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October 15, 2014

「サウンド・オブ・ミュージック」ブックレット&CD

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 上掲の写真の主が誰だかおわかりでしょうか?。映画「サウンド・オブ・ミュージック」のモデルになった一家の主ことトラップ大佐の実際の肖像写真です。
 2006年4月27日、オーストリア郵政はトラップ大佐ほか9種の写真を題材にしたPスタンプ(日本で言うところのフレーム切手)を含むブックレット(小冊子)とオフィシャル・シンフォニック・ポスト・オーケストラ・ザルツブルグの楽曲を納めたCDのセットを販売しました(当時の輸入販売価格は3,000円でした)。
 注目すべきは英語と日本語を併記した内容となっている点です。日本での同映画の人気の高さをよく知ってるなあ〜と感心したものです。しかし、これもまた日本人の平和ボケを象徴している実例でもあります。世界的には(特に欧州では)けっこう嫌われている映画であることはほとんど知られていません。それは実際のトラップ大佐とはかなり異なる美化された内容であることが原因です。

Som002 そもそも、本当は大佐ではなくオーストリア・ハンガリー帝国海軍少佐です。軍功が顕著でオーストリアの英雄であると伝えられています。しかし、政治的には彼はドレフス=シュシュニック体制の支持者でした。シュシュニック政権による抑圧に反発したオーストリア国民の多くがドイツによる併合を望んでいて、実際に何の戦闘もなくドイツに併合されました。むしろ歓迎すらしていました。左はドイツが1938年に発行したオーストリア併合記念切手です。ドイツとオーストリア両国の青年が肩を組みナチス旗を掲げています。周囲には「1民族1国家1指導者」の文言が表示されています。
 ヒトラーに支援を受けたオーストリア・ナチ党とトラップ少佐はもともと敵対していたため、ドイツに併合されてオーストリアが消滅してしまうと、身の危険を感じた少佐はアメリカからのトラップ・ファミリー合唱団の公演依頼もあって汽車を乗り継いでオーストリアを離れました。映画に描かれた徒歩によるアルプス越えのシーンは完全なフィクションです。
 オーストリアは政治的な思惑で敗戦国にならなかっただけで、実際はヒトラー率いるナチス・ドイツの明らかな一員です。サウンド・オブ・ミュージックは、そんなオーストリアの欺瞞をすっかり毒抜きしています。ナチスに蹂躙された国々の人が同映画をしらけた眼差しで見てしまうのはそういうことです。

 なお、ついでに記しますと朝鮮や台湾も同じような状況で、日本の敗戦までは日本の一部でしたので戦勝国民でも敗戦国民でもありません。それゆえ区別のためにGHQが「Thied nations」こと「第三国人」と呼んだものであって差別用語ではありません。文句を言うなら当時のGHQに言え、です。韓国人が戦勝国だと吹聴しているのは真っ赤なウソです。

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 最後にブックレット&CDが発売された当時のオーストリア郵政の報道発表文を以下に掲げます。

[Sound of Music - Booklet and CD]
Especially for our friends from abroad: booklet and CD in English and Japanese.
This little booklet in English and Japanese language tells the story of the Austrian Trapp family and contains 9 personalised stamps showing the famous places of the musical hit "Sound of Music". The enclosed CD presents the famous hits of the musical like "Edelweiss” and "Do Re Mi" , played by the original "Official Symphonic Post Orchestra Salzburg".

(オフィシャル・シンフォニック・ポスト・オーケストラ・ザルツブルグとはまた仰々しい名前ですが、実際の音を聞きますと、えー、あのうー、そのう・・・郵政職員による同好会レベルのものでしかないと思います)

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