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January 24, 2014

今年のヨーロッパ切手のテーマは楽器

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 欧州郵政組織ポステュロプに加盟しているヨーロッパの国と地域が毎年共通テーマを決めて切手を発行しているのが”ヨーロッパ切手”です。ほぼ毎年最初に発行するのがグリーンランドです。デンマークの旧植民地であり、現在は高度な自治権を持ち、こうして独自の郵便切手を発行しています。
 1月20日、2種発行されたそれぞれの図案は11.50DKK(デンマーク・クローネ)が原住民のカラーリットと呼ばれるエスキモーの人々が使う伝統楽器のハンドドラム、13.00DKKがヨーロッパ大陸伝来のバイオリンとアコーディオンを楽しむ生活風景を描いています。朴訥とした味わいのあるイラストがいいでしょう?。グリーンランドは切手に対するイメージ戦略が本当に良くできていて、緻密で無謬のない考証の行き届いた図案も、カラーリットの伝統世界を思わせるプリミティブな図案もと、見るものを飽きさせないグッドデザインばかりです。2011年に植村直己誕生70年記念切手を発行してくれたのもグリーンランドで、同年に横浜みなとみらいで開催された日本国際切手展会場でも直販されていたのでご記憶の方も多いことでしょう。

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【民族】
 カラーリットの人々は民族的にはイヌイットと同じです。カナダに住む人たちと区別するため、グリーンランドのエスキモーを特にカラーリットと呼んでいるだけのことで、モトをたどれば私たち日本人と同じモンゴロイドです。ですから切手上に登場する人々のご面相も私たちとよく似ています。同時発行された切手帳の表紙(白黒写真)はそのことがよくわかります。また、マキシマムカードは特に興味深く、ハンドドラムはカラーリット、アコーディオンは北欧系のおじいさんが登場しています。グリーンランドならではの民族に対する配慮です(カラーリット9割、その他がカラーリットと北欧系の混血、デンマーク人)。

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【通貨】
 かつてデンマークがEUの前身であるECに加盟した際にグリーンランドもその一部として加盟しました。自治権を得た後の1985年にはECを離脱したので現在もEUメンバーではありません。ゆえに通貨そして切手の額面もユーロ建てではなくデンマーク・クローネのまま。もっともデンマーク本国もEUに加盟していながらユーロ圏には入っていないので今のところは支障はありません。しかし、ユーロ導入の話は何度も取り上げられているため、将来的にどうなるかはおおいに注目されるところです。

【切手発行政策】
 グリーンランドの切手が素晴らしいのには理由があります。総人口が5万6,000人くらいしかいないので島内だけでは郵便事業の経営が成り立たないのです。記念・特殊切手は基本的に輸出して外貨を稼ぐことが命題なのです。そこで某国のように必要以上に濫発するなどをせず、極めて健全な発行政策を摂っているのが偉い(笑)。郵趣サービス社さんも同国の切手はきちんと輸入してくださっていますのでぜひこの機会にお求めください。

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