風景印を郵便用日付印から外してはどうか
7月5日に明治日本の産業革命遺産が決定し、同8日に正式登録とのニュースを受けて記念カードを作ってきました。風景印のセレクションについては、萩反射炉を描く萩新川局、松下村塾を描く萩局、萩の町の鍵曲りを描く萩平安古局の3局を選びました。セレクションの詳細はこちらの記事を参照してください。
今回も前日に「押印に行くので準備をお願いします」と各局に電話を入れました。その結果、このように鮮明な印影を得られたわけですが、ふつうに訪局したらこうはいきません。実は最近は風景印等の押印に関して、楽しさよりストレスの方を強く感じています。
利用者が少ないので最初に点検簿に押印・検印するところから始まる始末です。1日に何局も回りたい時の時間のロスは耐え難いです。そんな状態ですから、不鮮明印影の原因の8割以上と言われる肉じゅう(インク台、饅頭とも呼ぶ)の鳶色インク不足、偏り、乾燥が顕著なことも。インク補充後に揉み込んで馴染ませるには時間がかかりますからその場ですぐに解決せず、押印を断念したことさえあります。さらに、郵政民営化で旧特定局では非常勤(アルバイト)の窓口職員さんばかりとなり、押印の教育訓練も何も受けていない方がほとんどです。山口中央郵便局でさえ押印の3割を失敗するという悲惨な目にあったばかりです。しかも失敗の弁償は一切なし。これをストレスと言わずして何と言うのでしょう。
私自身は日本国際切手展1981の際に東京中央郵便局臨時出張所で押印のバイトをしたのを皮切りに、JAPEXなどの全国切手展で押印係を長年やったので苦手意識は一切ありません。風景印、小型印、ふつうの和文印であろうが欧文印であろうが失敗しません。そもそも失敗なんかしないという強いイメージを持って押印しないとうまく押せないものなのです。今の窓口局員さんはその心構えからして負けています。
【ご提案】
日本郵便も物流企業へと脱皮しています。風景印押印も腹の中では「余計な仕事、無駄な仕事」と思っているに違いありません。この際、私はそれを是認します。そして、風景印を郵便用日付印の範疇から除外するよう法改正することをご提案します。そうです、無料で押せる観光スタンプにしてしまいましょう。その方が局側にもユーザー側もお互いにハッピーだと思います。
お客様ルームに「ご自由に押してください」式に置いていれば、今よりもむしろ押印する人が増えること間違いなしです。利用者が勝手に押すので失敗のクレームも完全になくなります。
記念押印の収益は無くなりますけれど、普段から滅多に押す人がいなくて年に2-3回しか使わないのであれば問題になる額ではないでしょう。むしろ「コンビニのトイレ効果」と同じで、ついでに何か買っていく人の方がはるかに多いと思われます。
さらに一局で複数個以上の風景印併用が可能になる、簡易局にも配備できるなど、これまで以上に各地域での風景印スタンプラリーなどを企画・実行しやすくなります。
もちろん、引受消印の場合は郵便物の余白に風景印を押し、それとは別に郵便料金分の切手を貼って差し出すわけですから業務上も特段の支障はないはず。現実に台湾の風景印がこれとよく似ている運用をしていますのでおおいに参考になると思います。
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