エラー

November 03, 2020

密告郵便

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 エルガーラ福岡・天神の即売会で入手した逸品のひとつです。
 消印は滋賀・守山局の昭和23年10月23日、拡大図のようにこれ自体が局名もしくは年月日刻印のどちらかを天地逆植にしたエラー印です。これだけでも面白いのですが、大事なのは宛名面右下に押された大きな青印です。国家地方警察/滋賀縣野洲地區警察署 23.10.25 と判読できます。裏面の内容から守山警察署に送られた刑事事件告発の密告はがきです。「要調査」の朱印が押されてもいますので、この密告情報に基づいて捜査が行われたものと思われます。長年にわたり「監獄郵趣」を収集テーマのひとつにしていますけれど、密告書を手にしたのはこれが初めてです。裏面は以下の通りです。

當字の寺田傳吉が実行組合長のときに相當区民より金を取り上げ不當支出をし発表せない 此の事は三宅の中井幸太郎に尋ねて調査し處分して下さい

 差出人は小津村三宅の「三品」と表記しています。江戸時代に身分の低い侍のことを三一侍 (さんぴんさむらい) と言い、あるいは明治以降の新平民を意味する用例もあることから、名もなき一市民であることを意味した当て字表記だと思われます。

※すでに72年を経過しており当事者の生存は見込めないことから個人情報保護法の対象外と判断しました。また、ネット検索しても当該者や事件の類が全くヒットしないことから画像発表にあたって一切のモザイク処理は不要であろうとの常識的な判断をしました。万一、子孫の方や親戚縁者の方がご存命であり、問題ありの場合はご連絡いただきたいと思います。すみやかに善処いたします。

(20201104追記)
 読者の方から「三品」は実名ではないかとのご指摘をいただきました。密告者は報復を恐れてふつうは本名は隠すものだからです。ですが、滋賀県守山市には今も100人以上の三品姓の方が住まわれており、私の「椙山」同様、その地域特有の地生えの苗字と判明しました。昭和23年でしたら今よりももっと大勢の三品さんがいらっしゃった可能性があります。
 本当に本名を書いた、あるいは”木を隠すなら森の中”式にその土地で一般的な苗字を書くことで身元を隠した、いずれの可能性もあることを付け加えておきます。

 

 

 

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October 09, 2020

タイの国際書留郵便再開初日実逓カバー

 この10月1日からタイ王国発の国際書留郵便が再開されました。今年5月2日にebayで落札した郵趣品が、武漢中共肺炎こと新型コロナウイルスのため発送できなくなったとすぐにメール連絡がありました。そんな状況だから出品者は「返金しましょうか?」とわざわざ尋ねてくれたのです。しかし、私は「我々は同じアジアの兄弟だ。貴方を信用しているので国際郵便が再開したら発送して欲しい。」と返事をしました。そして今日10月9日無事に届きました。その旨、出品者さんにも報告メールを送ったところです。

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 西暦に543を足すとタイ暦になります。2020+543=2563、その下2桁なので年号表示は「63」。しかし、10月のはずがどう見ても「01」にしか見えません。差出局のBUNG KUM (ブンクム) 局さんの誤植ではないでしょうか。

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 検索結果 (配達記録) を見ると確かに10月1日の差立です。朝の8:49と記録されていることから、国際書留郵便再開のニュースでも見て、朝一番に出しに行ってくださったようです。やはり”我々は同じアジアの兄弟だ”です。ありがたいことです。

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 内容物はこれです。花シリーズ・椿の実逓初日カバーです。当時の和歌山県の椿郵便局は無集配局だったため欧文印の配備がなかったのでしょう。そのため、管轄の冨田局に回され余白に欧文印が押されています。押印処理が遅れて押印されたのが3日後の3月23日になってしまいました。が、それも幸い。1961(昭36) 年3月23日は私の誕生日です・・・生まれた時間帯は8-12ですけどね。

 ともかく、落札品は日本円でわずか705円。しかし、送付カバーは国際書留郵便の再開初日カバーにして誤植印。貼ってある切手も金箔押し+エンボス加工が施された七角形のシリキット王妃誕生84年記念切手(2016)。発行時の未使用切手の輸入価格が1,000円を超えていたハイスペック切手です。

 

 

 

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July 07, 2015

せうわ

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 昭和3年の昭和大礼の記念カードです。4種のうちの最低額面券種1銭5厘を貼り岐阜局の特印が押されています。私製はがき用紙(台紙)に同じく昭和3年に発売されたタバコの「昭和」のパッケージが貼られているのが気に入りました。この時代から郵趣品以外のアイテムを利用して記念品とする異物混入・添付のアイデアがあったのだなと、まさに時空を超えたコレクター同士の共感があります。
 この製作者さんは仕事が丁寧です。パッケージをきれいに開披してシワひとつなくはがき用紙に貼っているだけではありません。巻紙も破れないよう慎重に広げてそれも貼り付けています。やったことがある人ならわかると思います、これたいへん難しい作業です。
 ここまで完璧に作り込んでいながら最後の最後、郵便官吏の押印が下手くそで台無しです(笑)。これもまた今の郵便局さんと同じではありませんか。まさに時空を超えたコレクター同士の・・・(以下省略)。
 ふと裏返したみたらはがき用紙が印刷ミスあるいは断裁ミスです。異物混入・添付とエラーどちらのファイルに納めるべきかお悩み中です。1枚で2度オイシイ掘り出し物でした。

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November 30, 2011

HYPERな掘り出し物

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 パインスタンプさんからの寄贈品の中から掘り出したお宝アイテムもご紹介しなくてはいけません。ゾロ目・連番に代表される数字遊びの一環として「あと何日」といったカウントダウン物も集めています。ですから上も格好のコレクターズ・アイテムになりますね、私にとっては。
 消印は豊平局47.6.23で、この日をもって昭和天皇の在位期間が16,618日となり、「昭和」が「明治」の長さに追いつきました。このことは当時のマスコミも報道していたようで、本便にも新聞の切り抜きが同封されていました。そして、興味深いのはこのカバーを作ったのは石狩趣友会の木川有(たもつ)さんだということです。郵趣歴・趣味誌歴の長い人はあっとびっくり!のハズ。自分もまた短期間ながら交流があります。何となくメールのやりとりも途絶えてしまいましたがお元気でありましょうか?。

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 左は8円カモシカ切手に立山山頂局の風景印を押した絵はがきです。右下に同山頂の雄山神社印が押され、実際に登山した証となっています。こうした移動地点や経由地が明確なハンコ類付きも好きで集めています。はがきなので郵便料金は本当は5円で良いのですが、冬山を意図して8円切手を使ったものでしょう。これを3円過納の欠陥品と断ずるものではなかろうと考えます。むしろ興味深いのは観光絵はがき自体に誤植があることです。絵はがきの写真は「新雪の室堂平と大日岳」なのですが、あろうことか室堂平を室土平と間違えています(赤矢印部分)。超有名な観光地であるだけに地名間違いはたいへん珍しいです。郵趣とは異なるものの、まあ、面白ければいいじゃないですか(笑)
 右は現行切手党なら、これまたあっとびっくり!のはずです。昭和56年元旦から和文ローラー印の構造が変わりました。年号活字の「56」が今でも見られる縦長の丸ゴシック体で、これは年号更埴式活字の特徴です。隣の昭和55年の年号と見比べれば違いがはっきりしますね。55年までは年号を印顆に直接彫り込んであったので一年間しか使えませんでした。そこで年号表示も更埴式にして数年間にわたって長く使おう、経費を節減しようというのが目的です。
 東京中央局をはじめとする全国の各中央郵便局などごく一部を除き、56年から全国一斉にこの更埴式に変わりました。ただし、欧文ローラー印は従前通りの直接彫刻方式のままでした。この記念押印物(私製はがきの裏面)は、そのことがすべて盛り込まれています。当時、年号表示の変更は特に報道発表されることもなかったので、情報を把握していた人はそんなに多くはなかったはずです。この郵趣品はたぶん「まぐれ当たり」アイテムだと類推されます。
 なお、余録として欧文ローラー印の元旦印の方は、日活字「1」(アラビア数字)と月活字「I」(ローマ数字)が左右逆になった誤植印でもあります。下の大晦日印の並び「31.XII.80」と見比べれば更埴順のミスだとよくわかりますね。

11113008 そして最後に大収穫がありました。あの名画「モナ・リザ」が一度だけ日本に来たことがあります。それは1974年(昭和49年)のことでした。それを記念して下谷郵便局で記念小型印が使われました。当時、相当数が押印されたはずですが、やはり年月の経過はシビアなもので、探すとなるとこれが見つからない。日本より外国の方がモナ・リザ人気は高く、求める人にまったく行き渡っていない状態です。
 それが図のように混入していたのみならず、別のモナ・リザ図案の小型印まで見つかりました。これはまた稿を改めてお話しすることにいたします。


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May 09, 2010

発行前日付のオーダーキャンセル

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 1956年にルーマニアが発行した「世界の偉人10人」に含まれていた雪舟のオーダーキャンセル田型です。これが日本人を描いた最初の外国切手でもあります。発行の背景については内藤陽介さんの「外国切手に描かれた日本」(光文社文庫)に詳しいのでご参照ください。
 自分が気になるのは日付です。消印はブカレスト28.VII.1956となっていますけれども、カタログで確認しましたら1956.12.28が発行日なので、月活字XIIとすべきところをVIIと誤植してしまったものと推定されます。オーダーキャンセルは一度に大量に作られますから、同様の使用済はことごとく発行日前誤植消印である可能性があります(本件が2点目の確認例です)。
 さらに、雪舟以外は特に意識して探してはおりませんでしたが、こうなると他の9偉人の場合はどうか気になりますね。それはイプセン(劇作家)、ベンジャミン・フランクリン(政治家・科学者)、バーナード・ショウ(作家)、ピエール・キュリー(科学者)、ドストエフスキー(作家)、ハイネ(詩人)、モーツァルト(音楽家)、イヴァン・フランコ(文化人)、レンブラント(画家)です。興味のある方、自分の収集テーマに重なっている方、どうぞリサーチにチャレンジしてみてください。

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