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March 16, 2024

切手収集家はデザインを見る目がない

 昨日配信された郵趣ウイークリー紙2024年12号を見て表題通りの暗然たる気分に陥ってしまいました。元職業デザイナーの目から見たら、歴代の日本切手の中でトップクラス級に優れたデザインであるシンプル切手の素晴らしさが理解できない切手収集家 (同じ仲間だとは思いたくないので『郵趣家』とは書きません) のセンスの無さにがっかりです。こんなことではますます収集家の意見など聞かなくても良いと思われても致し方ありません。

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 もちろん、嫌われた最大の理由がデザインではなく販売形態であることは理解しています。1シート50面でバラ売りもしないのでは買えない、買いにくいのはもっともです。しかし、これも日本切手しか関心がない大多数の収集家の視野の狭さが指摘されます。オランダ、フィンランドなど多くの先進国では企業・団体向けのビジネス切手を発行しています。カナダなどは1,000枚ロールのコイル切手 (発行目的は主に会社のデスクでの使用) すら出ています。顧客対象が個人ではないので買えない云々はそもそもがお門違いです。

 ここまで書けばもうおわかりですね。日本郵便さんもはっきり「ビジネス切手」だと謳えば良いのです。なんでもかんでも「特殊切手」に一絡げにしているから視野の狭い収集家が誤解するのです。
 少なくとも切手カタログ上ではシンプル切手をグリーティングから分離し、独立した「ビジネス切手」の分類軸を立てるべきです。郵趣家サイドで一方的にそう決めたところで、誤解が軽減されることはあっても困ることは何もありません。その意味で「普通切手として発行すればよい」の意見は自分も同感です。

 デザインについては、茶の間のオヤジが酔っ払って野球中継にいちゃもんつけているのと全く同じで、絵を描いたこともない素人がわかったかのような口ぶりで難癖をつけるなど、ハタから見ていて恥ずかしいったらありません。イメージ中心の単純明快なデザインにこそ切手デザイナーさんたちの腕がいかに素晴らしいかが如実に現れています。ジャンルは違えど元同職種の自分は十分に理解しています。はっきり言います、収集家の意見など無視していいです。何の参考にもなりません。

 もともとアート的な素質に乏しいのが集まって来やすいのが切手です。自分に理解できないことは素直に「わかりません」と白旗を挙げればよいものを、何か言ってやらなくては気が収まらないかのようで批判し否定します。これはまさに『老害』と同じ精神構造です。わからないなら黙ってろ!です。

 こうして収集家のセンスのなさを自ら露呈するだけなので、ベスト切手・ワースト切手の企画はホントやめてほしいです。自殺行為に等しいです。

 

 

 

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Comments

ほぼブラジルさんへ
おっしゃる通りです。なので私はウイークリー紙は電子版で購読しています。配信の方が早いというだけでなく、情報が必要なだけで現物を送る必要はないにもかかわらず、わざわざトラックや飛行機で運ぶのは資源エネルギーの無駄遣いです。私はエコ信者ではありませんが、さすがにいつまでも「紙媒体を郵送」はよくないと思いまして。
ところが収集家が高齢化してしまい配信が極めて立ち遅れているそうです。

Posted by: すぎやま | March 18, 2024 07:55 PM

いま、人気投票って郵趣ウイークリー紙上でやってたんですね。郵趣でやってないのでやめてしまったのかと思いました。

しかし郵趣ウイークリーも、今時週刊形態の発行で良くもつているなと。ネットのほうが断然速報性があると思います。

Posted by: ほぼブラジル | March 18, 2024 06:43 PM

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