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November 19, 2011

シドニーオリンピックとブーメラン

11111903

 スポーツ切手コレクターさんなら見覚えがある初日カバーかもしれません。世界中に出回ったいわゆる頒布会カバーの一種で、ここ日本でもバラされて某切手商の在庫棚に箱詰めされていたくらいです。元をたどれば、一度は収集家の元にあったものが死去などの原因で売りに出されたかどうかしたものでしょう。
 2000年のシドニーオリンピックを記念してモナコが発行した3種の記念切手のFDCです。イタリアの切手商兼カタログ出版社のボラフィ(BOLAFFI)がIOC国際オリンピック委員会の承認を得て作成した、いわゆるオフィシャル物です。カシェのうちブーメラン模様が共通で、その下に各国および地域ごとのシンボルを描き分けています。本券の場合はモナコオリンピック委員会の紋章です。あまり芸達者とは言えないデザインです。

11111904 そんなしがない頒布会崩れのFDCをなぜ買ったのか。それには様々な意味があります。
 まず、最も重要なのは3種のうち右側の2種にホログラム加工がなされている点です。左図の青矢印部分、五輪マークと「SYDNEY」の部分がそれです。発行時、郵趣誌の世界新切手ニューズに記載もれがあり、ホログラム加工とは記されていなかったために私自身も見逃していました。実物を目にした時も銀箔押しかと思ったものですがそれも早計な誤りでした。おそらくこれがモナコで最初の、そして今のところ唯一のホログラム切手だと思います。
 次に下部マージン部にITVF2000のインプリントが見えます。ITVFとはフランスの政府印刷所の略称です。モナコ切手の多くがフランス製であることがここでもわかるのですが、実はフランス本国でもホログラム切手は現時点ではたった2種しかありません。日本同様、新技術に関しては品質の確証が得られるまで非常に慎重です。しかも凹版切手へのホログラム加工は、凹版切手自体が少ないこともあって全世界でも10点ないと思います。
 さらに、モナコでは1999・2000年の2年間、通貨統合の準備期間としてフランとユーロの二重通貨表記がなされていました。外交条約によりフランスフランを流通させ、独自通貨政策は採っていなかったことがわかる最後の年でもありました。
 てなことどもを数秒間のうちに思い巡らせて買うことにしました。これで200円ならいいでしょ。セット崩れの頒布会カバーは売り手も困っているので、正直、買い手有利です。なんぼでも叩けます。でも、いいんです。いざとなれば切手を水剥がししちゃえば。
 しかし、私はこのまま保存するつもりです。それはカシェが魅力的だからです。シドニーオリンピックのロゴマーク、その人物も3種のブーメランを組み合わせて表現されています。オーストラリアン・アボリジニーの精神的シンボルでもあるブーメラン、オリンピック競技にはなっていないものの、これをグラフィカルに描いたカシェは侮り難いものがあります。もちろん、先に述べたように必ずしも芸達者とは思えませんがね。

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