« パチもん切手の楽しみ | Main | スタンプショウ=ヒロシマ'09/駅スタンプ(1):山口駅 »

May 10, 2009

東西ドイツ郵便戦争ー塗り潰し使用例

090510_1

 ドイツが東西に分かれて対峙していた時分、当時の共産圏にとって容認できない図案の切手が貼られていた場合、東ドイツ郵政当局が当該切手を墨塗り抹消していた事例があります。図は「旧領土強制退去20年」(右に別に掲げた切手がそれです)を貼った実例で、西デトモルト1965年消印→東クヴァーフルト宛の実逓カバーです。見ての通りの強烈な印象から、東西ドイツ郵便戦争と言われることもあります。
 国境を越えて入ってくる大量の郵便物から選び出し、いちいちエナメルやペンキで塗り潰していたなんて、秘密警察国家ならではの偏執狂的性格がよく現れていますね。もっとも、ソ連崩壊から20年にもなろうかという時が過ぎた今では、こんな子供じみたことをよくもやっていたものだと陳腐感さえ覚えます。
 なお、この「旧領土強制退去20年」切手貼りは比較的にモノはあるようで5000円しないで買えるようです。自分も既に1通持っていまして、せめて年号が読めるものに取り替えるためにGETしました。

 実は塗り潰し使用例は他にもあり、スタンプショウ'09にて1953年発行の「未帰還捕虜帰国促進」切手の横ペア貼り実逓カバーも入手しました。日本でもシベリア抑留の例が知られていますが、西ドイツでも同様の事態が発生していました。日本の場合と全く同じで、正規軍人俘虜がポーランドやソ連各地で戦後復興の労働力として酷使されたため、その帰還は1950年代に入ってもなお完了しませんでした。
 図案は「抑留者と鉄条網」で、まあ、これだけ露骨だと墨塗りされない方がありえないようにも思えます。使用データも、ラインフェルト(ホルスタイン州)局名不明1953.8.12消印→東オスターフェルド宛とまずまず。しかも、この切手はエンボス加工もされていることから特殊加工アイテムのひとつとしても看過できませんで、正直、ちょいと無理してGETしました。ただし、エンボスの痕跡がまったくなくなるほどみっちり墨塗りされてしまっています。
 いずれの例も、ダメージ(汚損、棄損など)が大きいほど意義深いなんて、普通はありえない例なのでたいへん気に入っています。

090510_2

|

« パチもん切手の楽しみ | Main | スタンプショウ=ヒロシマ'09/駅スタンプ(1):山口駅 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 東西ドイツ郵便戦争ー塗り潰し使用例:

« パチもん切手の楽しみ | Main | スタンプショウ=ヒロシマ'09/駅スタンプ(1):山口駅 »