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August 2025

August 24, 2025

「柳宗悦さんの言葉をよんで」三井高陽

 今からほぼ70年前の文章です。民芸運動の柳宗悦さんですら切手収集に対する正しい理解がなく”マッチレッテル等と共につまらぬ蒐集だときめつけて居られる”と残念な思いを述べている三井高陽氏の随筆です。出典は19560401_「切手」紙163号P.4(274)。

 しかし、一般に正しく理解されていないのは郵趣人自身の怠慢であるとの三井氏の考え方におおいに共感します。その後、一種の強引さを以て「啓蒙」活動が展開されて今があること、先人の努力に感謝するばかりです。やはり同好者の間だけしか通じない言葉、価値観を繰り返すだけではダメで、一般社会に対して働きかけをすることこそがいちばん大事なことと、私もそのように痛感しています。

 

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 切手を一枚ずつせっせと集めその数を誇るといった収集は、基本ではあるけれどプリミティブに過ぎ、今ではそんな収集をしている人はほとんどいません。日本では特に1960~70年代に研究が進んだからです。だいたい、ただのモノ集めが150年をゆうに越える歴史を持つわけがない。何か変化変遷があって当然・・・と考えるのは私たち郵趣家だけです。

 「切手展に作品を出す」と言ったら、切手の展覧会?作品???と言葉のいちいちがまったく理解されなかったことすらあります。自分たちが楽しかったら良い、ではダメなのです。

 

 

 

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日曜営業日消印の暑中見舞

 荒牧裕一さんからいただいた暑中見舞です (画像は圧着はがきを展開)。日本郵便東海支社では岐阜県中津川市内の一部の局で今年6月1日から土日休日の営業を試行開始しました。それを上手に利用されたアイデア郵趣品です。馬籠郵便局の8月17日(日)消印の実逓便です。いつもありがとうございます。

 

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August 21, 2025

山口・縣庁内分室の最初期消印

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 地元の山口県庁内郵便局も変遷の歴史があります。今は県庁1階にエリアマネージメント局として存続していますが、かつては昭和25年から平成25年までの63年もの長きにわたって分室でした。なぜかご縁に恵まれず、昭和20~40年代のごく普通の消印、使用例が未入手でした。それがようやくにして昭和25年5月の設置当月から8月頃の小ロットを入手できましたのでご覧いただきます。消印の押され方からして別納使用だと思われます。この際、別納使用でもまったく不満はございません。

<沿革>
・山口県庁内郵便局 19430801(昭18) 設置
・山口郵便局 県庁内分室 19500501(昭25) 局種変更
・山口中央郵便局 県庁内分室 19870701(昭62) 本局名改称
・小郡郵便局 山口県庁内分室 20070730(平19) 所属変更
・山口県庁内郵便局 20130401(平25) 局種変更→現在に至る

 なお、ネット上では「山口」と「県庁内分室」の間にある中黒がない印影も見ました。正しい表示は中黒アリです。

 

 

 

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August 19, 2025

NFTを活用した観光プロジェクト第2弾

 これまでも日本郵便さんがRakuten NFTで切手原画のNFTを販売 (20221003)、Rakuten Optimism 2023来場者限定の切手原画NFTアートを販売 (20231001) するなどの先進的取り組みを情報としてしては得ていましたが、電磁データだけで実体がないので、正直、いまいちどころかまったく欲しいとは思いませんでした。自分は徹底した”モノ主義”のコレクターだからです。

 

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 NFTの新しい取り組みとして、石見銀山エリアで観光プロジェクト第1弾が行われました (20250118)。この時もNFT技術を使ってスタンプラリーをするらしい、ぐらいしか理解が及びませんでした。これが将来的にどのように郵趣に関わってくるものか、わからないながらも記録をつけていました。それがこの8月1日にエポック・メイキングな出来事がありました。
 オリジナルフレーム切手「Blue Impulse 2025」の発行に合わせ、東松島市制施行20周年を記念した東松島市との新たな観光プロジェクトが今まさに行われています (20250801~20250831)。実証実験としては石見銀山に続く第2弾であると同時に、関連する切手類の発行はこれが日本初になります。ようやくオリジナルフレーム切手という”モノ”が登場したわけです。宮城県在住の阿部純哉さんにお骨折りいただいたので晴れてご紹介することができました。
 ことNFTに限らず、ITやデジタル技術、科学史テーマの収集家の皆さんにとってはぜひとも入手しておかねばならない郵便商品と言えるでしょう。110円×10枚、ペーパークラフト付きで売価2,100円、3,100セット発行です。
 チラシもご恵送いただきました。同一品を2枚という紙資料収集時の私の拘りもご理解いただき感謝にたえません。いつもありがとうございます。

 

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 どのようにNFT技術を使っているのか、チラシ裏面の説明部分の拡大図をご覧いただきます。まだ間に合います。お近くの方はぜひ取り組んでみてください。このような先進的な取り組みにこそ押印系郵趣品を作成する意義があろうかと思います。知恵を絞ってみてください。

 

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振り仮名確認はがき

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 20250526の改正戸籍法施行による振り仮名確認の圧着はがきが、ようやくうちにも届きました。発出は20250812付、実際の配達は20250818でした (山口市長名義の料金後納郵便)。
 これから生まれてくる人たちは最初から振り仮名付きの戸籍が作られますからこの確認作業自体不要でしょう。となると、現生世代が一生に一回しか受け取ることのない貴重な行政郵便だと理解されます。
 なお「氏の振り仮名の届出が可能な方」欄は母だけになっています。これは私はすでにマイナポータルのサイトで確認を済ませているからです。

▼参考:日本経済新聞 (20250526)

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August 15, 2025

防府市全域に配達されたタウンメール

 今週、防府市の全世帯(住民登録のある方限定)にこのA4判両面印刷のタウンメールが配達されました。明日の山口郵趣会例会でネタ振りしてみますが、どこまで理解されているでしょうか。現実には、切手も消印もないからと一瞥もせずに捨てられたのではないかと懸念されます。

 

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 注目ポイントは富海郵便局の添え書きです。20241105から「昼時間帯の窓口業務の休止」の試行郵便局が拡大。防府市では唯一、富海局が試行局に指定され現在もお昼休み継続中です。

 

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 タウンメールの裏面です。目立たない所にでも配達された日付を記入しておくこと。できれば採取場所も。たったそれだけのことで将来にわたって有益な郵便資料となります。

 

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 マイナンバーカード事務を防府市内の10郵便局で開始したのは20250303。取扱内容はマイナンバーカードの電子証明書(暗証番号)の設定、更新、再設定。予約は不要ですが代理人による手続きは不可。なお、防府市内の公民館にも周知チラシが配布されました。画像は特に示しませんがもちろん採集済です。

 しかし、単発施策と理解するだけでは不十分です。元を辿れば、20201001に日本郵便と防府市が包括的地域連携協定を締結したのが始まり。本件に限らず、地域に密着した行政サポート業務をはじめ、郵便ポストへの観光PRステッカーの貼付、フレーム切手の発行に至るまで「まず連携協定ありき」を全体の文脈として理解するのが正しい。(図版は通信文化新報_20250414より抜粋)

 

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 なお、連携協定を記念して、旧防府市役所4号館1階ロビー(建て替えのため現存せず)で防府市関連のオリジナルフレーム切手のパネル展が開催されました。その時のレポートは椙山がfacebookで既報。

 

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August 12, 2025

山口郵趣会 県内・県外会員募集

 (公財)日本郵趣協会登録山口郵趣会(略称:JPS山口郵趣会)では毎月第3土曜日の午後、防府市立佐波公民館で月例会を開催しています。その他、毎年4月に切手展、1月と7月に切手のつどい(即売会)を開催しています。さらに、秋~春の期間に講演会を開催すべく準備中です。

 山口県内在住者は年会費3,000円、県外は2,000円です。年度始まりは4月なので、途中加入の場合は月割計算になります。さしあたって入会制限はないので老若男女国籍を問いません。郵趣に取り組んでみたい方はぜひ仲間になってください。

 紙の会報は発行していない代わりに、facebook内に一年365日24時間常時運用のオンライン会議室を設置しています。メンバー限定なので内緒話も安心してできます。非公開情報、リーク情報などもがっつり載っています。郵趣・郵便のオールドメディアしか知らない方々にとって、想像の数倍の有益性があることを保証します。

 さしあたってお試しで2025年度残期間だけ入会してみませんか?。県内会員は1,500円、県外会員は1,000円です(いずれも半年分にサービス)。入金確認でき次第オンライン会議室参加のご招待を送ります。ただし、facebookのアカウントは事前に各自で取っておいてください。

 また、紙あるいは電子媒体の別を問わず、既に交換誌を送って頂いている郵趣会、JPS支部のメンバーさんであれば、どなたでも年会費無料でオンライン会議室へのアクセスを許可します。現時点では広島蒐郵会、JPS調布支部、JPS近江支部の3団体が該当しますので、該当メンバーの方のご連絡をお待ちしています。(新規も承ります)

 よろしくお願いいたします。

 JPS山口郵趣会 会長 椙山哲太郎

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(追記)
 オンライン会議室掲載記事見本をあわせてアップロードしておきます。このようにうぶなミクスチャーの分配も入荷した翌月には行っています。例会参加者ならば希少と言われる山口郵便局(地域区分郵便局)のインクジェット式機械印も楽々入手できます。県外会員さんも余りが出た時には通販に応じています。

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(20250624の記事)
 今日6/24(火)、山口市社会福祉協議会でミクス5キロを引き取って来ました。買取価格はいつもの680円/キロ計算の合計3,400円でした。先週の例会で桑木さんからお預かりした5キロに加えて今日の5キロ、合計10キロを在庫していることになります。これらも毎月の例会で5キロずつ山分けしたいと考えています。県外会員の方もお取り次ぎしますので、ご希望の方は椙山まで連絡ください。

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August 05, 2025

初確認、通 (かよい) 郵便局の和文ローラー印

 防府切手のつどい2025夏でGETしました。破れ跡が目立つ決して美しいとは言い難いカバーですが、これ、山口県の郵趣家ならあっ!と気がつくはずです。何も思わないとしたら修行不足です。出直して参れ!(笑)

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 長門市青海島の先端にあるのが通地区。かつては捕鯨基地として栄えた小さな集落です。そこの青海島水産株式会社が広島県尾道市にあてた商品見本の開封書状です。それだけで捕鯨関係だなとピンときますね。今も尾道市には造船関係企業がありますが、かつては漁網漁具を製造販売していた会社も多数存在していました。事実、山口県内各地から尾道にあてた造船・漁業関係の郵便物が大量に残されています。

 裏書きを見ますと「〆方当リ何程ニ賣レルカ右返事ヲマツ」とあります。おそらく鯨関係の加工品が入っていたものでしょう。櫛型印を使うと中身が潰れる危険性があるなどの配慮から和文ローラー印で消印したものでしょうが、いかに当時は盛んだったとはいえ、和文ローラー印が配備されていたとは驚きです。もちろん実逓使用例は初見であります。データは山口・通 昭36.11.10。

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 差出の青海島水産株式会社も宛先の宮辺商店もともに現存せず、さらに60年を経過していることからモザイク等のプライバシー保護加工はしていません。関係者の方で、万一、問題があると思われる場合はご一報ください。

 

 

 

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お中元・お歳暮廃止のお知らせ

 収集協力者さんからご提供いただいた一般信のはがきの中にこれがありました。昨今よく聞く「年賀状仕舞い」に続き、贈答習慣も廃れつつあるのかと、社会習慣の変化を強く感じます。

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 私も例年通り秋芳梨(美祢市秋芳町)のお中元を手配したところですが、昨年に続いて不作が続いているそうです。

 お歳暮の定番にしていた徳佐りんご(山口市阿東町)も、いつもお願いしていた商店さんが廃業されたので、それきっかけで昨シーズンからやめました。

 今回の秋芳梨も8月2日に申し込んだものの、梨組合さんの都合で8月25日以降の発送になるとか。そろそろやめ時かもしれません。

 

 

 

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August 02, 2025

第44回オンライン『郵趣』

日 時:8月8日(金) 21:00~22:00
テーマ:月刊誌「郵趣」8月号に関連したテーマで以下を予定しています。

・「外国切手最新事情」(スピーカー:椙山哲太郎)
・「日本切手の壺」+1解説(スピーカー:山口充さん)
※テーマ及びスピーカーは変更になることがあります。

 公益財団法人日本郵趣協会の「郵趣イベント・カレンダー」記載の「接続先リンク情報」のURLにアクセスしてください。開始5分くらい前で十分間に合います。

 差し当たって3件図版をアップしました。楽しい話題があり次第、当日までにあれこれ仕込んでおきます。

▼ムーミン切手の出来が素晴らしいわけ

 なにげに買ったムーミン切手(20250730発行)。しかし、その出来栄えの素晴らしさに感動しました。シート地を上下に2分割しているところも非常に良いグラフィックス効果を発揮しています。久しぶりにアートディレクター脳になってこのことをfacebookに書きました。ご縁があれば担当された吉川亜有美デザイナーさんにお話を伺いたいと。なんと、そのご縁が繋がりました!。
 直接会った友人が私が感じた魅力の不思議について詳しく聞いてきてくれたのです。絵本の原画を使ったのが成功の第一の要因ですが、思ったとおり、それだけではありませんでした。これはもうオンライン『郵趣』でのみお話するしかありません。

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▼自由の戦士 ジョセフィン・ベーカー

 改めて説明する必要もないでしょう。wikipediaを参照ください。ただ、切手に描かれているのは軍服姿であり、いかにも「顔はめ」のような合成をしています。前半生のダンサーとしてではなく、ドイツと戦った自由の戦士としてのデザインコンセプトを汲み取ってください。
 また、こうしたお話をする機会のために著名人のポストカードもこつこつ集めています。これは1935年のプリントが使われています。

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▼郵便箱(郵便受箱)の話、ChatGPT活用の話

 パインスタンプさんからいただいた郵便はがき切手納入袋です。こういうアイテムを捨てずに取っておいてくださるあたりが本当にありがたい。昭和30年代から家庭用・集合住宅用の郵便箱の資料を集めている自分にとっては間違いなくお宝です。この時の差入口の高さ3.5cmが、今あるレターパックライトやスマートレターの厚さ制限の根拠となって生き続けているのです。
 また、これに関してChatGPTに聞きましたら秒で詳細を教えてくれました。その一方で郵趣家なら常識として気が付く昭和43年から導入された郵便番号枠や表記が挿絵に描かれていることを見落としている等、発展途上性能にも気がつきました。とはいえ、良くも悪くもChatGPTの郵趣利用は積極的に進めるべきです。

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(8月8日追記)
 ここ数ヶ月のうちに高齢で認知症発症で郵趣を引退された方、お亡くなりになった方がおひとりずついらっしゃいました。たいていの場合、ご家族は郵趣に対して理解がなく、時に恨んですらおられます。残念なことに一方はご子息によって全コレクションが廃棄処分されてしまいました。優れたコレクションが失われてしまった訳で、だからこそ70なり80歳になったら自身の手でコレクションを次世代に譲り渡さなくてはいけません。そこまでやり切ってこその郵趣家としての本懐です。

 運良くレスキューできた2点「特定信書便Q-POST」と「初期電子郵便専用封筒」のふたつについて、時間の許す限り&電波状態が良ければるるお話ししたいと思います。

▼特定信書便Q-POST
 表記について日本郵政公社(当時)からクレームがあり「特定信書郵便→特定信書便」に、消印中の「3時間特急郵便→3時間特急便」と”郵”の字が削除された改版が作られました。初版は皆さん一生懸命収集されていますが、改版は全くのノーマークという方も多いでしょう。かく言う自分もそうです。その他、改版から料金証紙1枚ごとにシリアル番号が入れられています。

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▼初期電子郵便〜国際電子郵便専用封筒
 試行開始から早44年なんですね!。そんな大昔だったっけ?と自身の加齢に驚いています。今から考えればオワコン、ただのファクシミリにすぎないのに、どうしてあんなに一生懸命だったのでしょうね。とりわけ国際電子郵便はインターネットの普及で需要がなくなり、ひっそり廃止されていったわけですが・・・

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August 01, 2025

郵趣も最適解はChatGPTで

 収集をやめた人から買い取った昔の記念切手がたくさんあります。売るほどあります(笑)。地元郵趣会の世話人活動をしているおかげで、幸いにもゆうパックを発受する機会が多いので、それら送料に片っ端から使っています。そこで問題になるのが、計算が面倒臭いためについつい41円とか82円などの端数額面券種が余りがちになることです。特にゆうパック本体に切手を貼る場合、最小枚数に抑えたいじゃないですか。なおさら計算が面倒臭いことになってしまいます。一時は自分で自動計算のプログラムを組もうかと思っていたのですが・・・ふと思いついてChatGPTに尋ねてみました。あれほど呻吟していたのが嘘のようにあっさり解決です!。こりゃええ!。

 この調子なら貼付切手の額面合計、使用年月日、特殊取扱の有無といった条件を与えたら、実逓カバーの料金分析なんかも簡単にやってくれるんじゃないでしょうか?。

 私も(公財)日本郵趣協会のIT委員です。これまではインターネットを使ったオンラインミーティングの開催や、過去文献のデジタルデータ化などを検討してきましたけれど、ChatGPTをいかに活用するかこそが喫緊のテーマになるのではないでしょうか?。

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