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September 15, 2012

新刊案内・訴訟書類の郵便史

20120915001

 表題の池田健三郎さんと岡本哲さんの共著が発行されました。本書は「訴訟書類の郵便史」(岡本哲)、「書留訴訟書類・審判審査書類および特別送達書類」(成田弘)、「特別送達郵便<訴訟書類>の変遷」(常田勇次)の3氏の合計224ページにもおよぶ膨大なコレクションを池田さんが解説を加えておられる。あわせて日本法制史の視点からみた訴訟書類送達制度に関する論考を岡本さんが論述されました。特に岡本コレクションに関しては「日本郵便史における訴訟書類の公的強制送達 1873-1947」(邦訳)のタイトルで国際切手展PHILANIPPON2011において高位の入賞(銀賞)を果たされました。
 この概説を読まれただけでも郵趣はただの切手集め、子供の遊びではないことがおわかりでしょう。わかりやすくおおざっぱに書きますと、あなたが裁判の当事者、とくに被告となった時に裁判所からどのような郵便が届くのか、それを明治以降の歴史史料としてまとめられたものです。
 実際に採録されているものとしては、かの東京裁判の際に戦犯家族にあてた訴訟書類郵便の扱いをご紹介しましょう。日本の司法機関(裁判所)が差し立てられたものではありませんから訴訟書類ではなく通常の書留書状として送られました。日本において、訴訟書類制度の例外はこの東京裁判の例のみが確認されています。
 といった具合に、その時代ごとに法律と郵便との関わりをつぶさに実物(郵便物)で実証していったコレクションです。それゆえ憲法の司法制度史、国法学の日本の植民地の歴史、裁判法の裁判所の制度史、裁判所の被災の歴史、行政法の行政裁判所の歴史、民放・民事訴訟法・刑事訴訟法の送達の歴史、経済学の通信史にも関連しています。
 法曹関係者の方々にはとりわけお薦めしたい著作です。

ISBN978-4-86355-033-9
C2065 ¥4286E
発行/株式会社鳴美
定価4,500円(本体4,286円+税)
URL http://www.narumi-stamp.jp

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