでも容易に見られます。特徴的な丸っこい頭部などのかわいいポイントをどうぞ愛でてやってください。

 そんな数奇な運命が心に残り、動物切手コレクターでもないのにコビトカバの切手には常々注意していました。今では20種以上の発行が確認されますけれど、私のイチオシはコートジボワール(アイボリーコースト/象牙海岸共和国)が1979年に発行したこの1枚です。フランスの切手デザイナーVeret Lemarinier氏(1944〜)のイラストレーションが他を圧倒する美しさです。
 コビトカバ切手発行の直後にも3種の野生動物切手が発行されています。それらもたいへん素晴らしい出来なので特にご紹介します。5Fローンアンテロープ、20Fコシキダイカー、60Fツチブタです。いずれもデ・ラ・ルー社によるグラビア印刷です。

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 Veret Lemarinier氏、実は日本切手も手がけられています。2003年の日本の第2次世界遺産シリーズ第11集『「平和」切手デザインコンクール』で当選した「La Paix(平和)」の原画は氏の作品です。一般応募で見事当選されました。

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May 28, 2016

ドット絵切手

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 台湾の李婉慧さんからご恵送いただきました。いつもありがとうございます。

 5月20日に蔡英文氏が第14代台湾総統に就任されました。女性総統の誕生は史上初です。しかもその就任記念切手が昔のファミコンのドット絵キャラで話題になっています。うまく特徴を捉えていて似ていると評判です。

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December 03, 2015

タイポグラフィー切手

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 今2015年10月1日、ドイツが統一25周年切手を発行しました。見ての通りタイポグラフィー切手です。文字(フォント)だけのデザインで、おそらく一般受けはしないこと必至。ですが、若い時分にサインデザイナーだったせいで大好きです。装飾性を極限までそぎ落としたクールさがかっこいいと思います。普段は真面目すぎて話題にする機会も皆無なドイツですが、タイポグラフィーだけの切手をちょいちょい発行してくれるので一目を置かざるをえません。
 本券のフォントは、フーツラをベースに部分的に手を加えて仕上げているようです。フーツラは1923年、バウハウスの非常勤講師パウル・レナーによって作られたラテン文字で、futuraとはラテン語で「未来」を意味します。そのあたりの由緒もおそらく考慮されたのでしょう。・・・ってなことを書いても、玄人筋以外は「へえ?」の一言で終わりか。たまさか日本切手ではこんなデザインは実現されないでしょう、残念ながら。

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参照▶︎美しいタイポグラフィーの切手


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November 24, 2015

印刷会社の特長を生かしてください

Wasyoku

 新南陽郵便局で本日発売の特殊切手「和の食文化シリーズ」第1集を見かけました。たまたま、今朝のワイドショーでも取り上げられていましたね。日本に7人しかいない切手デザイナーのおひとりとして星山理佳さんが登場されていました。わざわざ和食のミニチュアを作り、それを写真撮影して切手図案にするなど、短い時間でよくまとめてありました。
 私は郵趣家ですから、紙粘土でミニチュアを作られた等々の情報は事前に郵趣誌等で知っていましたし、テレビ画面で見て、そして実物を郵便局窓口で見て、やっぱりいい仕事をされていらっしゃるなと感動に近い感情を覚えました。その一方で、もう一歩踏み込んだ希望も脳裏をかすめました。

 製造銘版を見てください。この切手を作ったのはオランダのジョン・エンスケデ社です。

 すでに何種かの日本切手製造を請け負っている会社さんですから、特になんの違和感も感じられなかった方がほとんどでしょう。確かになんの問題もありません。そこが引っ掛かったのです。
 エンスケデ社はただの印刷会社ではありません。王立印刷所として1600年代からヨーロッパの証券類印刷を手掛けてきた伝統と技術と格式のある企業です。日本で例えますと「安土桃山時代から続いている宮大工集団」とでも表現しましょうか。日本切手だけしか興味がないとご存じないと思いますけれど、エンスケデ社が製造した切手には、精密・精巧なもの、特殊印刷技術を駆使したものなど、素晴らしい実績に溢れています。できることなら、わが日本国の切手にもそうした輝きを発揮していただきたいのです。

 郵便切手の国際入札の詳細は存じませんが、いちばん安い値段を提示したところに発注するだけではない工夫をお願いしたいです。切手の原画データを渡し、仕様書通りに作って終わり、ではあまりにも勿体ないことです。印刷会社ごとに得意がありますので、それを生かすべく膝詰めで話し合い、時には印刷会社からの提案も盛り込んだ切手を世に送り出していただきたいです。
 新年早々に日本の城シリーズが凹版切手で発行されるとか。凹版彫刻師が芸術家として認知されている歴史が長いヨーロッパには、キラ星のごとくマイスターがいらっしゃいます。日本の彫刻師さんの仕事ももちろん見てみたいのですが、せっかく国際入札をするなら世界の技にも接してみたいです。
 そうなると随意発注にならざるをえず、大人の事情でなかなか難しいことかと思います。しかし、年に1回くらいはそんな世界水準の「紙の芸術品」を見てみたいとは思われませんか?。
 私の知らない超絶技術が盛り込まれている「和の食文化シリーズ」第1集かもしれません。それでもオフセット6色印刷なら、なにもエンスケデ社でなくても出来たのではないでしょうか?。

 三ツ星レストランに行けばそれはそれは美味しい料理を食べることができるでしょう。しかし、せっかく行ったのにそこでラーメン・ギョーザ定食を食べたいとは誰も思わないはずです。

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September 30, 2015

日本最初のナタリー・パラン

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 柴田公子さんから、郵政博物館で開催中の「ボンジュール!フランスの絵本たち」展の小型印付きポストカードをご恵送いただきました。いつもありがとうございます。
 同展は、先に下関市立美術館で開催され、私も同じポストカードを購入しましたが、地元局での小型印使用などはなく、このたび頂戴したカードはたいへんありがたかったです。

2015093002 図録も購入しましたので以下確認しました。ポストカードはナタリー・パランによる「こんにちは、こんばんは」1934年原画。
 また小型印に描かれている羊の引き車は図録のP.15に載っているNo.1-3-4・紙にグワッシュの一部をトリミングしたものです。この小型印がトピックで、まず間違いなくナタリー・パランが取り上げられた日本最初の郵趣アイテムでしょうね。コピーライト表示もしっかり入っていますし、絵画切手コレクターさんも確実に入手しておきたい一点でしょう。
 11月8日まで開催されていますので、JAPEX2015に参観される方はぜひこちらも見に行かれてください。日本には関連の文献も乏しいことですし、図録もぜひご購入ください。のちのち、必ず役にたつと思います。

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September 05, 2015

続・佐野デザインのエンブレム中止

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 ブログ記事を見て千葉県松戸市の宅見潔さんからメールをいただきました。氏も記念押印作品を作られていたとのことで、まさか他にもやっている人が居たとは!と私にとっては至上の誉め言葉を頂戴しました。さっそくお互いの作品交換をしましたので、ご本人の承諾も得た上でご紹介させていただくことにしました。

 上は弔事用50円切手を貼ったポストカードへの記念押印で、裏面には朝日新聞号外が縮小印刷されています。いつも記することですが、この裏面のフォローが大事なのです。イベントの趣旨によってはほんの数年で事情がわからなくなるものです。郵趣作品としての完成度は、この裏面処理にこそ現れると思います。

 下は産経新聞と北日本新聞の号外をA3判のコート紙に印刷し、それに記念押印されています。上もそうなんですが、都心に近いところにお住まいだと東京中央郵便局の消印が押せるのが羨ましいです。これには地方在住者には敵いません。

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 さらにエンブレム決定発表時の記念カードもご恵送いただきました。裏面にはデザイン構成の解説図付きです。8月20日の発表からわずか10日余りでの中止。佐野デザインを支持していた私にとっては忘れ得ぬ苦いメモリアルとなりました。

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※facebookページにより大きな図版を掲げています。そちらも合わせてご覧ください。リンク先画像を含む計3枚(ページ)あります。ここをクリックしてください。

【製作予告】
 14日の週に安保法制が成立する見込みとのこと。安倍総理の地元である山口県に住んでいるのですから、安保法制支持の立場で郵趣作品を製作したいと考えています。スタンダード案としては安倍総理の選挙区である山口4区の下関局の日付印をと考えています。もし、可能なら同じく山口4区の長門局との2局コンビネーション押印を視野に入れています。
 移動距離がハンパないので、記念カード1通につき300円程度の費用負担を承知していただける方に限り予約を承ります。押印後にしかるべきカシェを加刷し、スマートレター等でお届けしますので、お支払いは発送時にメールでお知らせします。
 もちろん、仕事等の関係で製作不可能となることもありえますので、その点もお含みおきください。

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September 01, 2015

速報・佐野デザインのエンブレム使用中止

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 私は同業者だから何があっても佐野さんの言い分を信用し味方になろうと思っていました。それは今も同じです。他のデザインに似てはいても決して盗作ではないと思います。あの騒動に安易に同調したり関わらないようにした同業者を軽蔑します。同業者が団結しなくて何が社会的認知度の向上か。お互いが足を引っ張り合う業界であってはいけません。
 残念な結果になってしまいましたが、コレクターとしてはまた別です。中止エンブレム関係は「幻の東京五輪2020」としてレアアイテムとなるのは確実。運良く動ける日だったので図の記念カードを製作しました。裏面には8月20日に発表された日本郵政グループのオフィシャルパートナー契約締結のプレスリリースをプリントしました。郵便局は・・・・運良く市内にこんな名前の郵便局がありましたので選びました。防府佐野郵便局です。申し訳ない。私こそがいちばんヒトデナシかもしれない。

 許せ、コレクターとはかくも無情な郵趣原理主義者でありアナーキストなのだ。

 2020年東京五輪の大会エンブレムがベルギーの劇場のロゴマークに似ていると指摘されている問題で、大会組織委員会は1日、五輪、パラリンピック両方のエンブレム使用を取りやめる方針を固めた。
 同日夕に組織委の調整会議を開き、正式に決定。同日夜に記者会見を開いて公表する。新国立競技場の当初案に続き、大会エンブレムも、白紙撤回されることになる。
 組織委は7月24日、東京五輪とパラリンピックのエンブレムを発表。アートディレクターの佐野研二郎氏(43)のデザインが採用された。だが、五輪エンブレムについて、ベルギー東部リエージュの劇場のロゴマークに似ているとの指摘が出され、マークを手がけたデザイナーなどが国際オリンピック委員会(IOC)に対し、使用差し止めを求める訴訟を起こした。
 佐野氏は「デザインの考え方も違い、全体的には似ているところは全くない」と否定。組織委も8月28日、応募段階の原案を公表し、「全く似ていない」と盗用との指摘を全面否定し、使用を継続する方針を示したばかりだった。
(出典:読売新聞 2015年09月01日13時53分)

※本件も10枚製作しました。ご希望の方には無償で差し上げますのでメールで一報ください。先着順です。

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June 30, 2015

ポーランドのシェイクスピア誕生450年切手がキショイ

2015063004 ポーランドが昨年11月19日に発行した「シェイクスピア誕生450年」記念切手の評判が最悪だとのこと。芸術性の高さはわかりますが、難解すぎて意味がわからない、頽廃的、グロテスク、気持ち悪い等々と散々な言われようです。
 この切手を貼ったお手紙をいただいたとしたら・・・・・予告なしに受け取ったらさすがにちょっと引きますな。だからこそ入手容易な今のうちに収集しておくという手もあり得ますが。公式FDCとフルシートの図版も掲げておきますので、皆さんそれぞれにご判断ください。

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May 26, 2015

「みきゃん」ゆうパック

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 2011(平23)年11月11日生まれの愛媛県イメージアップキャラクター「みきゃん」を用いたゆうパック用品を日本郵便株式会社四国支社が製作していました。栃木県の柴田公子さんからゆうパックシール(79H×119W)をご恵送いただいたことで気がつき、それをきっかけにリサーチしましたところ、今年4月に登場したらしいことがわかりました。新年度に合わせてのリリースかと思われます。
 ゆうパックの専用箱、料金後納印まで作成されているようで、ユニークな郵便商品として特に高く評価されるものと思います。後年のために記録掲載します。
 山口県からは柳井港から松山行きの防予フェリーが出ていますし、しまなみ海道でも渡ることができます。うむむ、機会を作って自ら購入・押印収集せねばならないか?とただいま楽しく絶賛お悩み中です!。

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参考:みきゃんのかんづめ(えひめのPRウェブサイト)
※こちらのfacebookページから一部図版をお借りしました。

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May 25, 2015

トーベ・ヤンソン展

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 北九州市立美術館分館(小倉)に同展を見に行ってきました。改めて言うまでもなくムーミンの原作者として有名ですが、個人的にはそれ以外のアーティストとしての活動・作品に注目してきました。ムーミン原画でも伝わってきますが、アニメの印象とは異なり、本来はどちらかというと北欧独特の暗さが特徴です。滅多に目にすることのできない有名な自画像やムーミンの立体造形(ジオラマ)を堪能した後、展示の最後の方にぽつんと展示してあったのが「シェッラ岩礁の絵」でした。招聘されていたとは知らなかったのでまさに不意打ちです。たいへん驚きました。この絵が切手になっているからです。

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 2007年、フィンランド自治領のオーランドが「トーベ・ヤンソンの絵画」と題した本券を発行しました。トーベの作品が母国フィンランド以外で切手になったのはこれが初です。発行当時、友人のGoran Akerhielmの家に飾られている絵と説明されていました。このたびの展示ではオーランド諸島美術館蔵となっていましたので、切手発行後に所属が変わったのかもしれません。また、切手発行時には明記されていなかった制作年も1960年であることがわかりました。
 塗りの薄い油彩作品です。キャンバスのメッシュ地が見えるほどで、下塗りをしているのかどうかもわからないくらいで、まるで水彩のような描き方でした。切手にするにあたり、若干赤色を補色しているようですが、ほぼオリジナルに忠実と思って良いと思います。
 作品自体の構成もよくわかりました。キャンバスの周囲にごつい木枠を回し、さらに化粧モールを取り付けていました。切手図案そのままであることが確認できました。
 後年のために図録も購入しました。その領収書もまた私の紙物コレクションに加えることができました。
 西日本地区にお住まいの方、ぜひご参観ください。

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