現代史

June 06, 2024

ヤマ場を越えました

 郵趣誌7月号の原稿も昨日入稿、地元郵趣会のイベント資料作成・手続きも本日完了し、ヤマ場を越えましたのでようやく自分のための郵趣タイムです。収友から寄贈されたゆうパックを開封し、郵趣会の月例会や来月末の防府切手のつどい2024夏に持参できるよう整理を始めました。その中で私のコレクション行きとした品3点をご覧に入れます。

▼出雲玉造温泉「保性館」
 思わず水はがししたくなる掛かりの良い図入り年賀印が目を引きます。ですが、私が注目したのは裏面です。「温泉・銭湯・サウナ」テーマも収集対象です。消印も島根・玉造局で立派なご当地消印です。しかもありがたいことにこの保性館さん、今も存続しており立派に営業中です。

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▼昭和29年台風12号お見舞
 災害郵趣テーマの中でも台風関係はもっとも代表的です。気象庁のページに進路図や被害状況の記録もしっかり掲げてあります。死者107名、行方不明者37名、負傷者311名・・・と甚大な被害であったことがわかります。
 さらにこのはがき、会社があつらえたお見舞いはがきを分けてもらったか、勝手に流用したか、従業員とおぼしき入江まし子さんが流用しています。勤務先の封筒、便箋、はがきを私的に使うのは今でこそ業務上横領だという認識が浸透していますけれど、消印の昭和29年から30年代にかけてはその意識は極めて低かったようです。むしろ美徳かのように誉め讃えられていたフシさえあります。節約して偉い!みたいな(笑)

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▼絵入り官葉
 絵入り官葉そしてこの郵趣用語自体も見かけなくなりました。官製はがきの表面下部1/2あるいは裏面に各郵便局がおのおの絵柄を追加印刷したものです。多くの場合は額面のままで販売されました。一種の販促品であることから郵趣的にはさほど意味と価値があるものではありません。がしかし、そうそう無碍にするべきものでもないと考えます。
 本状は小泉八雲の旧宅「ヘルン旧宅」を描いたもので、描いた平塚運一画伯も著名な版画家です。これを半分民生品だから、みたいな官尊民卑な判断基準で切り捨てるのはいかがなものか?。
 昭和29年用の年賀状ですから製作されたのはその前年、昭和28年頃でしょう。絵入り官葉はいつ頃から作られたのか、また「絵入り官葉」なる用語もいつ頃から使われ始めたのか、おおいに興味があります。

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May 29, 2024

高裁の合憲判断からコロナ禍そして特別あて所郵便へ (2)

※最高裁の合憲判断からコロナ禍そして特別あて所郵便へ (1) から続く

▼新型コロナウイルス禍の影響
 2020 (令2) 年1月15日、我が国における武漢中共肺炎こと新型コロナウイルス感染者が確認され、NHKの活動にも大きな影響が及びました。大々的に拡張してきた個別訪問ができなくなったからです。営業マン自身が感染しキャリアとなって感染を広げてしまう危険性があります。従業員を危険に晒す外回りの仕事そのものがコンプライアンス的に問題視されたからです。その結果、こんな書類がポスティングされました。

 小さな郵便・新聞受けにも入るよう、A4判から角8封筒にサイズダウンしたお知らせです。提供者さん (東京都中央区) によると2020 (令2) 年7月30日頃にポスティングされていたものとのこと。これと全く同じものが同年9月に北海道旭川市でも配布されていたことを確認しています。

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 サイズダウンしただけで中身は従来と同じです。違うのはコロナ対策のためポスティングを主とし、極力対面を避けることが添状に明記してあることです。

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 当時のNHKのホームページのスクショです。これによると緊急事態宣言が解除された2020 (令2) 年5月25日までは営業活動自粛、6月1日以降順次再開、さらに8月1日からは対面をしない形での営業活動を行うとあります。よって新型コロナ第一波流行直後のポスティングであることがわかります。

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▼「特別あて所配達郵便」の登場
 新型コロナで十分な営業活動ができなかった時期、NHKと日本郵便の間で交渉を重ねていたのでしょう。名前はわからなくとも住所さえわかるなら郵便を配達してくれる「特別あて所配達郵便」が登場しました。その最初からNHKのための制度だということは明らか過ぎるほどに明らかでした。

・20210621:試行開始。特別あて所配達料金200円。料金後納限定。
・20220621:本格実施。特別あて所配達料金150円 (値下げ)。料金後納限定。

 図は2024 (令6) 年4月に周南市内で配達された実逓便です。前述のような歴史的経緯を経て実現した新しい郵便制度です。スタンプレス (切手なし) の収集価値のないものなどと安易に思わず、関心を持ってくださる方が増えてくださることを希望します。
 ほとんどの実逓便は捨てられているとは思いますが、差し出された通数は一部判明しています。2021年度1,998千通、2022年度12,775千通です。出典は「情報通信行政・郵政行政審議会 郵政行政分科会 (第88回) 配布資料・議事概要・議事録」(20231218_総務省) です。

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 契約手続き申し込みはがき組み込みの案内書です。サイズはA4判3ツ折の両面印刷で、ルレット部分で切り離し、同封されていた目隠しシールを貼って投函するようになっています。その他、衛星放送の案内書、受信料値下げ・学生免除の拡大の案内書、放送法の抜粋などが同封されています。返信用は料金受取人払郵便で成城郵便局の承認番号53、差出有効期間は2025年5月31日までとなっています。

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▼スマホにも課金
 報道各社が伝えたように、2025年後半にもスマホによるテレビ視聴者へも受信料徴収が実施されようとしています。特別あて所配達郵便に変化があるのか、それともスマホ向けに別のアプローチが講じられるのか、注意しておく必要があるでしょう。

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▼年表
 以上を簡単に年表にするとこのようになります。収集のポイントとしては (1)スマホ課金が開始される前の実逓使用例をとりあえず1通押さえること。(2)ほぼNHK専用の郵便制度であるうえに年間1,000通以上という条件があるため、万一、NHK以外の使用例があれば超レア物。(3)チラシ、パンフレットの類も全く見かけないのでこれらも目にしたら取り逃がさないこと。

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▼私宛に届かない理由
 親しい友人は皆知っていることです。私はテレビ見ない生活者です。父が病的と言えるほどテレビに固執していたため、存命中は手をつけませんでした。しかし、2017 (平29) 年に亡くなるとすぐに弟に引き取ってもらい受信契約を解除しました。電話では埒があかないのでNHK山口放送局に行き、営業の方と直接交渉して解約しました。そのカラーコピーに最寄りの山口中讃井郵便局で記念押印しました。折しも最高裁判決がおりるわずか3ヶ月前のことでした。
 しかし、これとてスマホ課金が始まる2025年後半以降は何らかのアプローチを受ける可能性だけはあります。スマホ、パソコンでの視聴手続きはしていませんが、NHKがどのような政治力を行使するかはわかりませんので。

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▼オマケ:NHK撃退シール
 2022 (令4) 年2月、収集協力者さまからご寄贈いただきました。もはや懐かしい印象がありますね。

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◆収集協力者様御礼◆
浅原多嘉示様、天方良彦様、高坂典子様、中嶋弘美様、山本知世様

 

 

 

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最高裁の合憲判断からコロナ禍そして特別あて所郵便へ (1)

 2017 (平29) 年12月6日、最高裁はNHKの受信契約の締結を義務づけた放送法の規定を合憲とする判決を妥当と判断しました。この判決を境にNHKが一気に強気の営業に転換する様を私たち一般国民はリアルタイムに見てきました。私自身も強烈な記憶があります。

 合憲判決の下ったまさにその当月、NHK山口放送局近くの蕎麦屋さんの暖簾をくぐったところ、店主がどえらい不機嫌で眼鏡をかけた若いお兄ちゃんにお金を払おうとしていました。店主は「なんで払わなきゃならないんだ」とぶつぶつ不満を言い続けています。そのお兄ちゃんは表情を一切崩さず「最高裁判決が出たので従ってください。お願いします」と努めて低姿勢でした。そこでお兄ちゃんがNHKの集金人であることが理解できました。
 奥から女性店員さんも出てきて「毎日来てくださるお得意さんなんだから仕方ないじゃない」と店主をなだめています。あ、そういう関係なんだね。そりゃ受信料くらい払わないと町内会的な関係にヒビが入りますわなあ。
 メシが不味くなるような場面でしたが、私もそしてくだんのお兄ちゃんもいつものように昼蕎麦をひっかけて出て行きました。店主は終始不機嫌だったのをよく覚えています。

▼最高裁の合憲判決を受けての個人向け営業
 2018 (平30) 年9月8日、山口市内の個人宅にポスティングされた書類一式です。最高裁判決から一年も経たないうちに地方都市にまでこうした営業活動が展開されていた物証です。受信契約をしていない家庭に網羅的にポスティングされたようですが、残念ながら拙宅には配られることはありませんでした(その理由は最後にご説明します)。

 ポスティングされた封筒の表裏です (郵便物ではありません)。サイズはA4判です。これを放置していたら同じものが翌月にもポスティングされていたそうで、その2通とも寄贈していただきました。

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 同封されていた添状 (左) とA3判2ツ折のパンフレット表紙 (右) です。パンフレットの裏表紙には「NHK営業局 2018.08」の銘があるほか、大河ドラマ「西郷どん」のPRが入っていることから印刷時期が特定されます。一方の添状には日付がなく、長期にわたって同一書面を使用する意図が伺えます。

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 契約手続き申し込みはがきです。サイズはA4判の両面印刷で、ルレット部分で切り離し、同封されていた目隠しシールを貼って投函するようになっています。料金受取人払郵便で成城郵便局の承認番号3024、差出有効期間は平成31年5月31日までとなっています。
 天下の悪法・個人情報保護法のせいで、本状の実逓使用例が郵趣市場に出てくることはないでしょうが、おそらく全国的に配られていますから、成城郵便局をはじめとする東京都世田谷区ゆかりの郵趣家の皆さんは、せめて未使用の1枚は確保しておきたいものです。

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▼企業向けの受信料契約・収納業務の勧誘
 2019 (令元) 年9月、収集協力者さんから提供していただいた料金後納郵便です。中には受信料契約・収納業務の勧誘書類が入っていまして、つまり、それぞれの地場企業に向け、御社の新規事業として新たに立ち上げませんか?という内容です。個人への集金営業強化とともに、新規契約と集金業務そのものを外注していたことを示す物証です。

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 A4判両面印刷のチラシです。この時点で270社と委託契約を結んでいると明記されています。

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 A4判で8ページの案内パンフレットです。表紙以降、その一部をご覧いただきます。裏表紙には「2019.08 NHK営業局」の銘が入っています。
 新規契約と集金は、営業の中でも最もベタで厳しいものです。最高裁判決で合憲の判断が示されたとはいえ、いまだに極めて激烈な反対意見が多く、訪問先で罵倒されることも少なくないでしょう。そうした一番の汚れ仕事を外注する経営姿勢は是認されるものか、あるいは新たな仕事の創出という点で評価されるものか、当然ながら賛否両論さまざまな意見があることと思います。

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▼個人向けの受信料契約・収納業務員の勧誘
 2020 (令2) 年前半、周南市の各戸にポスティングされたA4判チラシの表裏です。新規契約と集金業務であることが一目でわかります。また、問い合わせ先が一般企業となっていることから、前述の業務委託請負会社であることもわかります。
 ただし、時期的にはちょうど新型コロナが最初に流行〜5月25日に緊急事態宣言が解除された頃合いです。そのタイミングで外回りの営業マンを募集するとは、緊急事態宣言解除後を見越しての社員募集であったのか、それとも単に危機感の希薄さゆえか???

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※最高裁の合憲判断からコロナ禍そして特別あて所郵便へ (2) へ続く

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April 06, 2024

還付金通知はがき

 確定申告の還付金通知はがきが届きました。昨年と比べて一部表記が異なっていましたので比較のために並べてご覧いただきます。裏面の表記が異なるほか、いちばんの違いは差出が広島国税局業務センター防府分室に変わったことです。ググりましたら昨年7月に運用開始された施設のようです。

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 詳しくはこちらを参照ください。

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January 21, 2024

令和6年能登半島地震募金

 公益財団法人日本郵趣協会 登録防府支部も防府市文化協会に所属しています。去る1月10日付で桑木幹事あてに表題の募金のお願い状が届きました。本日1月21日(日)の支部例会にて対応を諮りました結果、支部会計から適切な額を支出することに決しました。よって、近日中に文化協会事務所に直接お届けに上がる予定です。

 また、郵趣家としては令和6年能登半島地震関係の郵趣品としての価値も認めるにやぶさかではありません。特に、郵趣家が意図的に狙って作成したものではありませんので、はがきは領収書とともに大事に残します。本件の取り扱いに関しては決して不謹慎とは考えません。

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(20240130追記)
 JPS防府支部では1月例会で承認を得、22日に5,000円を納めてきました(上図)。
 さらに、防府切手のつどい2024冬にブース出店いただいたJPS本部 流通促進委員会さまから売上金7,000円を同じく義援金として使ってほしいと託されました。昨29日に間違いなく全額納付してきました(下図)。
 JPS防府支部として合計1万2,000円の義援金を拠出した旨、ここにご報告させていただきます。

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January 11, 2024

幸福の手紙/壹萬円連鎖便り

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 昨年12月12日(火)放送の「ありえへん世界」に所蔵する不幸の手紙を提供した反応がさっそく寄せられました。新年早々、赤須秋王さんから目のさめるようなお年玉、昭和23年の「幸福の手紙」をいただきました。いつもありがとうございます。消印は櫛型印で防府 昭23.6.25 C欄右書き県名入「縣口山」。
 題名は「壹萬円連鎖便り」。記された決まりに従ってはがきを10枚以上差し出すと一万円以上のお金が届くのだとのこと。文面を読めば差出人はC欄の防府市の柘植某であることも明らか(笑)。粗悪なガリ版で不鮮明な箇所は墨で補筆しているので若干読みにくいです。後年の資料とするため、以下、文面を書き下しておきます。

壹萬円連鎖便り

A 白井 充 呉市仁方町大字戸田
B 金谷 豊 大阪市都島区都島本通一ノ十五
C 柘植宗澄 山口縣防府市堀口通二丁目

此の葉書を受取った日より三日以内にAの氏名住所を除去しBの氏名住所をAに、Cの氏名住所をBに、あなたの氏名住所をCに記入、これと同文の葉書を友人知人に十枚以上出して下さい。そして除去したAに十円送って下さい。貴方が除去される時には十円封入の手紙が千通以上届き、一万円以上の金が来ます。貴方が除去される日(1ヶ月以内)を楽しみにお待ち下さい。但し除いたAに十円送りませんと貴方にも送られて来ません。

 

 

 

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January 04, 2024

小さな村からの国際郵便、宇納間郵便局(宮崎県)

 雑多な実逓カバーを見ていてまた見つけちゃいました。平成の大合併で消滅した宮崎県の北郷村。しかし、消印の郵便局は今も存続しています。その名は宇納間郵便局。読みは”うなま”、欧文印の表記は”UNAMA"です。
 差出人名から察してアメリカから招聘した英語教師あるいは交換留学生でしょう。我が山口県でも同様で、かくも山奥の村では欧文印を使うような国際郵便物は、いったい年に何通あったことでしょうか?。2024010402

 

 

 

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1月4日(1999)

 1999年1月1日からの単一通貨ユーロ(€)の導入に合わせて1999年1月4日に発行されたユーロとフランス・フランの二重通貨表記切手の第1号です。後にユーロ表示のみの表示に切り替わったのは2002年1月。

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 この時からユーロに参加したのはドイツ,フランス,イタリア,スペイン,ポルトガル,アイルランド,オーストリア,フィンランド,ベルギー,オランダ,ルクセンブルグの11ヶ国です。しかし、独自通貨を持たないモナコ(フランスに依存)、オーランド(フィンランドに依存)なども一斉に二重通貨表示切手にシフトしたため、実際の発行国と地域数は上記よりも多いです。これがまた郵趣の面白いところでもありますね。

 なお、表示スペースがないことから、フランス共和国の略称「RF」が半世紀ぶりに復活したのも本券からです。他にRF表示が使われることはないだろうとの大方の予想に反し、2004年11月までのなんと約6年間に亘って使われ続けることになりました。

 

 

 

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December 26, 2023

さようなら広告付葉書(エコーはがき)

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 20231225付でプレスリリースが出ました。20231229でエコーはがきの新規受付終了、20240329で発行終了、20240930で販売も終了です。
 19810707 (昭56) の発行開始以来43年でその歴史を閉じることになりました。奇しくも1981年はきっかり二十歳でしたので、自分の青年期と共に歩んできたわけで、時代の変化に感慨深いものがあります。

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 正式名称は「広告付葉書」。その発行前から愛称募集が行われていました。これに応募された方も多いことと思います。ただし、その採用賞品はわずか50名です。もし、賞詞とともに持っている方がいらっしゃったら間違いなく大珍品です。

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 19810701の全国版3種に続き、19811001には第1次府県版16種が発行されました。郵趣界ではそれはもうたいへんな収集ブームで、府県版の初日印付完セットが一万円ほどもしました。自分で郵頼することを考えれば決して高い値段ではありません。私もこの時ばかりは腹を括って大枚をはたきました。その中から現存しないスポンサーの寿屋 (熊本) とホテル仙台プラザ (宮城) の2種をご覧いただきます。
 なお、「エコーはがき」という愛称が決まったのは19811126。第1次府県版発行はその前であることも重要なファクターです。

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 当時の郵政省は営業活動にも熱心で、こうしたデザイン集を数年間発行していました。図版は初年度である昭和56年度版です。B5判横開きで42ページもあります。上段は表紙を、下段はP.1, 2です。
 奥付は監修/葉書広告懇話会(事務局 郵政省郵務局営業課)、発行/財団法人日本郵便友の会協会、印刷・製本/共同印刷株式会社、定価700円 送料240円です。

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 43年もの歴史があるので当然のようにトピックがあります。図版の2種は発行全数をスポンサーが買取をした事例。告示はなかったものの整理番号は付されていたため2番が欠番になっていました。広告主は簡易保険福祉財団、種類は一関かんぽ保養センター (東京-384、後のかんぽの宿一関) と旭かんぽ保養センター (東京-385、後のかんぽの宿旭) の2種。19990301発行、発行枚数は各5万枚、発売局は小石川郵便局。エコーブームもすっかり下火になっていたため、幸か不幸かほとんど話題になりませんでした。そのおかげで私も特別ルートで入手することができました。
 この両施設も2022年4月に事業譲渡されたことは皆さんもよくご承知のことと思います。

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 小ネタを2点ご紹介します。左は誤発売です。本来は昭56.5.16からの発売でしたが葛飾局の引受消印は5月11日、市川局の到着印は5月12日。発行件数が多かったため、無作為の同用例はかなりあるのではないかと思います。ちゃんと調べている人がいないだけで。

 鹿児島在住時にタイミングよく発行された史上初の広告付き・お年玉付き官製年賀はがきです。九州郵政局 (当時) 管内限定で100万枚発行。当時、普通局でも2,000枚ずつしか配給がなかったと記録しています。完封表記によると凸版印刷の再生紙はがきで、検印日は平11.9.30。
 地方に住んでいながら全国に通用するネタは滅多にないので、この年のJAPEX'99ではお土産で配りまくった記憶があります。
 この時、セネガルに駐在しておられた鈴木敦さんのご協力により、奄美大島の名瀬局の20000101 (元旦印) の引受消印で発送し、後日返却していただきました。国際郵便は年賀取扱郵便の対象ではないので年賀印は押せません・・・とわざわざ名瀬局さんから串木野市の自宅に電話がかかってきたこともよく覚えています。

 以上、取り急ぎトピックをまとめました。

 

 

 

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November 20, 2023

日本万国博切手資料集

 著者の石田徹さんからお送りいただきました。さして大したお手伝いもできませんでしたのに、まえがきで名前まで記して頂きまことにまことに恐縮です。

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▲表紙と代表的な1ページを著者の許可を得てお示しします。
三波春夫さんの直筆サイン入りホルダーには息を呑みました。
夢のような逸品です。これを拝むことができただけでも眼福です。

 本書の特徴はその構成にあります。基本分類は出展国、非参加、疑国、開催国の4つ。いわゆるアラブ土侯国を特別視することなくフラットな扱いをされていることに好印象を受けました。私自身、アラブ土侯国を何が何でも否定しようという、かつてのヒステリックとも思える排斥の空気を疎ましく感じていたからです。限定的なものではありますが、実逓郵便物も存在していますから「郵便に使えない=切手ではない」の論理が破綻していること、そもそも否定の先入観があまりにも強く、とても知性のある合理的な対応ではないと苦々しく感じていたものです。
 むしろ、ダバール、ナガランド、サンダなどのほぼアウトな国もどきを『疑国』(ぎこく)という新しい分類を立てて取り込んでおられる姿勢に考察の冴えを強く感じます。いずれの日にか改版を重ねてより充実されていくであろう可能性の手応えを感じました。

 以前から常々申し上げている通り、インターネットもまだない1970年代(切手製造時期はさらにその前の1960年代のはず)であるのに、おしなべて間違い図案がほとんどないことは”素晴らしい”を通り越して”誰がここまで正しい考証を行ったのか?”という驚きと疑問の方を強く感じています。これには著者も同じような印象を受けておられるらしく、次のような言葉を記されています。

『日本国内からのデザイン参加において、海外からの日本イメージに70 年代当時の先入観が最低限に抑えられた事やデザイン上のミスも抑えられた事がある。その為50 年以上を経過した当時の万博切手制作事情について、そろそろ詳細な記録が残されても良いのではないだろうか。』

 頒布申し込みについては、下記メールアドレスに、住所、氏名を明記のうえご連絡されると先に発送していただけます。代金は2,500円+送料370円(レターパックライト)の計2,870円後払いとなります。

石田 徹 t-ishida@serenade.plala.or.jp

 各自購入されるだけにとどまらず、お住まいの地域の公立図書館で新刊リクエストをされることも強くお勧めします。あの時代をともに生きた同世代の仲間たちもきっと手にとってくれるでしょうから。

(付記)
 ちなみに日本万博があった年、私は小学4年生でした。学習雑誌などで目にした『太陽の塔』に衝撃を受けた子供のひとりです。雷に撃たれたような・・・とはまさにこのこと。
 後にアート・デザイン業界に進むことなったのも岡本太郎先生のおかげです。私と同世代のアーティスト・デザイナーがことごとく岡本先生への尊敬心を抱き続けているのは、その衝撃の原体験『芸術は爆発だ!』が刻み込まれているからです。

 

 

 

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