今年最後の防府切手のつどいが無事に終了しました。会場のデザインプラザHOFUの建物自体は存続するようですが、管理している公益財団法人が解散されることから来年以降の予定が未定です。どのような体制で運営されるのか、防府市議会の決定を待つしかありません。
私もお昼時間だけ仕事をお休みすることができたので覗いてきました。またしても百均の実逓はがきの中から数枚ピックアップしてきましたので、2枚をご紹介したいと思います。
[小林武治議員の直筆礼状]
年賀時期をとっくに過ぎた昭和44年3月1日の世田谷局の消印だったので手が止まりました。文面を読むと地方視察で大分県の由布院に行かれたのか、その際にお世話になった由布院郵便局長さんへの直筆礼状でした。小林議員は1966(昭41)年12月3日~1968(昭43)年11月29日の約2年間、郵政大臣を務められましたので、当時の郵政関係にも人脈を築かれていたからでしょう。郵政大臣職を辞されてほんの3ヶ月後の差出です。
文末に「東京は大変な降雪でした。」とありますが、実はこの2週間後の3月12日、東京の最大日降雪量33センチを記録することになりました。「今は冬の再来です。」とあるのも単にお天気のことなのだろうか?とも感じ取ったことでした。
なお宛先の阿武豊さん、山口県民ならピンとくる苗字です。今の山口県阿武郡発祥の苗字で、地名は”あぶ”なれど人名の場合は”あんの”と読みます。郵便局長職も全国どこにでも転勤を余儀されなくされますので、山口県出身者か所縁の方かなとも想像しているところです。

[代理部時代の注文はがき]
任意団体時代の日本郵趣協会の事業部を分離独立する形で1971(昭46)年に郵趣サービス社さんが起業されました。既に周知されているように今年2021年で創業50年になりました。たいへんおめでたいことです。その2年前、1969(昭44)年暮差出の新切手注文書です。消印は柏崎局の和文印で日付は12月17日。年賀繁忙期の真っ只中です。
表面下部のお願い文は想像を超える業務状況を今に伝えています。裏面の注文書を見るとこれだけ大量注文がありながらことごとく売り切れで、発送できたのはたったの6点しかなかったらしいのも驚異的です。当時はこんなにも外国の新切手が売れていたのかと驚愕するばかり。確かにこれでは事業部門を切り離さないと本来業務を圧倒してしまいます。

大規模な全国切手展では切手商さんも高いブース代を負担してくださっています。それを会期で割ったら、椅子一脚の一時間あたりの経費が何千円かかっているか考えてください。買い物もせずお喋りに興じているような人は迷惑客です。固定管理費が高くつくので、1枚10円式のお楽しみ安価セールも客寄せにそこそこやっているだけで本気ではできません。
しかし、防府切手のつどいのような地方催事はブース代が500円とか極めて安いので、切手商さんも安価な販売品を持参してくださいますし、収集家も気楽にブースを出せるのです。例えば記念切手の額面販売は、そうした地方催事こそ大量に準備され、じっくり時間をかけて選んでも迷惑がられることはありません。特に切手商さんへ事前に「〇〇切手を持ってきてください」と連絡しておけば必ず持参してくださいます。地方ならではのメリットはそこかしこにあります。大規模催事がベストだとは限らないのです。ぜひ全国各地の小規模催事にこそお出かけください。
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