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June 2011

June 25, 2011

ハートの風景印

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 札幌の湯浅英樹さんから今朝の郵便配達で届きました。東日本大震災寄附金付きはがきの料額印面にハートがアレンジされていることにちなんでのハートの風景印です。新興ニュータウンの地名をそのまま敷衍した局名は「札幌あいの里」郵便局。こじんまりしたデザインではありますがれっきとしたハートですね。さすが、こういうのは地元の方でないと気がつきません。いつもありがとうございます。
 ちょい前にハート形の戦前風景印をアップしたばかりです。切手図案中に繰り返し使われるアイコンとしてのハート形。これもどなたか専門的に集めていただけませんでしょうかね。宗教や政治体制にかかわりなくほぼワールド・ワイドに反復使用されるアイコン研究の一環としても意義深いのですが(ちなみに自分は従前から虹を集めています)。

 なお、東日本大震災寄附金付き切手とはがきの図案がどうも無難すぎてかえって気になりませんか?。緊急時に短期間で新図案切手を発行できるように、あらかじめ控えの図案をいくつか準備しておくことは以前にも行われていました。それはある意味当然のことで、外国のほとんどの郵政事業体も同様にしているものと思われます。
 いかにも何にでも使えそうなデザインだし、これもひょっとしたらそうなんじゃないの?とtwitterでもつぶやいたりしていました。もちろん、それがいけないという意味ではありません。結果は震災後に描き起こされたオリジナルデザインです、ということでした。

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June 23, 2011

沖縄終戦

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 今から66年前の1945年(昭和20年)6月23日,日本軍沖縄守備隊の組織的戦闘が停止(壊滅)し、沖縄が実質的に終戦となりました。これより8月15日まで、またアメリカでは日本政府が降伏文書に署名した9月2日を終戦とみなすことが主流のようですが,いずれにせよそれまでの約2ヶ月間はアメリカ軍による沖縄武力制圧時期となります。
 その間の歴史を語る郵便については日本のものはほぼ皆無。一方,アメリカの軍事郵便物は大量に残されています。自虐史観的なことは書きたくないのですが,何せモノがないというのは致命的です。私が所持しているものもアメリカ軍のそれにならざるをえません。
 左上の差出人の住所にAPO 245とあります。Army Post Office No.245の略で第245軍事郵便局という意味です。これに関しては郵趣上の研究が解明されていまして、沖縄上陸作戦が始まった1945年5月から1946年2月20日までの約9ヶ月間にわたって伊江島に置かれていました。消印は8月7日なので、前述の通り武力制圧時期の実逓カバー(検閲便)です。
 差し出したのは第301戦闘機隊のキャプテン(大尉?)J.M.Satterfieldさん。PASSED BY EXAMINERと表記された紫色の検閲印の下にも同キャプテンのサインがあります。つまり、ご本人が郵便検閲の担当官でもあったことを意味します。検閲官自身も郵便を出すことはありますから、たまに同様例を目にします。一方の日本軍の場合は部下(副官)に検閲してもらう(?)ことで、このような重複を避けたようであります。
 J.M.Satterfieldさん、フォートリーベンワースのMILITARY REVIEW(軍事研究)誌に一体何を書き送ったのでしょうか。残念ながら内容物は残されてはいませんでした。

【若干の余部があります】
 8月15日以降の、いわゆる日本降伏後の沖縄関係のアメリカ軍実逓カバーの余部が若干あります。沖縄本島に置かれた軍事郵便局のもので、5000円程度でよろしければお譲りできます。画像もお送りできます。興味のある方はメールをください。

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June 21, 2011

追悼・岡田敬造さん

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 扇子をあおぎながらニコニコ笑っているおじさんでした。
 こざっぱりとした身だしなみはあたかも噺家の師匠のようで、事実,たいへん上品な見事な江戸弁をお使いでした。その岡田敬造さんと初めてお目にかかったのは今から20年以上も前,1990年代初めの頃だったと思います。

 お店をご子弟に譲られて薬剤師をリタイア。改めて昔嗜んだ切手収集を再開しようとJPS調布支部(東京)にやってこられました。その時の印象は冒頭の通りで,それは私の中では今も変わることがありません。長い中断があったとは思えないほどの闊達ぶりで、あっという間に支部例会の雰囲気にも馴染み,いつのまにかシルバーサロンの役員にもなられていました。嫌味のない外交的なご性格と抜群の頭脳が奏功したのは明らか。後にJPS航空切手部会の設立メンバーのおひとりにも名前を連ねていらっしゃいました。
 調布支部の中では新参者だからと控えめに構えておられたのですが、発言や行動のふしぶしに冴えがある。よく笑われる方でしたが、その一方でものごとをよく観察しておられた。何より目が笑っていない。このおっちゃんはただ者ではないなと感じ,数年後、当時の支部役員全員に根回しして事前に了解を取り付けたうえで、支部長の私が直接、副支部長になっていただけるように口説き落としました。ご本人こそ一番驚いていましたが、この人事は我ながらうまくいったと思います。
 岡田さんもまた皆の期待によく応えて副長(新撰組ゆかりの地であることにちなんでそう呼んでいました)たる素晴らしい働きをしてくださいました。自分が東京を離れた後に調布支部がホスト役を勤めた「関東支部交流会」(当時の呼称)を盛況のうちに開催することができたのも、岡田さんの知恵と指導に依るところが少なくありませんでした。最も有能な副長であったと思います。

 今までどこにも書いていない逸話を記します。前記のJPS航空切手部会が発足したのは(何年だったか資料が手許にないのではっきりしませんが)とある年のJAPEXの特別例会でした。特別例会がすなわち発足例会で、岡田さんはその何ヶ月も前から、当時,新宿駅南口にあった郵趣会館に通って発足準備会を重ねておられました。そのことを調布支部でもたびたびお話され、また、発足に向けての案内やらお知らせ状が私のところにも送られてきていました。私が航空郵趣に特に興味があるわけではないことは百も承知のうえで支部長の私宛へアプローチがくるわけです。これはもう、あれですよ、お互い大人なんですから阿吽の呼吸で意味はわかります。
 発足例会の会場にお祝いに行きました。切手展の実行委員をやっていたため役務を放り出すわけにはいきませんから、簡単に挨拶を述べ,いくばくかのお祝い金を置いて早々に持ち場に戻りました。
 その日の催事が終わっていつもの居酒屋に行くと航空部会長氏と岡田さんがいらっしゃる。岡田さんはともかく部会長さんまでお出ましとは一体なにごとかと身構えてしまいました。二人揃ってニコニコしてるものですからそりゃあ怖い。いつの時代もお歴々の笑顔は意味深です。
 岡田さんがようやく説明してくださいました。部会発足のお知らせは東京・関東地域の全支部に送ったのだと。新しい部会ができるのだから地域のグループ、サークルもお祝いしてくれてしかるべきである。ところが発足例会に来てくれたのは調布支部の他には杉並支部だけ。しかも金一封まで持参してくれたのはうちだけだった。それだけに「おかげで調布支部員として面目が立った。肩で風を切って堂々と歩いてきたよ、ありがとう!」と超弩級の喜びよう。
 いや、あれだけ案内攻勢をかけられれば「金もってこい」という意味以外考えられないじゃないですか。もちろん、公金である支部予算からは支出できないので支部長たる自分のポケットマネーですと白状しました。今だから言いますが、これ、絶対に岡田さんの計略だったと思います。やられた!。

 じきに岡田さんは非常に長い収集歴をお持ちであることもわかってきました。上図は平成8年10月24日に開催された学生郵便切手会創立50周年記念パーティーの記念カバーです(谷信勝氏旧蔵品)。八田知雄、安達慧、絵鳩昌之などの大先輩の方々の中に岡田さんの直筆サインもあります。
 また、1995年暮、私は東京を離れて親戚筋の縁のある鹿児島に移りました。その時の餞別にいただいたのが下図です(部分抜粋)。民間貿易再開4円切手貼り初日カバーで、消印は東京中央郵便局の分室としてホテル東京内に開設されたTOKYO C.P.O.2局。日付は15.8.47 JAPAN(金属印)。切手発行と同一日の分室開設は、一説によるとGHQの便宜を計る目的であったとも言われています。当時、学生だった岡田さんがみずから出向いて記念押印されたものです。ここにも岡田さんの長いキャリアが伺えます。これを頂いて数年後、JPS鹿児島支部再結成式の時には故石川昭二郎さんなどと連れ立って遠路はるばる飛んできてくださいました。相変わらずの笑顔と扇子をたずさえて。

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 岡田さんはまた非常に真面目で頑固でもありました。調布支部の若いメンバーたちが、それこそ若気の至りで岡田さんを激怒させてしまい,「今回ばかりはお許しを」と鹿児島からお詫びの電話をかけたこともあります。岡田さんのためにずいぶんと損な役回りも強いられてきました。おかげでそんなしんどい経験を仕事に、そして郵趣活動にも役立てることができました。80年のご生涯のうち,晩年の20有余年間だけのおつきあいでしたがたいへんお世話になりました。

 さようなら、火の玉ボーイ!

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June 18, 2011

おもしろ&変り種切手のセール

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 来る2011年7月24日(日)開催の、筑後地方切手のつどい'11に今年も参加します(詳細はここ)。そこでは10年ぶり位にはなるでしょう、テーブルバザールにも出店します(参加申込中)。
 40代は仕事が忙しくて収集品の整理と郵趣データベースの構築が精一杯で、余剰品を整理・処分する余裕がありませんでした。今年ファンタスティック・スタンプクラブ(FSC)も立ち上げて環境も整いましたので、おもしろ&変り種切手を実際にセールすることにも本腰を入れることにしました。忙しい時はFSC例会予定月であっても、この5月のように開催できないこともありえますし、それを補完する意味でもあります。もちろん、本業のディーラーさんのお邪魔をしない程度に(笑)。こんな郵趣ブログをやっている位なので、セール品は硬軟取り混ぜての外国切手主体+ひねりモノになります。
 硬い方では上図が好例です。切手発行150年を記念して1989年にイギリスが発行した永久保証・郵便等級表示切手の切手帳完セットです。1stがペニー・ブラックの黒、2ndがペンス・ブルーの青で印刷されていまして、それぞれ4面ペーンと10面ペーンの切手帳がありますので計4種になります。同国初の永久保証切手でもあります。発行当時とほぼ同じ頒価3,000円で考えています。
 軟らかい方では下図の知る人ぞ知るおもしろ切手のひとつ、1985年にボツワナが発行した伝統料理の公式FDCです。右端の50t切手こそ"イモムシを食べる人、しかも生で"です。日本でも一部の地方で昆虫食が伝えられている通り,貴重なタンパク源であることは明らかですけれど,食文化をここまではっきり示したデザインも珍しいです。ただの気持ち悪い系には納まらない変り種切手です。それも発行当時でさえ公式FDCまでは輸入されていなかったと思います。縁あって複数通まとめて入手しましたので頒価500円で考えています。
 その他,南満州鉄道株式会社製の路線図入り絵封筒、刺繍切手,銀板切手、日本のおもしろ消印など、いろいろガチャガチャ混ぜた品揃えをします。その方が掘り出しっぽくて楽しいでしょ(笑)。

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 なお、既にFSC会員申請をいただいた方には優先的に配慮します。往復送料は負担していただきますが、レターパック350もしくは500利用で、セール品を先にアプルーバル式でお送りします。ある程度の量の値付けが済む今月末頃には発送体制が整う予定です。ご希望のFSC会員さんは、おおよその希望ジャンルを記してメール連絡くだされば逐次発送します。

【重要な告知】
 古くからの収友が2人も被害にあったので念のために記しておきます。その2人はともに公務員郵趣家さんで,あくまでも趣味・常識の範囲内で切手の重品を売ったり研究書を発行したりしていました。にもかかわらず「公務員が副業をしていいのか」と無記名投書した大ばか野郎がいました。誰かはわかっていますし、大阪に行くことがあったらいつかぶちのめしてやろうと本気で考えているのですが,そのおばか愉快犯のために彼らは文献すら発行できないという郵趣研究上も極めて重篤な足止めを強いられています。そう、今もです。
 幸いなことに自分は公務員ではありませんし,もともと専業ディーラーになる意志も持ってはいませんが,やはり社会通念上副業もしくはそれと混同される行為は慎むべきです。しかし、切手収集には知識・情報と物品の両方の流通が必要不可欠ですから後者のみを手控えるのはむしろ不自然で不健全だと痛感しています。それが自分も今年で満50歳になり,勤務先との交渉の結果,ワーキングスタイルの変更を正式に認めてもらうことに成功しました。余暇に副業をしても良いとのお墨付きを得ることができたのです。ですから、大阪のおばかチクリ屋さんが何をしようとも私にはまったく問題ありません。おばかさんのためにもあえて公表しておきます。
 真面目な話,工業デザイナーそして実製作を行う熟練工としてもあと10〜15年先には否が応でもリタイアしなければなりません。その時になって慌てても間に合いません。終生の生活の質を高い次元で維持するには、意識を高く持って自ら仕事中心のライフスタイルから変えていかなくてはと考えます。郵趣に関しても自分のための収集から普及活動へシフトしよう、そのためのFSCであり、セール活動の本格化であると、すべてはひとつのコンセプトでつながっています。
 セール活動を強化し、その資金でFSC会員さんには金銭的負担が一切ないように、つまり誰でもタダで参加できるようにし、それでもなお足りない時は一部の有志による寄付をお願いしようと思っています(実はそのための銀行口座も既に開設しています)。いずれ委細を公表する時期が来ると思います。ぜひFSCの活動にご支援をお願いいたします。

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June 12, 2011

有史以前の野生動物

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 ジブラルタルが2007年に発行した5種セットです(別途、小型シートも同時発行)。考古学の発掘調査をもとに有史以前の野生相を描いたもので、Christian Hook氏によるダイナミックなイラストレーションが素晴らしいですね。切手のサイズも日本のビードロ、写楽よりも大きいので迫力があります。
 しかし、見方によっては表現がグロ過ぎると感じられる方も多いことでしょう。欧米人はその宗教的刷り込みから、人類の文明が興る以前の世界を必要以上に野蛮視している節があり、このイラストにもその片鱗が観察されます。8ペンスの「クマとイルカ」、78ペンスの「オオカミとハゲワシ」はえげつないですなあ。肉食の野生動物は補食に際して栄養価の高い内蔵から先に食べるものです。切手のようにイルカの頭から食らいつくクマの絵はおかしい。この辺は絵になる構図の必要性から意図的に工夫されたものだと思います。とは言え,そのような判断が見る者のイメージを操作しかねないことに気付いておくべきだと思います。
 郵趣のブログなのでポリティカルなことは省きますが,異文化に対する寛容性の乏しさにおいては救いようのないほどの劣等さを誇る欧米自然保護原理主義者なんぞに、日本のクジラ・イルカ漁の文化についてしのごの言われる筋合いはありません。彼らの頭の中には、このイルカを丸かじりするクマやウマの脇腹に頭を突っ込んでいるハゲワシのイメージが投影されていることでしょう。次にまた怪しげな反対行動をするようなおばかさんが現れた時には、ぜひこの8ペンス図案をカシェにした記念カバーを作って皮肉ってください。カシェ印刷用に大きな鮮明画像も下に掲げておきます。
 なお、このセットはジブラルタル郵政のネットショップで購入することができます。野生動物,オオカミ,鳥、シカ,ヒツジなどを収集されている方もどうぞ。

◆ジブラルタル郵政:有史以前の野生動物

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June 09, 2011

横須賀局のふたつの風景印

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 有名な誤刻印です

 花シリーズのやまゆりの発行にあたり,横須賀郵便局では従来から使っていた風景印だけでは印顆そのものの数が足りないということで、初日押印用に同一図案のものを新調しました。ところが、ペリーの久里浜上陸記念日のスペリング「JULY」を「JURY」と間違えてしまいました。ケアレスミスの部類です。しかし、信じられないことに誤記のまま初日押印業務に使われました。その結果,企業製FDCはことごとく誤記風景印が押されているようです。正しい表示の旧印押しFDCを見たことがありません。そうはいっても、局の窓口には以前から使っていた印顆があったはずで,個人で作成されたものの中に旧印押しはないだろうかと長年気に留めていました。
 そしてついに図版のような見事な両印押しFDCを発見しました(図版は部分抜粋)。誤記の事実すら忘れられているかのように、シミまみれで雑多な郵趣品の中に埋まっていました。作成者は何度もご紹介しています谷信勝さん。よくぞ押印してくださいました!と思わず喝采を叫びました。ご生前の谷さんとはついに一度も交流はありませんでしたが、その郵趣思想は自分にはよくわかります。氏の遺品コレクションの一部を引き受けることになったのは天啓のような気すらしています。
 天の巡り合わせであれば私が何とかしなくてはなりません。長年研究してきたシミ抜きの技術を駆使して図版のレベルにまで復元しました。風景印の印色でありますトビ色を損なわないように行うのは難易度が高い作業になります。様子を見ながら何回かに分けて処理し,これ以上はやり過ぎ・危険になる直前で止めました。それゆえ、若干のシミが残っていますが,10年くらい様子を見て劣化が進むようなら改めてその時に対応を判断したいと思います。
 なお、こういったシミ抜きも使い方を踏み誤れば立派な偽造・変造になりますので、その方法は一切公表しません。ご理解いただけることと思います。
 

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June 08, 2011

大相撲大阪場所中止カバー

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 マサスタンプの山本誠之さんから届きました。「ようやく完成しました。大変お待たせしました」とのメモ紙が同封されていましたけれど、記念カバーは急ぐ性質のものではないのでよろしいんじゃないでしょうか。私のところに届くということは、すでに各地のセール、バザールにも持参されている、販売開始しましたよ、という意味でしょう。ご希望の方は右のリンク欄の「空飛ぶ切手屋さんの活動日記」あるいは「IDENTITY趣味の切手オークションのページ」から直接山本さんにコンタクトをお取りください。
 念のため概略を記しておきましょう。八百長問題により戦後では昭和21年夏場所以来65年ぶりの本場所中止。会場の大阪府立体育館に最も近い浪速局の消印。八百長をしていたのは千代白鵬(27)、春日錦/現・竹縄親方(35)、恵那司(31)など。理事長は山口県出身の放駒親方/元・大関魁傑。

■関連記事:大相撲平成23年3月大阪場所中止祈念カバー

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June 05, 2011

私製加刷

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 スタンプショウ周南'11にてまたしてもパインスタンプさんから購入したキワ物です。昭和46年に発行された昭和天皇皇后訪欧記念小型シートに「東海煙趣会7周年記念」「昭和49年12月」の銘と年月を私製加刷したものです。当時の記念煙草コレクターの会のようですが現存していないようで、今となっては詳細は不明です。それが流れ流れて郵趣家の通信に使われたのが25年後の平成11年(岐阜中央11.10.7)。プリントゴッコもまだ世に出てない時代なので真っ当に本格製版をして加刷しています。この手の悪意の感じられない私製加刷は、日本切手だけでも時折目にします。公式なものではないので一般的にはノーカウント。平たく言うと無視されています。ゴミ扱いですね。
 ここで言う「公式」とは、お役所が発行したものとは限りません。郵趣の場合,非常に厳しい線引きがありまして、当時の郵政当局が直接手掛けたもののみです。同じ官公庁でも郵政省でなければ一律に私製加刷の扱いになります。その代表例が下図です。

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 1949年発行のUPU75年小型シートに「日本南極觀測隊上陸記念」「1956〜57」の文字を私製加刷し、さらに縦52H×横92Wに小さく化粧裁ちしてあります。当時の日本学術振興会が作成したもので南極関連アイテムでは有名なカバーですけれども、しかし、これもまた私製加刷に属します。ですので切手カタログにも採録はありません。
 日本郵便自体が民営化してしまったので、以前ほどは官民の区別が重要な意味を持たなくなったとは思います。しかし、悪意がなくとも一種の変造品でもあるので、分類は厳しくしておいた方がむしろわかりやすいのですね。このカバーも、無理に集める必要のないものでいいと思います。それでも極地郵趣の方,ペンギン関係の方など、お好きな方は自己判断・責任でお願いします。
 今後,加刷に限らず、往時の官民区分のような明確な境界線が引きにくくなっていくと思われます。その時の判断材料にするためにも自分はこれらグレーゾーンの品々も気をつけるようにしているのです。

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赤道ギニア

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 代理発行エージェントによる好き勝手やられ放題国の代表格である赤道ギニア。いい加減な切手が多くて、およそ収集をお薦めできない国なのですが、変り種切手のジャンルでは世界最初の銅箔切手を発行するなど重要なアイテムがいくつかあります。好ましい切手とそうでない切手の振れ幅が非常に大きいというトリックスター的な存在のように感じています。
 けばけばしい切手が多い中,この舞踏用仮面7種セット(1977)は良い方の部類だと思います。アミニズム感溢れる形状と色彩はこれぞアフリカ!。ピカソをはじめとする多くのアーティストが影響を受けたのもこれです。特に70ekuele(エクレ)は,1977年の2nd World Black and African Festival of Arts and Cultureのシンボルマークにも選ばれた結果,数多くの国の切手に登場することになった仮面なので見覚えのある方も多いと思います。
 こんなにも迫力がある大型切手ですから,自然のなりゆきとしてFDCや実逓カバーも欲しくなります。が、しかし、そこはエージェント切手の悲しさで、未使用はたくさんあってもそれ以外は絶無と形容しうるほど「何もない」のが実情です。トピカルコレクターの人たちもそのことをよく理解しておられ,ebayにごくたまにカバー類が出てくるとあっという間にお値段がセリ上がります。厳しいです。
 一方,悪い方(とも言い切れないのですが)の代表もちょろっとお見せしておきます。ゴキブリを主題にしている純切手(副題以下の場合は準切手と呼びます)としては、おそらく世界初の切手を1978年に発行しています。まじめな昆虫切手のひとつとして今では他にも数ケ国の発行実績がありますが、当時はやはりゲテモノ感の方が強かったように記憶しています。いかがわしい切手に対する反発と言いますか良識ある批判が今よりはずっと強く言われていた時代でしたから。下の画像をクリックすると大きな画像がポップアップで開きます。大丈夫だという人だけご覧ください。これも赤道ギニアの一面です。

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June 01, 2011

世界で2番目の緑化運動切手

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 昭和23年4月1日発行の全国緑化運動が、世界で2番目の緑化運動切手(キャンペーン切手)であることは知っていました。稲束50銭官製はがきの裏面を利用した押印台紙は、経年変化によるヤケは発生しているものの、昭和23年といういまだ物不足の時代にあってはかなりまともなできばえです。珍しい緑色の特印がひときわ目立ちますし文言も左書き表記で新生民主主義国家っぽいですね。長崎切手文化クラブの銘なのに熊本の消印とは何?とは思いましたが,端正な作りなので迷わず購入しました。これを販売していたのは福岡県行橋市のおなじみパインスタンプさん。今回もまた松本店長さんに「何でこんなもの買うの?」と冷やかされながら拾ってきました。
 こういう時こそ内藤陽介さんの郵趣文献。「濫造・濫発の時代」P.78にきちんと説明されているではありませんか。長崎郵便局と長崎切手文化クラブの共催で開催された切手展(4/3〜4/5)で、長崎局が熊本逓信局から特印の印顆を借りて押印サービスを行いました。その印色が緑色であったことや、局名が「熊本」のままであったことなどから収集家の間で物議をかもした、とあります。これにより切手発行初日の日付のまま押印していた、いわゆる「後押し」であることも明らかです。郵趣文献に載っている郵趣品、それも数が限られているローカルなアイテムを実際に入手するというのはなかなかいいものですね。
 さらに同書によりますと、白地のマージン部のない全面緑色印刷は、当時のハンガリー切手のデザインを意識したものだということです。確かにそう言われてみるとよく似たイメージです。そんな面白トピックもあったとは!。ハンガリーの人と交流する機会があればぜひ伝えたい物語ですね。
 さて、今週末の6月4・5日は山口県下松市で<スタンプショウ周南'11>が開催され,パインさんも販売ブースを出店されます。同じ品物が数枚残っていましたからまだ入手のチャンスがあります。ご希望の方はぜひスタンプショウ周南にお越しください。会場はザ・モール周南3Fイベント広場です。

 松本さーん、1枚200円はどうも安過ぎみたいだよ。

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