デコーダー

April 29, 2010

スタンプショウ'10

 4月23日の朝一便で上京し、その日は全日展を参観したりやんごとなき隠密行動のためにスタンプショウへは24日からの参観でした。自分の場合、コレクションの性格から初日に行かなければならない必要性は全くないので、その点は非常に気楽です。
 まず、ざっと展示作品を見て回りました。前評判の高かった大沢秀雄さんの「ヘレン・ケラー」は見事グランプリ。氏の作品はいつも独特の力強さの雰囲気を纏っていまして、それが決して無骨ではないところが人徳なのでしょう。直筆サインなどの息を呑むようなアイテムが決して威圧的ではなく、実に腑に落ちる感じで配置されているので非常に理解しやすいです。良い意味で郵趣の域を超えた「作品」なので、いずれ郵趣誌上でも紹介掲載されるでしょうが、やはりネット公開と同時に英語版での公開なども一考されたいところです。それゆえ、グランプリ受賞の報を知り、私のつたないコレクションの中から、以前から氏が所望されていた某一品を進呈させていただいたのは言うまでもありません。

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消印データ:ALTENA(WESTF) 1.8.52

 切手商ブースではハナから行くべきところは決まっています。今回もSさんのテーブルへ直行です。Sさんの審美眼は素晴らしいもので、この人でなければピックして来ないだろうと思われるカバー類がふんだんにあります。その中での代表例がこれです。世界最初のモナリザ切手横ペア2組を貼った、いわゆる多数貼りカバーです。正確には「レオナルド・ダ・ビンチ誕生500年記念」(西ドイツ・1952)です。
 この切手は色々な意味でエポックメイキングな存在です。第二次世界大戦後の印刷技術の発達により、ようやく多色印刷が可能になりました。モナリザのような世界的に有名な絵画を切手上に再現するには、当然ながらそれだけの技術的裏打ちが必要なわけです。今から見ればまだまだピンぼけっぽい仕上がりですが、絵画切手史上での多色印刷のさきがけであり、当時としては実に勇敢な挑戦だったのですね。発行時の関係者の高揚した気分が私にはわかります。
 そんな切手も未使用と初日カバーを集めて終り、では面白くないので、このような多数貼りや特殊な使用例をも収集するようにしているのです。ベルリン復興強制貼付切手も貼り合わせになっている点もいいなと思いまして。このあたりはテーマチクと言うより伝統郵趣的な視点で考えています。

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消印データ:NEW HYDE PARK NY 11040 OCT, 1, 2007

 全国切手展の場合、その出店料を椅子数で割ると一時間座るだけでン万円かかることは簡単に計算できることです。ですんで、広島のイベントでいつでも商品を見ることができるアオヤマさんのブースは、できるだけお客さんがまばらになる最終日の午後に遠慮がちに伺うことにしています。そこで拾ったのがこれ。宛名からおわかりのようにアオヤマスタンプさん宛の商用便です。使用時期がやや後年ではありますが(アメリカ・1998年発行)$11.75速達切手のコンパクトな実逓カバーだということで購入しました。日本切手で置き換えてみれば容易にわかることで、小包用の高額切手の実逓カバーは大体が小包の切れ端などの大型のものがほとんどです。一体何百、何千ドルもの高価な切手が入っていたのかとちょいとビビリますが(笑)用途としては正当なものです。
 自分の視点は、コスト高で2004年に中止されてしまったアメリカのデコーダー技術を使った切手の一種として見ています。ファーストクラス切手などは未使用、使用済、実逓カバーも難なく集められますが、速達切手のような高額券種になると実逓カバーが必然的に壁になるのです。サイズがでかい、混貼で見映えが悪い、おまけに高い!の三重苦はザラであります。郵趣家便、切手商便だからどうのこうの言っちょられんのであります。それが嫌なら私にください!。

 しかしまあ、ペコちゃん人気は凄まじかったですね。某切手商ブースの前に行列が伸びてお客さんが近寄れないという実害もありましたが、その程度で寄り付きを断念するようなお客さんしか持っていないお店ではないので、そんなに気にすることはないでしょう。プロパーの郵趣家(私もそうですが)の一部には、そんな親子連れの大波を疎ましく見ていた節もありましたが、それもまあいいんじゃないですかね。切手展ガイドも無料抽選切手も完売・払底するなんて事態は史上初の「快挙」ですし、ここまでいくとプロパー郵趣家の方が完全に少数派ですからね。
 よく見ていると娘さんよりもお母さんの方が喜んで記念撮影とかしてるし、親子二代にわたる人気とその集客力は正しく評価するべきでしょう。かたや切手は親子孫ひ孫以上の時代をバックグラウンドに持っているはずなので、それがペコちゃん人気にあっさり負けている様をよく見ておくべきです。郵趣サイドの、あるいは郵政サイドの努力不足はここに現れり!ということです。
 郵趣家ではない新しい「切手好き」な人たちの受け皿を早急に作り上げるのが日本郵趣協会の急務です。自分も東京に居ればいろいろなアイデアはあるのですが、それはまた別の機会に。

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June 15, 2008

再発見

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 毎週土・日曜日の夕方に放送されるNHKラジオ番組「地球ラジオ」がお気に入りです。仕事が休みであれば、その時間帯は防府市内のスーパー銭湯か山口市の湯田温泉に出かけている頃合いです。運転しながらつけたカーラジオから聞こえて来たのがきっかけでした。リアルタイムで世界の生活が聞けるのも楽しいし、インターネットでも放送されているのも良い点です。家でパソコン作業をしながら聞くには最適です。
 昨日6月14日の放送で、ポーランド郵便が月初めからストライキを打っているとのレポートが。あれ?、そんな話は初めて聞いたぞ。国際郵便の引受制限とかインフォメーションはあったのかな?と、改めてネットで調べたり。そんなことも地球ラジオの面白さです。
 せっかくなので、郵便ストがらみのカバー類はないかとコレクションを引っ張り出しているうちに、郵便ストとは無関係なのですが図の事故郵便がひょっこり出てきました。事故郵便とは言っても輸送途中の軽破損・補修はマイルドな部類に属します。
 付箋を止めているセロハンテープはそのままにしておくと1〜2年ほどで糊が茶色い樹脂状に変質・劣化し、他に汚染を広げてしまうことはよく知られているところです。なるべく早い時期にヘアドライヤーで熱を加えながらテープを剥がしてしまうようにしています。そうやって取り外した付箋はカバーの中に入れて離散しないように保管しています。
 それまでは事故郵便ファイルに入れっぱなしにしていましたが、よくよく見れば左の切手「アメリカ空軍50年(1997)」は、アメリカ初のデコーダー隠し文字入り切手なのですよ。切手デコーダーと呼ばれる特殊なレンズを通して見ると、背景に無数の「USAF」の文字がモアレっぽく浮き上がります(下図参照)。切手偽造・変造を防止するためのセキュリティー・デバイスのひとつです。正確に記しますと、アメリカのGSSC社(Graphic Security Systems Corporation)のスクランブルド・インディシア(Scrambled Indicia/直訳は「変換文」)という技術です。この技術は1990年代初頭にスペイン切手で採用されたのが最初です。
 幸いにもこの切手には何らの損傷もありません。単なる破損・補修カバーは他にもたくさんあるので、デコーダー切手のファイルの方に移そうかなと思い始めました。しかし、デコーダー切手のカバーとして前面に出すには事故郵便ではセンスが疑われるような気がしないでもないし・・・などとあれこれ考えるのも楽しいものです。

<データ>
・差出印:HAGUE.NY 1998.6.18
・付箋証示印:TOKYO AP 1998.6.24(新東京国際空港郵便局)

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