チャールズ皇太子の水彩画
ニュースで話題になっていたエリザベス2世女王の在位60年(ダイヤモンド・ジュビリー)記念コンサートでのチャールズ皇太子の名演説シーンです。冒頭、Your Majesty(女王陛下)と言った直後にMummy(お母さん)とも呼びかけて大喝采。皇太子のお人柄が現れた名セリフです。それを見ていて、ふと下のチャールズ皇太子の立太子25年記念切手を思い出しました。イギリスが1994年に発行した皇太子自身が描いた水彩画5種のセットです。
皇太子が余暇に水彩画を描くことは知られていましたが、それまで作品が公開されたことは一度もありませんでした。この切手が発行された1994年3月1日、皇太子の慈善団体の資金作りのために初めて皇太子の水彩画展が開催されました。5種のうち、35ペンス切手の出来がいちばん優れていると思いましたのでこれを特に拡大しました。イングランドのダージンガムの風景を描いたもので、画面に占める空の割合とその空気感覚がたいへんすばらしい。風景は地上にある「物体」より空の表現にこそキモがあるのですね。ここまで描き込む力があるお人であれば、深い哲学性を備えておられることは間違いない。何かと評判の芳しくない英国チャールズ皇太子ですが、この切手を見てからマスコミが伝える印象を鵜呑みにすることはやっぱりよろしくないなと実感したのでした。
(2004年に一度記事化したものを再編集しました)
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