最初のふみの日イベント
日本国際切手展2011で入手したタトウ(2つ折の押印台紙)です。昭和54年から始まったふみの日キャンペーン、その最初のイベント「手紙フェスティバル」のものです。今から32年も昔、この年に高校を卒業して上京しましたが、残念ながらこの催事が行われた松屋銀座には出かけていません。
「郵便を出そう(5)」で触れましたように、今年は東日本大震災の影響でふみの日切手の発行が史上初めて中止されました。しかし、キャンペーンが始まった最初の年にはかくも大々的にイベントをやっていたのですね。それは、ふみの日の23日をはさむ前後6日間にわたるテーマ別の風景印集中押印です。具体的に記しますと
・20日(金)=海特集
・21日(土)=島特集
・22日(日)=山と渓谷特集
・23日(月)=ふみの日
・24日(火)=歴史とロマン特集
・25日(水)=城下町特集
というラインナップ。私が入手できたのは島特集と山と渓谷特集の2点。下にその前者を掲げます。奥尻、天売(北海道)、相川(新潟)、大島、式根島(東京)、西郷(島根)、郷ノ浦(長崎)、種子島、与論(鹿児島)、西表島(沖縄)と、ものの見事に10局全部が離島です。山と渓谷特集でも立山山頂と富士山頂のふたつの季節局を含んでいるサービスぶり。集中押印でなければ絶対にありえないセット内容ですし、全国に及ぶ規模であるなど他では記憶にありません。
今ではとても無理な企画だねえ〜とワイワイ話していると知人の一人がなにげに「そうだねえ、この時は大変だったねえ」と仰る。まだ現職であられるので仮にAさんとしておきますが、このAさんこそがこの時の担当兼押印係だったとのこと!。そりゃ驚くわいな。
各郵政局に新印を作って送らせたこと、押印する職員ひとりひとりに各局ごとの辞令を用意したので辞令が束になったことなど、今だから言える面白証言の数々。Aさんとは氏が郵政省に入る前から、つまりお互いが学生時代からの知り合いで、灯台下暗しというか、友だちなのにもっと暗かった的な衝撃でした。我ながら長いキャリアがこうした形で生きるというのはちょっとどころかかなり自慢したいです(笑)。
いずれにしても風景印を集めている人にとっては稀有な集中押印事例ですから、どれか最低ひとつは入手しておきたいアイテムです。Aさんによるとかなりの数を押したらしいので、ベテランコレクターの処分品などを丁寧にチェックしていれば、あるいはご縁があるかもしれません。
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