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December 22, 2010

美しいタイポグラフィーの切手

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 図はアオヤマスタンプさんで購入したフランス切手のFDC(上)とマキシマムカード(下)です。どっちがいいかなあと悩んでいたら”迷った時は両方買ってしまえ!”なる天の声が聴こえてしまい、こうしてそろい踏みとなりました。ポスター・アーティストにしてタイポグラフィーのデザイナー、Raymond Gid氏主宰の「LA TYPOGRAPHIE」誌創刊50年記念切手です。
 タイポグラフィーとは活版印刷時代からある言葉で、金属活字およびそのデザインを指していました。今では活版は廃れてしまいましたので、書体やパソコンのフォントのデザインなども含まれます。それ自体デザインの一分野として確立しているものですが(だからこそ記念切手も発行されうるのですが)もともとが活字という意味だったこともあり単なる印刷部品としか理解されない時代が長く続きました。日本でも書体ごときに著作権があるのか?と議論されたこともありました。しかし、重ねて申し上げますけれどもタイポグラフィーは断固としてデザインの一分野です。
 そんな背景もあって、タイポグラフィーを主題にした切手はまだまだ少ないです。少ないながらも上図のように非常に優れたデザインの切手ばかりでほぼハズレというものがありません。題材が文字という記号であり、それ自体が洗練されたフォルムを伴わなくては成立し得ないからでもあります。ただし、装飾的なデザインを好まれる向きにはなかなか共感しにくいと思います。
 もうひとつ例を示します。下はカナダが2006年に発行した「グラフィックデザイナー協会50年」記念切手田型貼りの公式FDCです。Canadian Graphic Designの頭文字の"g D C"と数字の"50"を組み合わせ、カナダを象徴する動物のビーバーを表現しています。視覚トリックを用いたケレン味があるものの、これもタイポグラフィー切手に含めてもいいでしょう。文字自身が持つフォルムの美がきちんと伝わってきますので。

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 自分は職業柄、切手の書体をも常に注意しています。ふるさと切手もその最初から、それまでの日本切手にはなかった書体で「日本郵便」と表記されてることに気がついていました。その後、記念・特殊切手に限っては、様々な書体が相当な自由度を持って使われるようになっていきました。このたびの普通切手の書体統一も、その文脈の中で眺めてみることをお薦めします。

ーオマケー
 Raymond Gid氏がデザインした書体、その名もレイモンドは、残念ながらパソコンのフォントとしてプレインストールはされていないようですね。そこで、MacでもWindowsでも標準装備されているヘルベチカ(Helvetica)というフォントについてご紹介しましょう。1957年に発明されて以来、その使いやすさから世界的に席巻した代表的な欧文フォントです。
 最初の動画はいかに日常生活のすみずみに至るまで使われているかを示しています。屋外のインタビューではヘルベチカの文字の前に居るのに気付いていない風が面白いです。下の動画はヘルベチカをモーション・ピクチャー仕立てでその歴史を物語っています。いやあ、かっこいいですねえ。ってこれを見ている貴方もあたりを見回してみてください。すぐ身近なところにヘルベチカがあるはずです。もちろん、切手にもたくさん使われています(特にオランダ、スイス)。

【What do you think of Helvetica?】

【Max Miedinger - Typography Assignment】

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