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October 14, 2014

米軍機撃墜プロパガンダ切手(北ベトナム)

 「チベット亡命政権切手を知っていますか?」に続く中川進さん提供品第2弾です。当時の郵趣シーンを物語るお便りを今回も抜粋・要約してご紹介します。(下図は米軍機撃墜2,000機記念・1967)

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 1960年代後半当時、外国新切手はけっこう入手困難でしたが、ありがたいことにJPS(※1)に新発行切手自動頒布会があり、私は中国と北ベトナム(ベトコン切手含む)の部会に入っていました。ちょうど、ベトナム戦争が激化してきた頃で、北ベトナムの反米救国戦意高揚切手、その中でも米軍機撃墜シリーズは印象的でした。今になって思えば、1,000機、1,500機、2,000機撃墜という数字がいかに荒唐無稽なインチキ数字であったのかがわかりますが、当時はそれなりに納得していました(※2)。
 当時の北ベトナム切手は、ハノイ印刷の素朴な切手と、定期的に発行されるトピカル図案の国外印刷切手(東独かソ連か?)の2本だてでした。統一後はソ連の影響が強まり、キューバ印刷の安っぽい切手が氾濫した時期があり幻滅したことがありました。

[椙山注]
※1:当時の郵趣代理部、今の郵趣サービス社さんです。
※2:実際の撃墜数は空軍で1,700機、海軍(海兵隊含)で1,000機の約2,700機と言われています。

 上記のお便りとともにオーダーキャンセルの大型ブロックを送っていただきました。ソ連やチェコスロバキア、ハンガリー、東ドイツ、ルーマニア、キューバなど旧社会主義国と同じく外貨獲得用のC.T.O.切手のようですが、私が子供の頃(1970年代)はこれら北ベトナムのプロパガンダ切手はあまり見た記憶がありません。日本国内に輸入されたパケット類は、アメリカやイギリスの切手商さんが作成したものが主流だったことと関係しているのかもしれません。パケット用にバラされる前のフルシートや残り物の大型ブロックも、今となってはそんなに多く残されてはいないように感じます。(下図は米軍機撃墜3,000機記念・1968)

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 冒頭の米軍機撃墜2,000機記念関連ではこのようなアイテムを所持しています。3ツ折のタトウ形式で、内側には一連の反米プロパガンダおよび撃墜記念切手が糊付けされています。製造時期や用途など詳細は全くわからないのであくまでも推測の域を出ないのですが、なんらかの観光客用土産品かな?と思っています。(画像をクリックすると大きな画像のポップアップウィンドウが開きます)。
 表紙の写真が2,000機撃墜記念切手の元図らしいのが気に入ってGETしました。大きな米兵捕虜(爆撃機の搭乗員か?)を連行する小さな女性兵士という構図は非常に良くできていると思います。数ある撃墜記念切手の中でも異彩を放つクオリティの高さです。
 裏表紙の米軍機の残骸を引っ張る女性兵士の写真は切手には採用されていないようですけれど、これもなかなかよく撮れた1枚だと思います。
 これらについては郵便学者の内藤陽介さんの著書「反米の世界史」講談社現代新書(2005)に詳しく記載されていますので、興味のある方はご参照ください。

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(下図はベトコン切手のリーフ・1971)

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