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March 11, 2021

プラハ城の小型シート

 郵趣4月号の担当連載記事でも取り上げます。ゲラを見ただけで素晴らしい出来栄えが察せられましたので、大急ぎで個人輸入をかけました。予想通りの素晴らしさと同時に、予想を超えた発見もありました。

2021031002

 本件は凹版と平版(オフセット)の掛け合わせ印刷です。ZEの郵便等級表示部分のオレンジ色のベタ刷りあたりが平版かと予想していましたらぜんぜん違いました。赤矢印で示した郵便等級Eの藍色のプラハ城部分だけが凹版で、それ以外はすべて平版でした。ビュラン刃で直接彫刻したかのような2ヶ所のタブ部もインクの盛り上がりが一切ありません。シート下部のエンブレムも同様で明らかに平版。これらの事実はいろんな示唆に富んでいます。
 一般に凹版切手と言えば、腰の強いややよれたような凹版専用用紙が使われます。印刷時に強い圧力がかかるためで、それは日本の凹版切手でも同様です。グラビアやオフセットとは全く違う強靭な用紙が使われるのがスタンダードです。
 ところが、本券はその凹版専用用紙ではありません。子細に観察すると色ずれの様子から先に平版印刷されたようです。平版印刷ユニットの後に凹版印刷ユニットが接続され、平版→凹版の連続印刷だろうと推定されます。つまり、スタンダードの切手用紙であっても、平版印刷機と同じスピードで凹版印刷できる技術力がありますよという意味です。
 また郵便等級Z切手も平版なのですが、非常に緻密な表現がなされています。窓のひとつひとつまでくっきりと印刷されています。この緻密さは日本の印刷局の技術水準を超えているのではないかとすら思います。
 タブ部については前例があるのでおそらく次のような手順だと思われます。凹版彫刻師が原版を彫り紙に印刷します。その印刷物を高解像度スキャンして平版印刷の版下を作成し実際の切手印刷に使用。わざわざそんな手の込んだ工程を踏むのは第一にコストダウンです(凹版は製造コストが高いのです)。そして何より平版でも凹版に劣らない表現力があることの技術力の誇示です。

 私自身もエンジニアの端くれでしたから職人さんたちの心意気が伝わってきます。郵趣4月号に掲載されますのでぜひお買い求めください。そしてすみずみまでルーペで観察してください。

 

 

 

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