だからゴミ集めはやめられない

これも先日、パインスタンプの松本さんから"超破格値"で買い取った雑品ロット、通称"ゴミBOX"に混入していたものです。私の母方のルーツのひとつである鹿児島県関係アイテムであることはもちろんですが、何よりもまずこのチープ感に手が止まりました。昭和54年3月21日の54321連番の日には全国各地でさまざまな郵趣記念品が作られました。ゾロ目・連番の一環で各種集めていますけれど、いくらなんでもこれはないだろうと。
確かに南九州人には良く言えばおおらか、そうでなければ雑、いい加減、てげてげ、といった傾向が見受けられます。予算がなかったとか期日までに間に合いそうにない等の事情はありましょうが、上質紙にリソグラフ(?)で手書き原稿を簡易印刷しただけとはいくらなんでも庶民的すぎます。二つ折りにしてA4判ながら押印スペースのこの余白を見てください。明らかに大きすぎて邪魔くさい。あれから33年も経た今頃になってナニですが、ここまでみっともない記念押印台紙は今まで見たことがありません。作らなかった方がまだマシだったのではないでしょうか。私以外誰も欲しがらないであろう疎外感が、今も国道225号線沿いにたたずむ鹿児島南郵便局さんの居ずまいとオーバーラップしてしまいます。
ところが、これになにげに押されている左の赤印が実は驚きであったのでした。「クインエリザベス2世号寄港記念」と刻まれた直径3cmのハンコ(おそらくゴム印)は消印ではありません。鹿児島南局が独自に調整した記念スタンプでありましょうし、ひょっとすると鹿児島中央、鹿児島東などの市内普通局合同であつらえた可能性もあるのではないかと思います。鹿児島の消印収集をされていらっしゃる研究者の方、この(仮称)カシェスタンプを把握していらっしゃるでしょうか。
と申しますのも、記念押印の昭和54年つまり1979年の使用だとしたら、これがクイーン・エリザベス2世号が鹿児島に寄港した一番最初の郵趣アイテムになるからです。
同号はその後、数年おきに寄港していて、そのつど郵趣家らしき乗組員の手によるもの、もしくは委託されたらしいカバー類がわずかに残されています。自分も下の1982年(昭57)3月11日付のパクボー便を所持しています。大型客船が接岸できる国際的な港湾設備を持つ鹿児島であるならば、やはり外国来のゲスト・カバー収集もまた鹿児島郵便史の一ジャンルでありましょう。当然、主要船舶のパクボー便、船内郵便は見逃せないものと思います。

お粗末極まりない記念押印用タトウが、一歩踏み込むとこうして別の輝きを発するに至りました。こんなことが決して少なくないのが郵趣の楽しみのひとつです。だからゴミ集めはやめられないのですね。
台湾の大学生郵趣家君が新切手(バレンタイン切手)の情報を知らせてくれました。タブを間に挟んだ2種横連刷と小型シートで1セット。連刷の方はエンボス加工(浮き出し)にスポット・バーニッシュ(ツヤありニス)印刷で立体的な効果を出していること。小型シートはハート形切手を1種納めていて、台湾初の香り付きインク印刷。製造はフランスのカルトール社製。2月10日に発行されたばかりです。詳しくは下記URLを参照ください。
もともと、アメリカの乳ガン研究切手の発行を実現させたのはカリフォルニア州のサクラメント乳ガン外科センター教授の外科医Balazs Bodai氏でした。切手の持つメディア性に着目した氏は、さらに全世界に向けて"Fight against breast cancer”(乳ガンと戦おう)のメッセージを伝えるため、ホイットニー・シャーマン氏(Whitney Sherman)デザインの同一図案切手をアメリカ以外の世界各国でも発行しようという活動を続けていたのです。氏の生まれ故郷がハンガリーだったおかげで、まず同国での発行が実現したというのが真相でした。ハンガリー切手1枚あたり50Ftがハンガリー乳ガン研究所(Hungarian breast cancer research)への寄附金に供せられました。
ハンガリーでの採用が突破口を開いたのでしょう、その後は少しずつ賛同国・地域が増えてきています。私が把握しているだけで下記の11ヶ国になります。中でも特筆すべきはケニアです。元のイラストレーションはガンとの戦いを象徴する狩りと戦いの女神を描いたものですが、ケニアはアフリカの黒人女性像に描き変えています。さらにフランスなど共通図案を選択しなかった国を含めればまさに全世界的な規模と言っていいと思います。




日本国際切手展2011で入手したタトウ(2つ折の押印台紙)です。昭和54年から始まったふみの日キャンペーン、その最初のイベント「手紙フェスティバル」のものです。今から32年も昔、この年に高校を卒業して上京しましたが、残念ながらこの催事が行われた松屋銀座には出かけていません。


フラマ、自動化切手に関するカタログは左のミッヘルカタログが有名です。と言うか全世界を網羅した文献はこれしか知りません。表紙に図が掲載されているように、今はなき日本の料額印字切手も採録されています。ただし、やはり一般的には人気がない分野らしく、現在は発行されていません。この2004年版もJAPEXのブックバザールで中古本を見つけて入手したほどです。これ以外に収集指針となるべき文献がないので、けっこうなお値段だったと記憶しています。

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