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August 13, 2011

初日カバー、その新たなムーブメント

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 ネットオークションでは初日カバーが盛んに取引されているようですが、一体どなたが買われているのでしょう。身近な郵趣家の間では、残念ながら現在進行形で収集している人が皆無に近いです。収集しても持て余す筆頭が広告付きはがきことエコーはがきで、初日カバーはそれに次ぐ不人気というのが郵趣家の立場での実感です。切手に比べて大きいので保管場所が余計にいるし湿気対策も深刻。自作物は切手を舌で舐めて封筒に貼っていることが多いのでシミが出る危険性も高い、とまあさんざんな言われようです。本格郵趣家でない方々であっても、初日カバーの美しさに魅かれて購入されているとしたらけっこうなことではあるものの、保存のノウハウを学ぶ機会をぜひ持って頂きたいと思います。例えば公益財団法人日本郵趣協会が開催している初級者オリエンテーションの活用などです。

 かく言う自分もまた、あらゆる催事で初日カバーをマークしています。日本国際切手展2011でも図のような連刷貼り(額面だけでも310円、400円する)が一通100円均一で投げ売りされていたので喜んで購入してきました。そんな大多数が顧みないものにこそ光を見出すのがHYPER Philatelistの流儀なので。
 右側に切手の原図となった厩図屏風と観楓図を並べてみました。その意図するところは何であるかおわかりでしょうか。答はいずれも右または左端の一面が割愛されていることです。いわゆる六曲一双の屏風ですからよく考えれば切手のような横5連などという奇数はありえません。かのJPS調布支部副支部長の故岡田敬造さんは、とりわけ厩図屏風に関して「けしからん!」と一家言をお持ちでありました。右端の一面は省略せざるを得ないほどの不出来ではなく、また省略したことで切手としてより良くなったわけでもない。切手に採用するにあたっては原図をトリミングするなどの修正は当たり前ではあるが、だからと言って何でもやっていいわけではない。この場合は単に印刷機の都合上で横5連にした安易さがよろしくない、芸術品に対する冒涜である、との論は説得力があると感じました。もしマキシマムカードであったなら、その違和感はより明りょうになりますしね。
 それ以後、連刷切手が出るたびに元図と見比べて確認するようにしています。その結果、平安遷都1200年祭の観楓図でも同様の省略が行われていることに気付きましたが、発行当時、地元である京都の郵趣界でもこれに関する異見が呈されたという記憶はありません。我々郵趣家は身近過ぎてきちんと切手を観察する感覚が鈍くなっているかもしれません。

 幸か不幸か初日カバーはたいへん安い時代になったので、おのおのが独自の視点で新たな収集指針を掲げて取り組むのも良いのではないかと思います。ベテラン郵趣家の皆さんには懐かしいあの守礼門の初日カバーを下にご覧にいれます。特印の他に青いゴム印も押されていますね。これは沖縄切手独特のもので、一般にカシェスタンプと呼ばれている印影です。そこまで揃っていながらお値段はたったの100円でした。これでは守礼門切手の投機反対運動の際に作られた模造シールの方が高いことになってしまいます。

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 安い今だからこそ子供の時にできなかった大人買いが可能になりました。どうでしょう、そんな風にポジティブ思考で取り組んでみませんか?。来る10月22日(土)に開催されるJPS調布支部ほか四支部合同例会でも、全世界を対象にした「面白FDC」と題したワークショップ(講演)を予定しています。


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