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May 28, 2018

はがきの魅力

2018052803

 郵趣6月号が届きました。毎度のことながら公益財団法人日本郵趣協会の名誉会員、魚木五夫大先生の連載記事「魚木式郵趣」は唸らされます。収集歴が半世紀にも達していない自分のような若輩者では、大先生の経験値の深さにはとても及びません。

 今回は「はがきの魅力」と題した一文で、要ははがきは、”郵便で送られたすべての情報が確認できる。つまり郵便物が、いつ、誰から、誰に対して、どのような目的と内容で、送られたのかを知ることができる。(本文ママ)”という完全性について具体例をお示しくださっています。普通の郵趣家は切手と消印にしか目を向けませんが、郵趣の持つ学術的な意味を極めるにはそれ以外のすべての情報を理解する必要があります。はがきは、その点で最も優れたものであることがよくわかります。

 鹿児島県串木野市(現いちき串木野市)の島平(しまびら)から船に乗って甑島(こしきじま)に渡ったことが記されています。里村(さとむら)、藺牟田(いむた)、手打(てうち)と、島の地区名表記から移動経路が見て取れます。串木野では、はがきの出された大正13年当時にはすでに今に続くマグロはえ縄漁が興っていますけれど、この時の調査はそれではなく珊瑚漁と珊瑚船の港湾設備視察だったようです。
 とはいえ、7月の東シナ海ですのでがっつり時化ていたようです。今でも同海が穏やかなのは5月のゴールデンウィークくらいまでのことで、以後は温帯性低気圧、台風の影響で荒れるのは常識。串木野港が整備される前の時代、島平港から出立したのであれば小さな漁船をチャーターでもされたのでしょう。本物の漁師さんでなければ船酔いで渡海もままならなかったことと思います。そもそもが7月なんて時期が悪すぎました。

 魚木大先生は、貼られている震災切手の東京印刷1銭5厘の希少性について論をまとめておられます。ですが、私は串木野と甑島のことについて便乗して書いてみました。なぜなら私自身が30代の頃に串木野市島平に住んでいたからです。


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