ロケット郵便
桑木正道御大から下賜いただいた1960年代の月刊「郵趣」誌を少しずつ読み進め、必要な記事は自作のデータベースに取り込む作業を続けています。その1961年4月号に表題の記事がありましたのでご紹介します。
当時は当事者の真剣な想いとは裏腹に、けっこうなパチモン扱いであったことがわかります。収集家の懐を狙って記念フライト (発射?) カバー、はがきを作って販売。その売上金が次の発射資金になるといった具合です。総括すれば新しもの好きな超マニアック限定の分野でした。その現実性のなさから普通の航空郵便とは明らかに一線を画しています。どこに落下するかわからない上に、着弾に失敗すれば搭載したカバー類も木っ端微塵ですから当たり前ですわな。
その風向きが突然変わりました。日付でピンと来た方は鋭い!。そうです、本記事直後の1961年4月12日、旧ソ連のガガーリンが世界初の有人宇宙飛行を行いました。突然のニュースで世界中が驚愕したのはよく知られているところです。当該記事の執筆者 (匿名のX.Y.Z.生氏) もこのタイミングの良さに相当驚いたことでしょう。
それ以後、手のひらを返したように世界中でロケット・ミサイル郵便がばんばん打ち上げられます。主に切手展などの郵趣イベントの余興で、ぶっちゃけ打ち上げ花火ちっくなものがほとんどです。しかし、当時の人たちの驚きと興奮を今に伝える稀有なブームだったと言えるでしょう。
なぜそんなことに関心を持ったか?。はい、自分の誕生日日付のロケット・ミサイル郵便が、図示の1通しかなかったからです。自分の誕生日が1961年3月23日で、ガガーリンの有人宇宙飛行のわずか20日余前。ガガーリン前と後でこんなに違うのかと、我が身に引き寄せて痛感したからでした。
これだけ価値ある貴重な記事があるのですからpdfデータ化してサブスク方式で購読できる体制にすれば良いのに。世界新切手ニューズも然りで、これだけのコンテンツが蓄積されているのにお金にしないのは勿体無いです。
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