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March 22, 2012

東芝事件?

2012032204

 切手を販売促進用のオマケとしたもの、いわゆるノベルティー製品を集めてみると意外に種類が多いことに気付かされます。特に1960年代のグリコやミタス(旭味)の切手オマケは有名ですが、切手商さんに頼んでおくと実に思いもしない業界からのアイテムが集ってきました。ランダムに列記してみますと熊本中央信用金庫、東京駅名店街、サッポロビール、すがきや、ロッテ、バルサン(ライオン株式会社)、日本ペットフード株式会社、ヤクルトなどがあり、今後も発掘・再発見が続く勢いです。
 ここに示したカバーもその一環です。1978年3月24日にソ連が発行したモスクワオリンピック大会記念20+10R寄附金付き切手が貼られた横長のカバーで、「オリンピック豆知識」と題する中紙がセットになっています。このカバーが透明のビニール袋に入れられ、それに東芝のステッカーが貼られています。

2012032205 中央に「★大迫力展★記念プレゼント」「モスクワオリンピックをホームスクリーン45で見よう」と明記してありますから文句なくノベルティー品だとわかります。JOC承認番号は「JOC-ML-75-79-1」です。ステッカーには「封筒の写真はクレムリン宮殿」とカシェの説明まで入っている親切さ!。
 なお、ここに記してあります「ホームスクリーン45」なる商品は現時点では不明でした。学校の視聴覚室にある投影機用の天井吊り下げ方式のロールスクリーンみたいなものでしょうか。今ならさしずめ壁掛けワイドスクリーンの薄型TVをどうぞ!みたいなものでしょうね。
 ところが大会前年の1979年12月にソ連のアフガニスタン侵攻が発生し、1980年6月11日、JOCはモスクワオリンピック不参加(ボイコット)を正式に決定しました。JOC承認番号から1979年のものとわかりますので、このノベルティー品はわずか1年未満それも東芝の展示会に行った人のみ入手できたものであろうとの推定が成り立ちます。切手オマケの中でも悲運と言いましょうか、歴史的・数量的にもレアな部類に属するのではないかと想像しています。

 話はこれだけではありません。

 下に切手と消印部分の拡大図を示します。見慣れた方ならすぐにおわかりでしょう、こんな消印はありませんよね。印影の感じもそうですし裏面に押印痕がないのでゴム印なのは明りょう。本物は活字も小ぶりなナンバリング式金属印で、そもそも日付欄部分が「18025」で使用年月日にすらなってません。おそらくノベルティーを作った会社(切手商?)がテキトーにゴム印を偽造したものと思われます。
 これが世にも郵趣界に名だたる「東芝事件」である、と誰も気付いていないっぽいので、たった今、私がそう名付けることにしたのでありました。

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