« September 2009 | Main | December 2009 »

November 2009

November 29, 2009

平成21年度版・郵便番号簿

091129_02

 日本郵便関係の友人から表題の郵便番号簿が送られてきました。さっそく詳しい話を聞かせてもらえましたので以下の通りお知らせします。

 今年の郵便番号簿はかなり変更点があります。

1.発行部数が増加している(100万部)
2.広告が掲載されている
3.郵便番号ごとに配達支店が調べられる

 10年ほど前までは郵便番号簿の発行部数は1,000万部以上発行されていて、年末に年賀状の関係で各世帯に無料配布していました。ところが経費節減の関係でここ数年は10万部以下に抑えられ、企業にだけしか配布されていませんでした。 今年2009年8月、郵便番号簿の製作を外注することになり、大手広告代理店が落札、急遽広告を募りました。今回は製作時間がなかったため、掲載されている企業は郵政グループとの繋がりが深い企業ばかりです。来年はもっと広く広告主を募る予定だそうです。
 なお、郵趣家向けのポイントとしては、民営分社化で特定集配局が廃止となり、その後どこの郵便事業会社の支店が配達しているのかが不明でしたが、末尾の「郵便区番号一覧」で調べる事ができます。 他にも「50音別市町村名索引」「50音別旧市町村名索引」がついている他、各都道府県のタイトルページに地図、県木・花・鳥、ゆかりの切手さらにご当地フォルムカードの図まで掲載されています。紙媒体としてはほぼフル機能搭載という感じです。
 いずれにしても過渡期の特徴がよく現れていますので、とりあえずGETされて後世の資料とされることをお勧めします。

| | TrackBack (0)

極地保護切手(その後)

091129_01

 郵趣8月号(2009年)の巻頭カラーページで特集しました「極地保護切手」について、その後の状況と計画について情報提供を頂くことができましたのでお知らせします。
 第2次となるであろう次期発行群についてはUPUが主導していくことになっています。それに関して現在も参加国を募集中とのこと。国がまとまれば初回同様に一斉発行する予定です。 ただし、確認とれない分も含めれば一つか二つの国ではUPUへの申請無しに便乗切手を発行している模様。この場合、アイスクリスタルの電子版データは支給されないので、スキャン、ハンドライティング等で類似デザインを作成していると推定されます。正規版切手はUPUから報道発表で示されるので、それ以外はバッタもんと考えていい。
 ちなみに図版のセントビンセント・グレナディーンもどうやらその「バッタもん」のようです。名称こそPolar Regions and Glaciersと表記されていますが、アイスクリスタル・マークが見当たりません。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 18, 2009

著作権

091118_1

 最初に説明をしないと画像の意味すらわからないと思います。まず、下は有名なアメリカ切手「ハリウッドの伝説/マリリン・モンロー」のシートです。上はそれを模した、と言うよりほぼ丸パクリの印刷物で、切手シートにおける肖像画部分がテレホンカード(ホワイトカード)になっています。図のようにテレホンカードは剥がして使うことができます。また、元の位置に貼り戻すことができる剥離・圧着自在仕様になっています。
 では、上は一体何かと言うと郵便はがきです。大判の郵便はがきで、その裏面に図のような切手シート柄が印刷され、さらにテレホンカードも付いているという一種のアイデア商品です。商品名は「カードインカード」と書いてありますが詳細は不明です。なお、実際に差し出す時は定形外扱いで120円の郵便料金がかかります。

091118_2
(↑参考:はがき表面の画像)

 これを某郵趣イベント会場の販売ブースで目にした時、これを製品化した人物は切手における著作権のことをよく知っているなあと驚きました。日本国内でこれを製造・販売する限りならば、かなりきわどいとは言えども問題はありません。
 ご存知のように日本では郵便切手の模造・偽造を防止するための郵便切手類模造等取締法(以下、郵模法)等の法令が定められています。これに関しては書籍のような大量な商業印刷物ではなく、本物の切手よりも小さいサイズで(図版は比較のためにほぼ同じ大きさになるように縮小率を変えているだけです)、さらに料額印面部分に抹消線があり、郵便切手と誤認する可能性はまずないので違法性はありません。郵便切手の図案の「引用」の範囲内です。しかし、繰り返しますがきわどい線上にあることは事実です。
 以前にも触れたことがありますが、成果品としての郵便切手には基本的には著作権がありません。図案に変更を加えさえしなければ(二次加工をしないならば)そのまま引用、拡大してTシャツにプリントしても問題なしです。もっと郵趣的にリアルな例を引きますと、例えば数多あるディズニー切手を網羅した「世界ディズニー切手カタログ」を発行するのは自由です。その延長で「世界マンガ切手カタログ」を出すからといって全世界の郵政当局にいちいち許可を申請する必要などありません。
 ただ、著作権管理に厳しい企業相手の場合、訴訟になったら果たして勝てるかどうかが実は不透明なのです。下手に問題を起こして万一敗訴でもしたらかえって悪影響が残るため、それを恐れて誰も手を付けていないのが実情です。「寝た子を起こすな」です。

 この「カードインカード」の例も、厳密には現時点では「問題がない(らしい)」というだけで、今後はどうなるかわかりません。日本切手も漫画図案のキャラクター切手が増えていますので、著作権者と日本郵便との間での権利調整はクリアされていますが、一般の購入者(郵便利用者)といった第三者の二次利用はどこまでフリーなのかちょっとよくわかりません。
 アメリカ切手ではなおさらで、アメリカ郵政公社(USPS)は日本郵便以上に権利関係に厳しく、同じ商品をアメリカ国内で販売しようとしたらアウトになる危険性大です。アメリカは著作権を主張しているのか、単に留保しているだけか、あるいは意図的に何も触れていないだけかがわからないからです。
 これを売っていたブースの主(制作者ではない)も、そんなにややこしい品物とは認識しておられませんでした。いずれ切手の権利関係に陽が当たる時も来るだろうと思い、複数セットを購入したモノ好きは私だけだったようです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 16, 2009

千早簡易郵便局が風景印使用開始

091116

 千早赤阪村在住の北浦秀明さんから千早簡易郵便局の新風景印をご恵送いただきました。そもそも簡易郵便局での風景印使用は少ないことをはじめ、様々な面で興味深いのでご教授いただいた内容とともにご紹介します。

 千早局は以前は無集配特定局で、1962年発行の金剛生駒国定公園切手の初日適応局で、初日カバーには当時の風景印が押された。その後、風景印は廃止され、簡易郵便局となって今日に至る。
 今回使用開始の風景印には、以前の風景印にはなかったロープウェイが描かれている。これは、1966年の開業時は日本で唯一の「村営」のロープウェイであった。
 なお、郵趣ウィークリーには、局の所在地を「千早赤村」と記載しているが、正しくは「千早赤村」。

<千早赤阪村営金剛山ロープウェイ>
 http://www.vill.chihayaakasaka.osaka.jp/kokyo/016.html
 http://www.konanso.com/rop/index.html

 さすが地元の方ならではの詳細情報です。ロープウェイ(架空索道)も鉄道切手関連で集められる場合が多いとも聞き及んでいます。日本郵便の風景印紹介サイトでも「金剛山麓の千早城阯と楠木正成の兜を描く」とあるのみでロープウェイのことは触れられておらず、見落とす危険性が高いと思いますのでご注意ください。
 あとはそうですね、千早駅と金剛山駅に観光スタンプを設置、なおかつ同簡易局とタイアップして郵便ポストも設置し、ロープウェイ利用者のみ差し出すことができる登山記念の記念押印・引受消印サービスを観光振興策として企画できたら面白いですね。外国ではジブラルタルの「ロープウェイ郵便」の実例を所持しています。これと同類の郵便サービスをやっている例は日本国内にはまだないと思います。
 北浦さん、どうもありがとうございました。

091116_2
 ジブラルタル郵趣会が作成したロープウェイ郵便のオフィシャル・カバー。1260フィートの岩山頂上駅で投函されたことを示す記念印を押印。1966年4月9日付。
(さらに参考:「流氷特急オホーツクの風」に乗車すると押してもらえる小型印について)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 14, 2009

Traveling Philately

 一応、郷土山口県の消印も集めてはいます。

 「一応」とただし書きが付くのには理由があります。正統的な郵便史研究の手法で、今の山口県を構成する長門国・周防国の時代からきちっと集めておられる諸先輩方は既にいらっしゃいます。山口市のOさん(私の父の教え子さんという奇遇!)や周南市のてらずみさん(私の職場近くにお住まいという奇遇!)などがそうで、今さら私のような者が正面から割って入るなど畏れ多いことでございます。そこでいつものように考えました。そう、スキ間を狙えと。結果、私はいわゆる「赤印」の類をターゲットにしました。小型印、風景印、特印といったトビ色(赤茶色)のハンコのことです。これらは伝統郵趣、マルコフィリー、郷土郵便史のいずれにおいても戦力外通告選手のようなもので、昔から「士農工商トビ色印」などと言われています(?)。
 しかし、そんなモンしか獲物が残っていないのですから、分相応にやるしかありません。機会があるごとに買い集めていると、収集ファイルは赤茶色だらけでうるさいことうるさいこと。風景印などはあの印色自体が下凡であって、それを気にしないどころか綺麗だと集めているヤカラの気が知れない、などと言い散らかしている当の私がこのザマであります。ばか丸出しとはこのこと。

091114_01

 そのばか丸出しの私が、先月開催された「切手のフリーマーケットin広島2009」で入手したのが上の記念カバーです。既に故人となられた収集家Y.K氏の所蔵品が主催団体に寄贈され、それがチャリティーで1通100円均一で売りに出されていたものです。
 昭和47年、NHK大河ドラマの「新・平家物語」に便乗して当時の国鉄バスが企画した観光バス券を貼り、自宅近くの広島呉本通七郵便局を手始めに、広島中央局、山口・秋吉局と、巡る土地ごとに消印を押してもらった記念カバーです。山口・秋吉の風景印があるから入手したようなもので、郵趣品と言うよりは郵趣記念品と言った方が正確な極めて個人的なメモリアル品です。郵便とは直接関係がない記念切符や記念たばこなどを貼り合わせる手法も、昭和50年代を最後に廃れてしまった古い作法です。買い手がつかないで売れ残るにはじゅうぶんなケバケバしさです。

 それでもなお、さらに私は下のようなカバーを買い進めました。これも周防大島を巡る観光バス絡みの記念カバーです。この当時はまだ山口県本土と周防大島とを直接つなぐ大島大橋がなかったことがポイントです。

091114_02

 大島大橋が完成したのは昭和51年です。それまでは国鉄が大畠〜小松港間に連絡船を運航していました。カシェ中にはそれを意味する「おおばたけ」と「こまつ」の地名が表記されています。本カバーの作者もまたこれを手に渡海したのです。
 日本には有人離島だけで421島、無人島にいたっては6,426島もあるということですが、郵便の上でこれを示すことができる事例は案外少ないものです。ただの記念カバーとスルーしないで、ちょっと立ち止まって観察すると別の面が見えることがあります。

091114_03

 実はこれら観光みやげ的記念カバーを買い求めた本当の理由は別のところにあります。一見すると、どこかの封筒会社の市販品かのような印象を覚えますが、そうではなく、カシェはすべて故Y.K氏自らが超絶技巧を駆使した謄写版(ガリ版)の多色印刷だというのです。鉄筆とヤスリで耕版作業をしたことのある方なら一目瞭然、複雑に重ね刷りされた那須与一らしき武者絵も、シンプルではあるけれどもムラのないベタ刷りの周防大島の地図も、ともに並の技術ではありません。他にも普通の初日カバー類がたくさん売られていましたが、私家版カシェのためかほとんど買い手はなく、しかし、私はそのいずれもが素晴らしい出来ばえであることに驚嘆していました。金が取れるレベルであることはもちろんのこと、ガリ版印刷全盛時代のれっきとしたプロではないかとさえ思われます。残念ながらY.K氏とはまったく面識がありませんので本当のところはわかりませんけれども、気に入ったものをいくつも選んで買ったのでした。
 それらを総合すると、Y.K氏は卓越したTraveling Philatelistであったのだという確信を抱くに至りました。超一流のカシェ封筒作り技術があり、これに行く先々で記念押印していくその楽しみ方は、むしろ21世紀の今の方が理解されやすいはずです。生前のうちに氏の「仕事」を正しく評価し、見い出して広く知らせる見識を持った人に巡り会うことがなかったことをたいへん残念に思います。
 オリジナリティーあふれた豊かな「郵趣」を嗜んでいらっしゃる方々は多く、そんな人たちをできる限りすくい上げて世の中に知らしめること、つまり「新しい収集価値観の創造」は重要な私の仕事のひとつであること、先入観に左右されて「玉」と「石」を見誤らないようにしなければと、Y.K氏カバーを眺めながら決意を新たにしているところです。

 そんなY.K氏カバーを皆さんも入手することができるかもしれませんよ。それが今日・明日の二日間開催されている<スタンプショウ=ふくやま>'09です。私も高速料金1000円を利用して明日朝から参観する予定です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 11, 2009

面白FDC

091111_01

 約1.5ヶ月ぶりの更新です。本業の超多忙と同時に、10年に一度かかるかどうかという強烈な風邪をうつされるなど、かなりタイトな毎日を送っていました(風邪は抗生物質を点滴してもらってやっと治りました)。今も深夜勤務シフトが続いていますので、できる限りでの更新ということでご理解ください。

 以前から度々記していますように公式FDCは切手同様に扱っています。カシェや記念印のデザインも切手と同じデザイナーさんが手がけていることが多く、クオリティも決して見劣りしないからです。公式FDCの伝統がない日本とは大きく違う郵趣シーンのひとつです。
 その、オフィシャルなはずの公式FDCも時として、お茶目でとんまで愛らしいアイテムが予期せず出現することがあります。それをこのおじさんが見逃すはずがないぞよ(笑)。
 図はオーストラリアが発行した「マイクロ・モンスターズ」です(郵趣12月号で詳しくご紹介予定)。上は完セット貼りで下はその小型シートですが、おかしい点があることにお気づきでしょうか。いかなる理由か同じFDC用封筒を使っているため、小型シートの方はカシェの一部を隠してしまっています。これでは何の絵かわかりませんね。オーストラリアほどの立派な国が、これほど明りょうな単純ミスを犯すのは非常に珍しいです。
 また、下はカナダが発行した加貼用普通切手2c「オオカバマダラの幼虫」の公式FDCです。これはもう一目瞭然、いくらなんでも気持ち悪過ぎるではありませんか。山口県民であります私ゆえ、幼少時より県木のナツミカンに集まるアゲハチョウの幼虫にも慣れていますが、ここまで大量に描かれてはさぶいぼ出まくりです。この破壊力は他に類例がないと思います。なお、製作数は21,700通です。
 いっそのこと蝶切手収集家の某ヤタベ君に嫌がらせに送りつけてやろうかと思ったのですが、予想に反して喜ばれそうな予感がしたのでやめました。なんせ、昆虫切手コレクターと言ったら芋虫や毛虫なんぞも可愛いとのたまうヘンタイ揃いですから(言い切ったねえ、怒られても知らないよ)。
 真面目な話に戻しましょう。額面2cは日本円でわずか1.7円です。その単貼りの公式FDCを作ることができる押印規定を持つ、カナダの柔軟な郵趣振興施策の実例として評価できます。記念押印には最低50円分(はがき代)の切手が必要だと規定している我が日本国では同様のFDCは作ることができません。その理由は押印業務にかかるコストの問題だと言い、かつまた実は50円でも足りないのだと説明されていますが、それが些末な言い訳であることはこの例を見れば明らかです。カナダにできて日本にできない理由はただひとつ「やる気がない」だけです。

091111_02

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« September 2009 | Main | December 2009 »