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September 24, 2010

ナイジェリア詐欺/Nigerian Scam Letter

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 ナイジェリア詐欺あるいはナイジェリアの手紙と呼ばれる国際詐欺事件のことをご存知でしょうか。ご存じない方はwikipediaに詳しいので、まずはそちらをご覧ください。→ナイジェリアの手紙

 これがどうして郵趣に関係があるかと言いますと、電子メールが使われる以前はその主たる通信媒体が郵便だったからです。アメリカなどの欧米先進諸国では1980年代から届いていたようですが、日本ではおよそ1990年代後半に送られてきた形跡があります。英語アレルギーの強い日本企業ではろくに読まれもせず、単なるダイレクトメールかのごとく一瞥してゴミ箱行きだったようで、日本の郵趣市場にどれだけ残されているのかまったく見当がつきません。もちろん、ナイジェリア詐欺ことNigerian Scam Letter(以下、NSLと略)を記事化するのはこのHYPER Philatelistが日本初と思われますし、それゆえ、もし企業倉庫などに眠っているアイテムがあれば、陽のあたる場所に引き上げてやって欲しいと思います。

 NSLの外見的特徴は、あたかも統一したかのような通り一辺倒な姿をしています。図のように茶封筒に手書き宛名で石橋(Rock Bridge)を描く50ナイラ切手の偽物が貼られています。郵便印は本物の場合もあれば、偽印というほどのレベルにすら達していないテキトーなイモ判みたいなものもあります。ナイジェリア郵政に賄賂でも使ったのでしょう、日本へはあたりまえの国際郵便物として航空便で届いているようで、下図のように新東京国際空港局の消印モレ消印が押されている例があることからもそれとわかります。にもかかわらず航空便の表示は一切ないという点も共通項として指摘されます。

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 中身が残されている例は大切にしています。切手が偽物で消印も信用できないですから、通信文に記された日付が拠り所になる場合が多いからです。参考までに図版を示しますが、ただし、内容は地下資金のマネーロンダリングに協力してくれとか、口座を貸してくれといったロクでもない詐欺勧誘文ですんで、犯罪文書であることだけは正しく理解してください。

(↓クリックで拡大)
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 国際的なインターネット網の発達により、2001年以降はNSLの媒体は電子メールにほぼ切り替わります。伝統的な郵便による送達は消え失せたかのように姿を見なくなります。
 また、NSLとの直接的な関係はわかりませんが、2007年のUPUナイロビ大会議の席上で、ナイジェリア郵政みずからが、切手の大量偽造被害に見舞われていることに関して、その対策に国際的な協力を要請してもいます。しかし、NSLの実逓カバーを見れば郵政内部の汚職・収賄抜きにはありえないことは明らかであり、UPU加盟国の大半はさぞや白々しく感じたことでしょう。当然ながら日本郵便がNSL対策に着手したという話も聞きません。
 郵趣的には日本以外の例も欲しいところで、私個人はバングラデシュ宛を所持しています。切手はこれまた明らかなカラーコピー偽造で一目でそれとわかります。消印はまったく読めませんが、受取人の裏書きメモのおかげで1999年2月14日着とわかります。

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 宛先が企業もしくは企業トップ宛であることから、日本国内宛であってもNSLの入手は通常の郵趣市場では期待しにくかと思います。フリーマーケット等のふつうは期待値の低い状況下で不意に現れることの方が現実味があると思います。自分もとあるセール会場で同一企業宛が10通一括で売られていたのを運良く買い占めることができた経験があります。
 発展途上国における犯罪・貧困、IT技術のダークサイド、事件・事故など、NSLはただの詐欺メールだけではない解釈も可能かと思われます。興味のある方は一緒に取り組みましょう。もちろん、詐欺にだけは注意してくださいね!。

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