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January 19, 2014

新刊案内・切手女子のかわいい収集BOOK

Kitte_jyoshi01 フリーライターでなでしこ切手倶楽部主宰者のばばちえさんの新刊書が届きました。切手のかわいらしさや美しさに気付いてはいるものの、今からコレクターになるにはちょっと敷居が高いかな?と二の足を踏んでいらっしゃる皆さん、決してそんなご心配には及びません。絶賛子育て中の貴女も、自分の間合いで生活に潤いをもたらすことができます。そんなめくるめく切手ワールドへようこそ!。
 これまでも女性による切手ガイドはありましたが、どこか雑貨コレクションの一部かのような扱いが否めませんでした。私のようなプロパー郵趣家にとってはそれらに新鮮味は感じるけれども、150年以上も続くフィラテリーの滋味がうまく表現し切れていないとも感じていました。ところが、著者のばばさんは2013年スタンプショウの第14回トピカル切手展で銀銅賞を受賞された実績をお持ちの本格派です。女性が切手に感じる好意や取り組みの面白さについて、やはり女性自身が述べてくださることに勝るものはなく、その意味でばばさんこそが適任であったのだなと実感しました。「切手女子のためのはじめての教科書です!」というキャッチフレーズはまさにその通りです。美しい編集デザインでカラー図版も多く文章も平易です。財布に優しい価格もうれしいですね。

 全体構成は以下のようになっています。
(1)きれいでかわいい切手たち
(2)切手との出合い方、買い求め方
(3)かんたん!見やすい!
 切手の取り扱いマニュアル
(4)切手の遊び方はいろいろある!
(5)海外で切手を探してみよう!
(6)切手で世界を旅しよう!
 さらに「かわいい切手って、どこで売っているの?」といった目的別索引も付いているのでどのページからも読み始めることができます。今流行りの風景印について知りたい人も、ダイレクトに当該ページを開くことができるようになっています。このあたりの細かい配慮はさすがです。
 あえて個人的なことを書かせてもらえば、郵便学者の内藤陽介さん、切手の博物館学芸員の田辺龍太くん、風景印の古沢保くん、旭スタンプの柳橋ゆきのおばちゃん、アオヤマスタンプの青山さん、フィラテリア篠原の篠原さん、切手市場管理人の高崎真一くんなど、たくさんのおともだちが登場(協力)しているのが何よりも嬉しいですね。イラストに至っては嘉藤雅子さんが担当されていらっしゃる!。フィラテリーを通して、皆の思いがこの一冊に結実しているような感動すら覚えるのです。アマゾンでも取り扱いを開始しています。ぜひ一冊お買い求めください。

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 切手デザイナーの中丸ひとみさんも登場されています。以前、本ブログでも記しましたように私は中丸さんのデザインが大好きです(ここをクリック)。私自身がデザイナーではありますが工業デザインと言う特殊なジャンルです。このブログを読んでくださっている方はどなたも一度は私のデザインした製品を目にしていらっしゃると思いますが、私の作とはどなたも気付いておられないと思います。それは、なにより無名性が尊ばれることと同時に、時代が経過しても流行遅れになりにくい普遍性が求められているからです。
 切手のデザインも公共デザインの一種なので、本来は同じように無名性と普遍性が大事なのですが、それでもなお「中丸ひとみのデザインである」ことが、わかる人にはわかるのです。それこそが個性というもので、そのレベルに達するともはや一種の名人(マイスター)芸です。彼女と同時代に生き、彼女のデザインにリアルタイムに接することができることの幸運をよく理解していただきたいと切望します。

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 お友だちの中からおひとりをピックアップしましょう。消しゴムはんこ作家の青雀堂ボリさんです(ここをクリック)。彼女とはfacebookでも仲良くさせていただいているだけでなく、はんこを押した色々な作品(ポストカードなど)を送りあう同志でもあります。いつものフィラテリーに彼女ならではの消しゴムはんこが加わるだけでオリジナルな郵趣品にして手作り作品にと昇華します。ここが大事。
 ただ漫然と切手を集めるだけでなく、自分で収集品を作り出すことができるのもまたフィラテリーの傑出した特長のひとつです。彼女の他にイラストが得意な人は自らカシェを描き、カメラが得意な人は自分で撮影した写真を組み合わせてカードを作り、旅行が好きな人は自分の足で風景印を押してみたり、それこそひとりひとりみんな違ったフィラテリーの世界を展開することができます。これこそが頭の固い切手男子にはなかなか難しい部分でして、切手女子ならではの有望なアプローチです。本書にはそんな作るためのいろいろも紹介されています。

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 戦後から高度経済成長が始まる昭和30年代までは、今とは違って色彩の乏しい日常だったと思います。印刷も塗装も素材加工の面でも未熟で、実際に多様な色彩を表現することができなかったのです。その時代においては多色刷りの切手はさぞかし光り輝く紙の宝石のように思われたことでしょう。
 現在では世の中に色彩も喧噪も溢れ返っていて切手の輝きは世間に埋没しているかのようです。しかし、切手の世界でもテクノロジーの進歩は起きています。要は切手の美しさに気付かないだけなのです。日常生活の中にも確実に美はあり、それを発見し感動する心を忘れないようにすべきなのです。切手はそのもっとも代表的な文明の成果のひとつであると断言します。
 切手女子のみなさんのまなざしが、日常生活にも、フィラテリーの世界にも、ともにより良い豊かさをもたらしてくださることを願ってやみません。

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