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August 16, 2009

現代郵趣

090816

 寝屋川のスダニくんから「北陸郵趣」紙2009年8月号(通算678号)が送られてきました。全日本切手展2009に出品した作品「奥の細道シリーズ」についての解説が掲載されたので寄贈してくれたのです。実際に同展会場で作品をご覧になった方も多いことと思います。ずいぶん新しい時代の切手を出すなあと漠然と感じてはいましたが、要はそれこそが彼の視線の面白さであったわけです。かの文章の一部を引用すると

 『切手展出品と言うと、古い切手ばかりが評価されて、新しい切手は出品しても評価されない。意味が無いと思っていらっしゃる方が多いと思いますが、そんなことはありません。最近の日本切手でもそれなりに纏めましたらそれなりの評価は得られると思います。』

 なるほど!

 その実例として意図的に新しい記念・特殊切手をテーマとして選定したのが「奥の細道シリーズ」であると論は続きます。このシリーズは『連刷が豊富なばかりでなく、小型シートも数多い』と、その特徴を語り、かつ、それに応じた作品構成で展開された抜粋リーフが紙面に紹介掲載されています。

 なるほど! なるほど!

 とりわけ目を引いたのは連刷の形についてです。正連刷に対して逆連刷はどのジャンルにおいても好まれないため非常に少ないと。その少ない逆連刷で消印の読める使用済をすべて揃えて見せているあたりにセンスの良さを痛感します。
 上図も昔、ミクスチャーだったか貼込帳だったかで入手した熊本・甲佐局の試行印が押された逆連刷です。かろうじてこのあたりまでは私も日本伝統郵趣的手法で収集していたのです。結局そのまま手つかずなんですが、それを体系化して見せたスダニくんの手腕は面白いなあ。

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 デジタル技術を駆使して原画作成から製版、印刷まですべての工程を行い、徹底した品質管理で滅多なことではエラーが世に出ることもない超一流の高品質を誇る現在の日本切手。以前、某審査員さんが「現行切手は未使用とみほんと銘版付きを並べて、それで製造面の分類は終りだなんて、いくらなんでもそれはないでしょう」と言われたことを思い出します。しかし、現実にそうなっています。目打の変化もなし、アメリカやカナダのように耳紙に版番号が表示されているわけでもなければ、みほんもとっくの昔に廃止され、事故でもない限り定常変種すら発生しえません。
 これをクラッチ製版だとか粗版の組み合わせだとか、今時の街のチラシ印刷屋さんでさえやっていないようなプリミティブな製版・印刷方法の研究を、あたかも郵趣の本道かのようにありがたがっている感性では現在の日本切手収集の指針にはなりえません。何100万枚と発行された切手シートがすべて同一品質であり、それで製造面分類を何リーフも展開せよと要求するなら実際にやって見せてみろという反発もわかります。
 かといって満月消の羅列が肯定されるとも思いません。消印が読めることの意義は、局名や年月日によって使用状況を知る手がかりのひとつになるからですが、これも昔の古い郵趣理論によるものです。今では植民地があるわけでもないので、例えば北海道で使われようが沖縄で使われようが使用例としての意義に違いはありません。強いて言えば局名より年号の持つ意味の方が重要です。それもカバー、エンタイアの完璧性には及びません。
 しかし、消印収集はそれ自体が楽しいものであることも知っていますので、これを日本独特の伝統郵趣手法とどうマッチングさせるか、国際標準との整合性をどうするか、それは切手展審査員の皆さんでよく相談して例示してくださいな、という以外にありませんね。

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 日本に限らず、単色オフセット印刷しかできないような極端に遅れた切手発行国は確実に減ってきています。自国でできなければ外国に発注すればいいし、その費用も国際協力による資金援助を充てれば良いと。国力に似つかわしくない立派な切手が多いのはそのためです。
 そんな、以前には考えられなかったような時代になりましたので、現代郵趣の新しい収集方法(フォーマット)を作っていかねばならない面白い時代になりました。スダニ作品は、伝統的な手法を採る形でいながら、そんな新しい体系の萌芽を感じさせるものがあります。

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↑私も奥の細道シリーズは、小型シートの切り抜き使用だの何のと集めていたんですが・・・・・

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