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August 12, 2009

タタールの軛(くびき)

090812

 コレクションを整理していたら、またまたこんなものが出てきました。1996年8月、(財)日本郵趣協会から派遣された日本・モンゴルジュニア親善訪問団の団長であったDOCTORイノウエくんから送られてきた実逓カバーです。貼られている切手にはこれまた面白いストーリーがあります。

 1962年7月20日、モンゴル郵政は図の4種のチンギス・ハーン誕生800年記念切手を発行しました。いかにモンゴルの英雄とは言え、当時はソ連の衛星国としての社会主義国家の時代です。ロシア史上でも200年間にも及ぶタタールの軛(くびき)、その張本人であるチンギスの切手を出したモンゴルの無神経ってのは凄いね。
 案の定、ソ連からえらく不評を買ってしまい早々に発売中止。この事件が直接の原因となり、以後、チンギスはタブーとされてしまいました。やがて時が経ち、1989年に始まった民主化の動きと連動し、郵政当局が保管していた切手に”CHINGGIS KHAN CROWNATION 1189”の文字を黒加刷し、チンギス・ハーン即位800年記念切手として1万組のみ発行されたりもしました。
 上図の実逓カバーは、訪問団メンバーが同国の郵趣家たちとの交流会での切手交換で入手したセットを貼って送ってくれたものです。実に36年後使用の郵趣家便とは言え、非常に貴重な実逓カバーであることに変わりはありません。これら訪問団が作成したカバー類はいずれも丁寧に消印され、きちんと日本に送り届けられるように、なんと!、その時の郵政大臣に差出しを直接お願いしたということです。最高水準のフィラテリック・メールにして、これほどまでにはっきりした由緒であればこそ高い信頼性もあるというものです。

 あれから13年、訪問団のジュニアたちもすっかり三十路のオッサンになっております。もう公開しても良い頃合いだと思いましたので、ここに初公開いたします。

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