11月11日は第一次世界大戦戦勝100年記念日
アメリカが7月27日に発行した第一次世界大戦終戦100年記念切手です。図案中のコピーにある通り、アメリカが参戦したことで世界の潮流が大きく変わりました。国際政治の中心がヨーロッパ、特にイギリスから新興工業国アメリカへとシフトしました。そのアメリカの自負が反映しているデザインですね。
ところが日本も参戦したこと、第一次世界大戦での戦勝国であることはほとんど語られていません。日英同盟があったために渋々参戦したに過ぎないだとか、ドイツの敗色が濃厚になってからあたかも火事場泥棒のように遼東半島を占領したのだとか、甚だしく間違った言説が流布しています。日本海軍は遥か遠く地中海まで戦艦を派遣して数多の輸送船を護衛しています。戦死者もありマルタ島にはその慰霊塔まで建設されています。詳しくは下記をご覧ください。
チェコでは2017年に第一次世界大戦開戦100年記念切手を発行しています。図案はトマーシュ・マサリク初代チェコスロバキア大統領と軍人ミラン・シュチェファーニクや兵士、作家ヤロスラフ・クバピルと同アロイス・イラーセク。タブにオーストリア1918年発行軍事切手1hなどを描いています。
注目していただきたいのはシート地のデザインです。右上角の日章旗が認められますね。大戦の主戦場であったヨーロッパから遠く離れてはいましたが、大日本帝国も参戦し戦勝国の一員であったことを示しています。外国では普通に語られているのに、当の日本では見て見ぬ振りのような扱いは不自然で不当です。
日本関係だけでも郵趣関係では青島軍事切手、坂東収容所切手(はがき)、収容所差出の俘虜郵便など豊富なアイテムが残されています。せめて11月11日には戦勝(終戦)100年の記念カバー・カードを作ってお祝いしようではありませんか。
【日英博覧会記念絵はがき】
旭日旗を描く絵はがきも収集しています。その中から1910年にロンドンで開催された日英博覧会の際に発行された2枚をご覧いただきます。いずれも当時のイギリスで製作されたものです。イギリス人画家のフィルターを通してイメージされた日本の姿です。これらも年表を辿っていくと理解が進みます。
・1902年(明35) 日英同盟締結
・1910年(明43) 日英博覧会
・1914〜1918年(大3〜7) 第一次世界大戦
日英博覧会は日英同盟締結を受け、日本政府が8年もの準備期間をかけて開催したものです。その目的は、Wikiの記述の通り『日本の近代産業を同盟国かつ世界有数の経済大国であるイギリスに広く紹介し、通商の活性化を狙ったものであると同時に、日清戦争や日露戦争の勝利の結果、欧米の列強と肩を並べる規模に至った植民地経営と、それがもたらす資源について誇るものである。』です。
▪️日英博覧会
当時の絵はがきには日本髪姿の日本女性が頻繁に取り上げられています。イギリスの一般大衆が本物の和装の女性を目にしたのは、博覧会に動員された応対係の女性たちが初めてだったからでしょう。
とりわけ上の1枚はイギリスのブリタニアのイメージとゲイシャガール、これに極東の太陽の帝国のイメージがミックスされています。イギリス人がイメージする大日本帝国ってこんな感じだったのかなと実に愉快です。
もう1枚も興味深いですね。髪型はほぼ正確ですが衣装はちょっと怪しげ。下半身の裾払いの描き方はまさにファンタジー(笑)。さらに右下の菊花紋はセンターライン直上に花弁がない非公用タイプ。日本の皇室に遠慮してでのことではなく、単に正確な資料がなかったのでしょう。
私はこれら日英博覧会の絵はがき図案を活用して記念カードを作ろうと考えています。なお11月11日は日曜日なので押印局のチョイスにはご注意ください。
Comments