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November 04, 2010

モノ不足の時代

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 某大家の遺品コレクションからの続きです。上図版を見ても何のことだかわからないと思います。これは10枚の3銭楠公はがき(1944.5.8発行)をホッチキスで綴じた冊子で、最初のページに手書きでUnited States of America & Philippine Islands & the other Americansと書き込まれています。郵趣家ならおよそ察しがつくことと思います。そうです貼込帳です。
 戦後直後の物資不足の時代、紙が不足していたので3次昭和切手のフルシートをハサミで切り、裏返して束ねたものをメモ紙にしていたという話を聞いたことがあります。もちろん、未使用切手を使うわけで、それだけ物不足が深刻だったことを示す逸話として有名です。ただし、当時のニュース映像なり、理想的には実物をこの目で確認しないといけないと常々思っています。なぜなら、いわゆる『都市伝説』的な作り話とも限らないからです。
 3銭楠公はがきで作られたこの貼込帳は、それと同じ観点から実物証拠のひとつとして貴重だと考えます。貼られているアメリカ切手が1922年シリーズなので、おそらく昭和25〜30年頃でしょう。切手収集をするにも貼り込む冊子すらなく、やむをえず官製はがきで自作されたのでは。戦前から収集活動をされていた大家ですから十分ありえると思います。また、ヒンジがなく小さな紙片を折って代用品とされている点も見逃せません。日本の郵趣文化を語る「周辺遺産」として大切にしたいと思います。

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(↑見開いたところ)

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(↑はがきの表面が貼込帳の裏側になります)

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