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May 20, 2024

「郵趣やまぐち」第3号抜粋 (2)

▼サビエル日本到着400年(失敗キャンペーン)
 表題の記念切手発行を希望する記事が、図版の巻頭記事のみならず他に2人の計3人 (カ所) も載っていました。この熱心さには違和感を覚えました。昭和24年当時のことですから今とは違い、サビエルがスペインの植民地政策の尖兵だったことはまったく認識されていませんでした。にしても持ち上げ過ぎです。私はここに ”勘違い民主主義” の胡散臭さを感じます。

2024052003

 戦前とは違い一般民衆も団結して要求を出せば国家機関をも動かすことができる・・・といった左翼かぶれの幼稚な民主主義の幻想が透けて見えます。記念切手の発行要望は民間がいくら騒いでも所詮蚊帳の外、は今も昔も同じ。否、昔の方がはるかに厳しかった。自治体や業界団体などが積極的に前面に出てこないことには何ひとつものごとは進みません。山口県民でありながら、そのいちばん肝心な ”政治力” をなぜ最優先に考え、かつ最大限に行使しなかったのでしょうか。

 「郵趣やまぐち」第2号抜粋で取り上げた吉田松陰先生顕彰切手以前にも、「教育復興運動」記念切手発行を働きかけた谷信勝氏の活動が今に伝えられています。しかし、切手の発行は当時の郵政省の専任事項であり、何の権威もない個人・団体が正規のルートを無視して騒ぎ立てるのはさぞかし邪魔で煩わしかったことでしょう。官僚・役人にはプライドがあるのですから、メンツが立つようにうまく立ち回るべきでした。

 改めて述べるまでもなくこの運動は成就しませんでした。経緯は存じませんが鹿児島では記念小型印の使用が認められたものの (実印影を見たことがあります)、山口県では完全な空振りに終わりました。また、スペインではサビエル生誕地のパンプローナ郵趣会が記念カバーを作成しています。その紹介記事もかつて当ブログに掲載しました。郷土の大先輩郵趣家のお歴々にはたいへん失礼ながら、やり口が甘ちゃん過ぎました。

 なお、誌面では ”ザビリヨ” と表記してありました。現在は ”ザビエル” が一般的ですが、我が山口市では ”サビエル” と読み書きします。

 

 

 

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