瀬々串局、ハレー彗星観測記念切手展小型印
28年もの間、ずっと心に留めていたものがひょっこり眼前に現れて無事に入手することができました。
1986年(昭61)はハレー彗星最接近の年でした。これに関する各種記念切手が世界規模で発行されました。本件もその一環で、鹿児島県の瀬々串(せせくし)郵便局では3月1日から31日まで記念切手展の小型印が使用されました。ごく普通に見えるこの図案にはバックストーリーがあるのです。
同局自らデザインした申請図はもともとは左図で、ハレー彗星にスペースシャトルが描かれていました。このスペースシャトルはハレー彗星を観測する予定だったチャレンジャー号を描いたものでした。ところが、1月28日にあの悲劇的な爆発事故が発生してしまいました。そこで、瀬々串局サイドから九州郵政局(当時)に図案修正の打診があり、日本のハレー彗星観測衛星さきがけに変更されました。結果的に最もふさわしい図案になったと言えるのですが、たいへん珍しいトピック例ともなりました。
このニュースはさっそく郵趣誌4月号に記事となって掲載されています。ですが、こんな立派な記念カバーまで作られていたことまでは記されていません。もちろん私も初見です。銘はないものの、おそらくあの大手ディーラーさんだなと察しはつきます。
自分のルーツのひとつでもあることから鹿児島県関係の郵趣品も収集しています。その中でも目立ちにくく知っている人も少ないだろうという点ではトップクラスのレアアイテムです。コレクター冥利に尽きるとはこのことです。
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