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January 27, 2014

チャンドラ・ボースと自由インド仮政府切手

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 1月26日にニューデリーで行われたインド共和国記念日に、日本の首相として初めて安倍総理が主賓として招かれて軍事パレードを観覧したことが伝えられています。昨今の支那に対する政治状況ゆえのこととの側面が強調され過ぎるのもふさわしくないと思います。現代史における日本とインドとのつながりについては、日本軍のシンガポール攻略戦の時からと理解してください。
 戦争の相手は英連邦軍(イギリス軍とオーストラリア軍)でしたが、これに英連邦軍の一員として植民地にされていたために多数のインド兵が加わっていました。1941年、日本は攻略戦の過程で投降したインド兵を支援し、この時にインド国民軍が建軍されました。その後、詳細ははしょりますがチャンドラ・ボースがインド国民軍の最高司令官に就任し、1943年に東京で行われた大東亜会議には自由インド仮政府首班としてオブザーバー参加も果たしています。そのとき以来の外交関係があってこその今の日印関係であり安倍総理の主賓招待という長いレンジで理解するのがふさわしいと私はそう理解しています。
 上図は1964年にインドが発行した「チャンドラ・ボース誕生67年」記念切手です。演説するボースの肖像とインド国民軍を描いています。

2014012702 日本が占領したシンガポールにボースは自由インド仮政府を樹立します。独日の潜水艦のリレーによってドイツから帰って来たボースは、この時にドイツで製造した自由インド仮政府切手を携えてきました。その一部を左図に示します。国名表示部分にAZAD HINDと表記されていることからアサドヒンド切手と呼ぶこともあります。
 1945年に日本が敗戦したことやボースの事故死が重なったため実際に郵便に使われることはなく、収集アイテムのひとつとして郵趣市場にもたらされて現在に至っています。券種にもよりますが、それほど高くないものもありますから興味のある方は切手商さんでおたずねになってみてください。実物をじっくり観察しますと、いかにも当時のドイツ切手っぽいテイストが濃厚なデザインであることが実感されることと思います。
 なお、日本占領下のシンガポールに関係していることから、これら自由インド仮政府切手は日本切手専門カタログにも採録されています。このこともほとんど知られていないと思います。ボースのお墓が日本の杉並区にあることも、です。

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