多数・多種貼り

November 02, 2023

グリーティング・シンプルを『ビジネス切手』に

 グリーティング・シンプル切手の種類も増えてきたので、そろそろグリーティング切手の括りから独立させて「ビジネス切手」に昇格させるべき時期が来たと思います。日本郵便さんの分類は今後もグリーティング切手の一部という位置付けでも構いませんが、郵趣家サイド独自の分類としてそうした方がはるかに有意義です。

 日本切手にしか目が向いていない郵趣家は、前世紀には既にオランダやベルギー等でビジネス切手が発行されていたことを知りません。それゆえグリーティング切手としては違和感と不満感しか持てないようです。事実、すべてセルフ糊式だしシート構成も50面で分割購入も不可で明らかに切手の性格が異なります。およそグリーティング性はどこに?。はっきりビジネス (専用) 切手と謳った方が売る側・買う側とも納得できるでしょう。

 何よりその使われ方が独特です。官公庁や企業など個人以外のまとめ買い&使用がほとんどです。自然な使用例を丹念に見ていくと適正1枚貼りがほとんどで、2枚以上の多数貼りや混貼そして特殊取扱が本当に少ない。これほど面白味がない切手も珍しいだけに、逆に郵趣家のやる気を起こさせる存在でもあります。
 図版右の特定記録郵便は返信用封筒同封が条件だったので、作り物が嫌いな自分もこの時ばかりは多数貼りを意識してシンプル切手3枚貼りにしたほどです。

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 地元の収集協力者さんから来信郵便物を買い取りさせていただいています。また、JPS防府支部で山口県内各地の社会福祉協議会さんが集めた使用済切手も引き取らせて頂いています。そうした実際の使用動向を見ますと、郵趣家が思っている以上にシンプル切手は使われています。ベテラン郵趣家ほどその現実とのギャップに気付いていないようです。それを正す意味でもせめてカタログ上だけでも独立した分類を立てることが急務だと考えます。

 なお、シンプル切手のデザインが良くないと感じている人は、申し訳ないですが美的センスがないと自覚してください。諸外国と比べてもはるかにグッド・デザインです。元デザイナーの私が言うのですから間違いありません。プロのアーティスト・デザイナーでシンプル切手をダメと言う人は皆無だと思いますよ。

 

 

 

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February 11, 2022

雑 all right

 海外ディーラーさんとの取引が面白いのは送付封筒自体がコレクションになる点です。新型コロナの流行が収束しない今、あえて高い書留等にすると、さまざまな余禄が期待されます。図もそんな面白郵便のひとつです。

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 せっかくのオードリー・ヘプバーン切手 (2003) を15枚も貼ってくれてはいます。まあまあ水平に貼ろうとしてくれた心持ちはありがたいのですが、貼れるだけのスペースを考えていなかったことがありあり。9枚貼るまで余白がないことに気がつかなかったのでしょうか?。その結果、6枚は額面数字が覗く形で重ね貼りをしています。もちろん現在の日本ではこの貼り方は通用しません。

 アメリカ、カナダは特にひどいです。切手の貼り方がもう雑で雑で日本人の美意識からは想像できないような貼り方をしてきます。上下逆さま貼り、ランダム貼りなんかも全然珍しくありません。そもそも、切手の貼り方自体まったく気にしないというのですから恐れ入ります。加えて直筆だとホント筆跡が汚い。

 そんな雑な国民性だからでしょう、紙のガムテープをべったり貼り、アドレスもプリント紙片を透明テープでオーバーレイ貼り。テープの劣化が懸念されるので必要最小限の面積で切り抜いてフロント状態にしました。テープの裏糊成分がいつまで持つかわかりませんが、一種の保存テスト試料の意味合いも兼ねて切手室でしっかり保存します。唯一の救いは差出時にちゃんと消印されていることのみ、です。

 

 

 

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January 15, 2018

怒涛の多局印作品到着!

 すごいのが届きました!

 図版を見ていただければ瞬間で意味がおわかりかと思います。表裏合わせて25個の押印があります。台紙は平成30年用年賀の四面はがきです。本件はただのお賑やかしではなく、2017-18年時期ならではの複雑な規定をすべてクリアしている点です。

参照記事:年賀2018

 まず、郵趣用の四面はがきの売り渡しは11月1日からという基本的な決まりがちゃんと守られています。(事前発売は印刷業者さんに限られており、それをどんな手を使ったのか不正に入手し、10月のうちに記念押印をしようとした不逞の輩がいました。)
 最初の押印はJAPEX2017初日の11月3日です。以後、沖縄、青森、大分、伊勢、仙台、名古屋、長野等々と押印が続き、最後は中野松川局(長野)の1月11日に引受消印で発送されています。その間、52円の料額印面脇にも10円分以上の切手が加貼され、”年賀取扱期間中であっても記念押印は62円以上”という決まりが完全に守られています。この手の郵趣品は、郵趣家が無理やり押させたと疑われるので、ひとつでも法令違反があると公にはできなくなります。
 さらに裏面の左右辺には2017年のニューストピック画像がアレンジされています。数年後にこれらを全部覚えていられるでしょうか。たいへん貴重なメモリアルです。
 作成者ご自身は”気まぐれ”と題されていますけれど、決して気まぐれではここまでできません。お見事です。そしてありがとうございました。
 皆さんも拡大画像をじっくりご覧ください。画像をクリックすると大きな画面が開きます。

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November 29, 2013

「料金切手裏面貼付」印

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 JAPEX2013に合わせて開催しました第8回ファンタスティック・スタンプクラブ(FSC)例会での発表品です。
 郵便物表面にスペースがない場合に限って裏面にも切手を貼ることができます。その際、裏面貼付のゴム印が各郵便局に配備されていたような記憶があります(20-30年前頃ですが)。実際に押印された実逓便も何通も見た記憶があるので、それほど珍しい事例ではないのではないかと思い込んでいました。ところが、現役の郵便局員さんによりますと、見たことがないとのこと。あれ?そうなんですか???・・・ということで実例をお示しします。
 埼玉・庄和53.12.5の消印で、人権週間切手発行翌日です。差出人の了解を得たうえで、売行きが芳しくない記念切手を貼らせてもらった・・・という使用例ではないかと想像しています。とりあえず切手は1列ごと縦ストリップに割いて貼るという局員さん独特のクセも伺えますし。差出人は個人でしかも非郵趣家便ですから裏面貼付印はまず間違いなく局常備印でしょう。同様例は果たして本当に少ない、あるいは少なくなった、のでしょうか?。
 人権週間50円切手7枚貼りで現金書留料金350円とぴったりです。よく見たら人権週間切手の実逓カバーとしてもいいかも(笑)。

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August 26, 2013

1円62枚貼り実逓カバー

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 facebookで1円切手の多数貼りカバーの話題が出ましたので私も一通ご披露いたします。平成元年11月11日、ゾロ目日付の時に川崎局で差し出されたものです。これには若干の説明が必要ですね。

 1枚の薄い宛名紙を表裏から挟むように1円切手が貼ってあります。実際はフルシート(縦10×横10枚の100面)を二つ折りして紙を挟み込んだものです。宛名紙が見えるように38枚を切り取り、1円切手62枚を糊付けして封筒形状の出来上がりです。サイズは洋形4号封筒(縦235×横105mm)とほぼ同じという技ありです。
 切手そのものを封筒に仕立てたこのアイデアを実行してくださったのは横浜の橘恵一さんです。もう四半世紀の時間が流れましたが今でもお元気でしょうか。
 詳しく見てみましょう。表面は30枚30円、裏面は32枚32円で合計62円です。当時の第一種郵便料金62円なのでぴったりです。当時のはがき料金は41円、押印できる消印の種類数は「1単位1種」の原則に従えば1種のみです。よって表面の櫛型印か裏面の和文ローラー印か、そのどちらか一方しか押せない・・・というのが本当です。
 しかし、これも抜け道があって、表面を押印後、裏面はわざと未押印のままポスト投函したのではないかと想像されます。それは表面右上に自動取り揃え押印機の専用消印である和欧文機械印が押されているからです。そして裏面が未押印だったことに郵便課の職員さんが気付いて和文ローラー印で抹消したのでしょう。ローラー印が一列一行押しになっていて、これは郵趣家は普通はやらない押し方だからです。

 表面40枚、裏面40枚になるように調整すれば今でも同様のカバーを自作&発送することができます。ただし、1単位1種(今は50円ごとに消印1種)を厳密に守ってくださいね。
 さらに風景印や小型印も鮮明に見えるように考慮すれば、1円ではなく3円切手を使うことをお勧めします。最低27枚使いさえすれば第一種郵便料金80円をクリアできます。それより多い分は単なる過納ですから問題ありません。サイズと重さ、そして中に挟む紙の大きさや色合いもうまく調整してみてください。

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June 21, 2013

全種貼り

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 多数・多種貼りのカバーに注目して集めている人がいます、けっこういます。ドイツやハンガリーのインフレを扱う作品では当たり前のように登場します。そもそも多数・多種貼ってあること自体に魅力を感じるのはごく自然な感性だと思います。
 今から30有余年前、昭和55〜56年にかけて発行された新普通切手群。それら発行ラッシュも一区切りついたので全種を貼ったカバーは作れないか?と。当時、二十歳。時間はあるが金はない。にもかかわらず鼻の奥がツーンとなるような額を投じたのがこれです。そう、たかが遊びに。
 現金書留にしたのが郵便料金の帳尻合わせのポイントです。現金書留の損害賠償要償額が5,000円増えるごとに10円加算されることを利用したものです。今ならどんな組み合わせになるのでしょうか。

[料金内訳]
・基本料金70円(第1種定形重量便25〜50g)
・書留380円(要償額25,000円※)
・速達200円
・配達証明250円
・引受時刻250円
 合計1,150円
※基本料金350円(要償額10,000円まで350円、5,000円ごとに10円加算)

 また、下図は普通40円切手全種貼りの私製はがき速達便です。この料金計算は簡単ですね、はがき料金40円+速達200円=240円。引受は川崎郵便局63.10.20 8-12、到着は狛江63.10.21 0-8。原稿を書いたお礼に担当者の方が面白郵便物に仕立てて送ってくださったものです。

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