« STAMP-SHOW下松2024 | Main | 郵趣やまぐち」第3号抜粋 (1) »

May 20, 2024

「郵趣やまぐち」第2号抜粋

 創刊号に引き続き第2号をご紹介します (昭和23年11月13日発行) 。ただし、創刊号のような全ページスキャンは致しませず、現在にも通ずるようなコンテンツを抜粋してご覧いただきます。その理由は、残念ながら今となっては古本的価値しかないもの、一個人の偏屈に過ぎた雑文の方が多いからです。さらに経年劣化が激しく、明度を上げるなど画像加工しないと判読が非常に困難であることも抜粋掲載の理由のひとつです。今回ご紹介します記事もそのような画像加工をしていることをあらかじめお断りしておきます。

2024051901_20240520005701

▼松蔭先生を切手図案に(藤本敏一)
 内藤陽介さんのご著書「解説・戦後記念切手II ビードロ・洒落の時代」P.254〜258にも「松陰100年祭PTA大会/1959 (昭34) 年10月27日発行」の発行に至るまでの詳細が記録されています。
 藤本の寄稿文冒頭に”日本出版協会が日本文化史上に不朽の足跡を印した文化人先覚の肖像を郵便切手の図案とすることを建議したといふことである”と記されていること、郵趣やまぐち第2号の発行日が1948 (昭23) 年11月13日であること等を考慮すると、おそらくこれが吉田松陰先生顕彰切手の発行運動 (意見表明) の最初ではないかと思われます。
 しかし、残念ながらこの時の発行運動は実現せず、文化人切手の候補者65人の中に松陰先生のお名前が挙ることはありませんでした。

2024051902

 ”一九五八年(昭和三十三)、この運動はふたたび脚光を浴びることになります。というのも、翌一九五九年(昭和三十四)の松陰百年祭にあわせた各種の記念行事の一環として、松陰切手を発行してほしいとの機運が強まったためです。その背景には、松陰百年祭という格好の機会をとらえて、今度こそ、松陰切手の発行を実現したいと考えていた藤本の執念がありました。
 藤本は一九五八年、松陰百年祭のことが話題になり始めるや、ただちに、山口郵便局が発行している『山口郵便』に松陰切手の発行を提唱する一文を寄稿。その掲載誌を東京在住の山口県人に送り、切手発行の実現に向けて支援を要請。(後略)”・・・内藤本P.254より抜粋

 上記の文章を目にし、せっかくなので昭和33年の動きについても一次資料に当たってきました。
 まず、”山口郵便局が発行している『山口郵便』”は正確ではなく、正しくは『山口県郵便局ニュース』です。同紙は1952 (昭和27) 年3月1日に「山口郵便局ニュース」として創刊され、1957 (昭和32) 年1月1日発行の第59号から「山口県郵便局ニュース」に改題されました。当時の山口郵便局が発行していた無料配布の広報新聞です。各都道府県単位で同様の広報誌が発行されていたようで、福岡県郵便局ニュースも見たことがあります。

2024051903

 松陰100年祭PTA大会の発行ニュースが掲載されたのは図版の通り1959 (昭和34) 年10月6日発行の第92号です。そこから遡り1958年までのすべてを見直しましたが藤本の寄稿文は見当たりませんでした。その間の欠号はありません。さらに1957年まで見たのですがやはり見当たりませんでしたので、掲載されたのは別媒体ではないかと思います。
 藤本の行動の是非はさておき、郷土の大先輩郵趣家の事績を発掘し正しく伝えていくため、今後もリサーチを続けたいと思います。

 

 

 

|

« STAMP-SHOW下松2024 | Main | 郵趣やまぐち」第3号抜粋 (1) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« STAMP-SHOW下松2024 | Main | 郵趣やまぐち」第3号抜粋 (1) »