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October 28, 2012

詩人ルイ・アラゴン切手と著作権問題

Aragon1

 切手のフリーマーケットin広島に行ってきました。例によってお行儀の悪いパインスタンプの店主にこれでもかと悪口を言われてきました。毎度のように「何の役にも立たないムダ知識ばっかりでロクに切手を買ってくれない」と面と向かって言う悪態ぶりです。しかし、私も他の店では数千円単位の買い物はしているわけで、自分の店の品揃えについては考えが及ばないらしい。いつも笑ってやり過ごしているのですが、あまりにしつこいので、たまたまアオヤマスタンプさんで購入したフランス切手がちょうどいい例だったので説教してきました(笑)

 ただいま開催中の第16回ファンタスティック・オークションにマチスの有名な「青」を丸パクリしたデザインの小型印を出品しています(本章文末に画像を再録)。パイン店主の言うにはこれが意味がない、わからない=価値がないということらしい。しかし、郵趣における著作権や肖像権などの権利問題は無視できないものがあります。今の日本切手もディズニーやサンリオさん、アニメ製作者(社)などと権利問題を解決したうえで発行されているわけで、その不測の一例を過去にも記事化しています。

◆参照記事:前代未聞の文字だけカシェ
 http://topofswan.tea-nifty.com/hyper_philatelist_annex/2012/03/post-329c.html

Aragon2 マチスに関しても非常にシリアスな事件が起きています。冒頭のフランス切手は1991年に発行された「詩人」6種の一人、ルイ・アラゴンです。原画はまさにそのマチスで印面にも彼のサインが記されています。左がその原画で、一見何の問題もないように見えますが、しっかり裁判沙汰になりました。それは、マチスの作品の一部だけをトリミング、しかも変更を加えて図案にしたためでした。「改変」こそが最も不適切な問題点であって、それを知らなかったでは済まされません。結局、1996年5月7日、フランス郵政はマチスの相続人に12万フラン(約264万円)の損害賠償を支払えとの判決が下されました。
 では「青」を丸パクリしたデザインの小型印はどうでしょうか。あらかじめ許可を得たものであれば問題はありませんが、招待券にも許諾関係の表記は一切なく裏付けが取れません。権利意識がまだ低かった昭和45年(1970年)のことですので無許可でやったものと理解した方が自然です。単なる美術切手ではなく著作権関係の郵趣材料としても解釈できるし、むしろその方が重要だとは思われませんか?(そう思う、思わないはセンスの問題ではあるけれど)

 郵趣とは解釈に意味があるのです。既に評価が定まっていて、カタログ評価をただ品物に値付けしていれば商売になった時代は既に終わったことは切手商さん自身がいちばんよく知っているはずです。
 忙しい、面倒臭いならばその部分の開拓は私たち郵趣家がやりましょう。その成果を商売に利用するのも歓迎しましょう。ただし、ちったあ口の利き方に気をつけてほしいもんであることよなあ(笑)

2012102801

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