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May 2009

May 29, 2009

駅スタンプ(6):津和野駅

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 戦前の駅スタンプのご紹介も今回が最後です。有名な津和野駅です。印影にも表示されている通り山口線の駅であり、観光地の「萩・津和野」とセットで語られていることも関係してか、津和野を山口県と思い違いしている人も多いと思います。正解は島根県です。また、津和野駅が山口線の一方の終着駅だと思っている人も多いようですが、それも間違いで正解は益田駅です。
 描かれている社は今も健在な太皷谷稲成神社です。印影が栗の形をしているのは、どうやら当時の名産品だったからのようですが、はて、今ではそんな印象はありませんねえ。さらにスキーも今の感覚からはピンときません。津和野駅がもっとも時代の違いを感じます。

 ここ数日の間に日米のコンビネーション・カバー2通が立て続けに到着しています。ご出張の度に何かしら差し立ててくださる大阪の北浦秀明さんのご好意によるものです。いつもありがとうございます。ちょうどアメリカ切手について書こうと思っていたところだったのでタイミングもぴったりです。
 今年に入ってから発行されたアメリカのセルフ糊切手は、郵趣誌でも触れられていたように水剥がしができなくなったようです。いくら水に潜らせてもびくともしない強固さです。これでは初期セルフ糊切手のトンガやシエラレオネさながらに、カットスクエアでの収集になってしまい非常に見苦しいです。アメリカの業務用封筒などはオレンジ色をした質の悪い用紙を使っているせいで、オレンジ色が容易に切手に乗り移ってしまいがちです。できるだけ早く剥がしたいのにこれでは全然アカンです。それほどに切手の剥ぎ取りや不正な再使用、変造・偽造が目に余るのでしょう。困ったことです。

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May 24, 2009

駅スタンプ(5):徳佐駅

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 いよいよ山口県の最深部に到達!などと書いたら怒られるかもしれません。島根県まであともう少しの県境の町こそ阿東町徳佐(あとうちょう・とくさ)です。徳佐八幡宮の鳥居としだれ桜、十種ケ峰スキー場を描いています。
090524_2 えー、昭和9年に既にスキー場があったなんて、ネイティブ山口県民である私も知りませんでした(謝)。前年にオーストリアから発行されたスキージャンプ図案切手もまた両手を広げるポーズをしていますので辻褄も合ってます。でもジャンプ台まであったんかなあ???。というくらい今でも秘境です(こらこら)
 戦後、地域あげてリンゴ栽培に取り組んだ結果、日本最南端のリンゴ産地になりました。今では「徳佐」と言えば10人中10人が「リンゴ」をイメージすると思います。山口県ではみかんもリンゴも両方穫れることを県外に向けてもっとPRすべきかもしれません。

 世界遺産クラスの切手の中には愛らしくかわいい切手も含まれることは当然です。時代を遡るほどお堅い図案ばかりなので、ポップでキュートなデザイン志向の萌芽はいつ頃興ったのかも真面目に把握しておくべきでしょう。
 ポーランドが1964年に発行したこの笑い猫切手もまた、切手収集家ならだれでも見知っていることでしょう。擬人化が過ぎてあざとい表現であることは否定できませんが、本物の猫もたまにこんな表情をする時があるので、やっぱり可愛らしさにやられてしまいます。この切手をきっかけに切手を集め始めた人も相当いるはずです。何より、この切手を初めて見せた時の相手の表情を観察するのが楽しいですよ。どんなむつけきオッサンであろうと一瞬表情がユルむんです。ぜひ試してみてください。
 共産主義時代のポーランド切手なぞ、だいたいロクなものはありませんがこれだけは別です。最近のどんなカワイイ切手をも凌ぐ破壊力(?)を備えています。この切手を貼ったぐっと来る素晴らしい実逓カバーもずっと探し求めているのですが。

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駅スタンプ(4):長門峡駅

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 山口県民以外ではあまり知られていないのではないかと危ぶんでいます。長門峡と書いて「ちょうもんきょう」と読みます、「ながときょう」ではありません。
 中原中也も絶賛したこの渓谷はしかし、観光地として開発された歴史は新しく、実は大正期のことでした。高千穂峡なみの断崖絶壁を描いていますが、ま、実際はそれほどの奇観でもないので、ご紹介するのがちょっと気恥ずかしいです。ここの見所は川底に累々と現れている奇岩石群の方で、なんでも学術的にもそっちの方が意味があるんだとか。
 山口線に同名の駅がある位ですから、同駅からのアクセスが最も多いのは言うまでもありませんが、個人的には逆ルートの方をお薦めします。萩市川上の阿武川ダムそばにあります阿武川温泉がお気に入りで、まずはそこが起点です。源泉のぬる湯がたいへん良く、屋内の大浴場には見向きもせず屋外の源泉湯にゆっくり長時間浸かるのを常としています。そこから阿武川ダムまで遡り、ダム湖沿いの道路を長門峡に向けて車を走らせて行くのが最も秘境感を体験できるかと思います。「このまま走っていて大丈夫か?」とか「夜中に走ってて万一事故や故障したらマジやべえな」みたいな道なので、出発前の車の整備は必須ですよ。そのうえでようやくのことに長門峡が見えてくると必ずや「おおっ!」と感動できることでしょう。

 「お気に入り」と呼ぶコレクションをしていることは何度か触れたことがあります。理屈抜きで気に入った切手を集めるもので、一見幼稚そうですが好きな切手だけが詰まった一冊のアルバムともなるとかなり壮観です。精神衛生上もたいへんよろしい。
 これもずいぶん量が蓄積されてきて、一冊のボストーク・アルバムには納まりかねるボリュームになりつつあります。そこで、お気に入りの中でも選りすぐりの「切手遺産」(仮称)という収集群を分離・形成しようかと考え始めています。ジャンルを問わず誰でもが印象強く覚えている超一流のグッド・デザイン切手だけを絞り込むものです。例えて言うなら日本切手で1枚だけ選ぶとしたらそれは何か?的な、そんな気分の選抜コレクション集をイメージしています。
 具体的にひとつご紹介しますと、1973年にオーストリアが発行した反薬物中毒キャンペーン切手です。この横3連貼り実逓FDCは、先のスタンプショウ=ヒロシマ'09でアオヤマスタンプさんから購入したものです。

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 初めて見る方には何ともグロテスクで奇っ怪なデザインだと思われることでしょう。こんな切手を貼って送ったら確実に絶交されるレベルです。それでもなお郵趣史上では突出したグッド・デザイン切手であると私はそう確信します。
 薬物中毒による人格崩壊と生命の危険を警告するキャンペーン切手として非常に高いレベルの表現力を備えています。切手の持つメディアとしての機能を正面から理解し活用し切っているからでしょう、ある種の潔さすらをも感じます。
 特に高評価できる点は、この切手のために描き下ろされたオリジナル・デザインであることです。どこぞの既存のイラストレーションを利用しただけ、みたいな安直さがありません。また、個人的にはほとんど価値を認めていないサケデリック・アート、ドラッグ・アートの技法を取り入れることに、この切手だけは成功しています。他での成功例はちょっと思い浮かびません。

 切手収集家の中には審美眼がなく、またそのことに気付いていないイモ野郎が結構います、残念なことに。わかりやすい図案でないと反射的に拒否反応を示したり、明るく楽しい図案でないと切手にふさわしくない、などと軽々しく口走っています。それらはいずれも単なる個人的な好き嫌いであって、切手のデザインを云々できるような素養も感性もないことくらい、プロの私にはすぐにわかります。が、言うこと自体は自由なので誰にも止められません。仕方なく「またあの○○○の野郎、わかったような馬鹿たれを言い散らかしやがって」と、人知れず私はひとりで罵倒しているだけです。しくしく。
 連中にそういったことどもがきちんと理解できるだけの理性も感性もないことは百も承知ですが、それでもなお、世界遺産クラスの真にグッド・デザインな切手は、必ずしも奇麗で美しいだけでは決してないことを訴えたいがためにあえてこのカバーを示したのでした。
 そして、こうしてアップしておけば、中央付近に押されている六葉のクローバーのような紫印についても、あのイイダバシくんがその正体を教えてくれるんじゃないか?、たぶん知っているだろう、いやあ確実に解説してくれるはずだ、そうだそうだ!、となることを期待してもいるからでした。

 特別サービスで同切手の拡大図もアップロードしておきます。重ねて記しておきます、この切手が世界遺産クラスのグッド・デザインであることがどうしてもわからない人たちよ、厳しいようですがアナタにはデザインの良し悪しを裁下できる能力はありません。あきらめてください。それは私がどんなに練習しても100mを10秒以下で走ることができないのと同じで、こればかりは8割がた以上は生まれつきなので誰を恨むということもできないことなのですよ。

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May 23, 2009

駅スタンプ(3):湯田温泉駅

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 山口市の温泉と言えば湯田温泉。藩政時代から官の御用達温泉場として栄えてきたので、いわゆる繁華街としてはかなりおとなしい部類に属します。
 右の「七卿落記念碑」は、高田公園にある「七卿の碑」のことです。七卿落ちについてはここなどを参照して頂ければよろしいかと思いますが、要は幕末の革命時期に倒幕側の志士たちもよく利用した温泉だということです。
 描かれているような湯煙にかすむ楼閣群はすっかり建て替わり、今ではこのような光景を目にすることはできません。また、その背景のふたつの山は鴻ノ峰と兄弟山でしょうか。さらに左に小さく描かれているのはゲンジボタルです。芸が細かいですなあ。
 昭和8年と言えば、湯田温泉出身の詩人・中原中也はすでに上京した後で、翌9年には有名な「山羊の歌」が出版されます。防府市出身の俳人・種田山頭火は前7年にお隣の小郡に其中庵(ごちゅうあん)を結庵していますので、この当時はたびたび湯田温泉に通っていた時分です。おふたりとも山口県を代表する文学者ではありますが、立身出世志向の強い県にしては(否そうだからこそと言うべきか)なぜかくも破滅的な人生を送ることになってしまったのでしょうか。ともに県立山口高校の大先輩であります。

 新着切手を物色しておりましたら、またまた面白い切手を見つけました。額面変更を目的とした加刷こと「改値加刷」、英語ではSurcharge(サーチャージ)のウルグアイ切手2種です。元額面を金色の金属色インクで刷り潰してはいるものの、肝心の新額面表示がないので無額面となってしまっています。中国の解放区切手で同類を見た覚えがありますが、2007年での新登場というのは珍しいのではないかと思います。しかも、価格が日本円にしてわずか20円程度と超安価。一体何用の切手なんでしょうね?。実逓カバー(使用例)が欲しくなるのは、まさにこのように正体がわからない券種にお目にかかった時です。

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May 21, 2009

駅スタンプ(2):小郡駅

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 駅スタンプの2回目は小郡駅です。古くから山口県の玄関口で、2003年10月1日に新山口駅に改称しました。駅スタンプもそんな玄関口機能を意図したものでしょう、小郡駅からのアクセスがもっとも便利なふたつの観光地、「長門峡」と「秋芳洞」を描いています。ちょいと面白いのは秋芳洞で、洞内から外を見るアングルになっています。普通は逆だと思うんですが。

 さて、スタンプショウ=ヒロシマ'09の初日は仕事のために参観できず、楽しみにしていたJOCSの外国切手紙付きミクスチャーを買うことができませんでした。毎度のことながら大人気ですぐに売り切れてしまったとか。しかたなく売れ残りのオフペーパーの袋詰めをひとつ買いました。そこからひょいと出てきたのがこれです。
 カナダが1955年4月に発行した「アメリカシロヅル(Whooping Crane)」5c切手。その日付が、ありゃま、MY.5.55の「5555」ゾロ目印ではありませんか。局名はケベック州のCARLETONと完璧な満月消です。記念押印ではないネイティブなゾロ目印は国を問わず貴重だと思います。カナダから日本に送られてきてから誰にも気付かれずに約半世紀の間どこかに眠っていたのでしょう。それが巡り巡って私の前にひょっこり現れたわけです。この1枚が出てきただけでモトを取ったような気分です。

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May 19, 2009

スタンプショウ=ヒロシマ'09/駅スタンプ(1):山口駅

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 5月17日の日曜日のみスタンプショウ=ヒロシマに行ってきました。豊田陽則さんから山口県等の駅スタンプ6種(昭和8,9年)を分けて頂いたり、アオヤマスタンプさんから面白切手の新アイテムを分けて頂いたり、本当にありがたかったです。 図はその駅スタンプのひとつで現山口線山口駅です。鉄道趣味はありませんが、日付もばっちり入っているので何かのヒントになればと思い、計6回に分けてアップロードしようと思います。
 特にこの山口駅のデザインはよくできています。地元の人ならすっと理解できるものですが、中央に瑠璃光寺五重塔、その真後ろが大内菱(毛利氏の前のお殿様であります大内氏の紋)、それになんとフランシスコ・サビエルを意味する十字架までアレンジしています。うまいことやったなあ、これ、昭和8年ですからね!。「デザイナー」という言葉自体もまだなかった時代、76年前の名もなき図案家さんの手腕に最敬礼です。

 初日の16日は仕事で参観できなかったので伝え聞いただけなんですが、何たることかオープン時のテープカットにJPS本部からの来賓出席がなかったということでした。大橋中国・四国地方本部長が病後のしんどい時をおしてIさんに来て頂けるようご尽力されたことを聞いていたので、その時は表立っては何も言いませんでしたが、そんな状況であるならなおさらJPS本部は思いやりが無さすぎるなあ。ひどい無神経ぶりだね。
 同展は地方本部主催の西日本最大の展覧会で、毎年JPS本部理事クラスが必ずテープカットに臨席してくれていたし、それが当然だと言い切っても良いレベルの催事です。それが、昨年のJIPP騒ぎでドクター井上くんが役員を辞した途端にこのていたらく。もし彼がいれば、こんな情けないことにはなっていなかったはず。なんと、高安兄弟まで本部から何の補助もナシで全額自腹で来ていました。
 こういうところにJPSの機動力の低下が現れています。老化現象と言ってもいいでしょう。「何トボけとるんか、しっかりせえよ!」と、今回ばかりは多少お上品ではない物言いをさせてもらいます。

 地方ではセレモニーの要(かなめ)にお偉いさんがいない、などということはたいへんな侮辱だし、そう思うだけの正当な慣例が根付いています。JPS本部は事態を重く受け止めていただきたい。やっぱりあの3人がいないと全然だめじゃないか!と言われないよう、ネジを巻き直していただきたい。

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May 10, 2009

東西ドイツ郵便戦争ー塗り潰し使用例

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 ドイツが東西に分かれて対峙していた時分、当時の共産圏にとって容認できない図案の切手が貼られていた場合、東ドイツ郵政当局が当該切手を墨塗り抹消していた事例があります。図は「旧領土強制退去20年」(右に別に掲げた切手がそれです)を貼った実例で、西デトモルト1965年消印→東クヴァーフルト宛の実逓カバーです。見ての通りの強烈な印象から、東西ドイツ郵便戦争と言われることもあります。
 国境を越えて入ってくる大量の郵便物から選び出し、いちいちエナメルやペンキで塗り潰していたなんて、秘密警察国家ならではの偏執狂的性格がよく現れていますね。もっとも、ソ連崩壊から20年にもなろうかという時が過ぎた今では、こんな子供じみたことをよくもやっていたものだと陳腐感さえ覚えます。
 なお、この「旧領土強制退去20年」切手貼りは比較的にモノはあるようで5000円しないで買えるようです。自分も既に1通持っていまして、せめて年号が読めるものに取り替えるためにGETしました。

 実は塗り潰し使用例は他にもあり、スタンプショウ'09にて1953年発行の「未帰還捕虜帰国促進」切手の横ペア貼り実逓カバーも入手しました。日本でもシベリア抑留の例が知られていますが、西ドイツでも同様の事態が発生していました。日本の場合と全く同じで、正規軍人俘虜がポーランドやソ連各地で戦後復興の労働力として酷使されたため、その帰還は1950年代に入ってもなお完了しませんでした。
 図案は「抑留者と鉄条網」で、まあ、これだけ露骨だと墨塗りされない方がありえないようにも思えます。使用データも、ラインフェルト(ホルスタイン州)局名不明1953.8.12消印→東オスターフェルド宛とまずまず。しかも、この切手はエンボス加工もされていることから特殊加工アイテムのひとつとしても看過できませんで、正直、ちょいと無理してGETしました。ただし、エンボスの痕跡がまったくなくなるほどみっちり墨塗りされてしまっています。
 いずれの例も、ダメージ(汚損、棄損など)が大きいほど意義深いなんて、普通はありえない例なのでたいへん気に入っています。

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May 09, 2009

パチもん切手の楽しみ

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 代理発行エージェントの手による切手は、その多くがパチもん、バッタもんですが、視点を変えて見ると別の楽しさがあることは既に様々な実例でご紹介してきました。簡単に言うと「切手をよく観察する」ことであって、本来切手収集の基本中の基本姿勢と何ら変わるところはありません。
 1999年、エリザベス皇太后100歳記念切手が英領各国オムニバスの形で多数発行されました。図のレソト切手もそうです。スタンプショウ'09の時、某切手商ブースで各国のオムニバス小型シートが山盛りになっていたその中からセレクトしました。紋章部分が金箔押し+エンボス加工になっている同一フォーマットでしたから、どうせなら面白いのをひとつでいいやと思いまして。
 ぱっと見、何の変化もありません。が、よく見ますと故ダイアナ元妃が目打穴でまっぷたつ!。たまたま俯いている写真ではあってもかなり際どいですね。もしも、正面を向いていたショットだったら目打穴の位置(トリミング位置)がずいぶん変わっていたのではないかと思います。あるいはこの写真自体が没になっていた可能性も考えられますね。こういう実例を見ると、王室関係切手の発行姿勢はやや保守的にシフトしていた方がちょうど良いのかなとも思えます。
 いずれにせよ、パチもん切手は「基本的に脇が甘い」ので、例えばこのように目打穿孔だけをきっちり見ていくだけでもけっこう笑える発見があります。ダイアナ元妃関係ではもっとパワフルなアイテムもありますが、今日のところは自粛しておきます。

(参考関連記事)
スカウト運動100年
スタンプショウ=ヒロシマ'08(3)

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May 05, 2009

楽しいディズニー切手

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 ゴールデン・ウィーク特別企画その2としてディズニー切手を取り上げます。基礎知識としてこちらを一読頂くと以下の内容も理解が促進されるかと思います。今日、取り上げますアイテムもすべてウォルト・ディズニー社のコピーライトが入った正当なアイテムです。
 さて、トピカルやテーマチク材料としてディズニー切手を利用するのはあまり上品な作法とは言えません。しかし、ディズニー社もそれなりに気合いを入れて企画しているので、いろんな意味で楽しいですよ。

 図は国際切手展PHILANIPPON'91記念にウガンダ名義で発行された8種のうちの一枚です。既に鹿児島在住の収友たちの大ウケした様子が目に浮かびます。日本の伝統行事や作法をまとめたセットに、なぜか指宿の砂蒸し温泉が描かれているからです。最初に見た時、私も「うっそーぉ!」と声に出してしまったほどでした。印面中のキャプションは"MICKEY AND DONALD IN IBUSUKI ARE TAKING HOT VOLCANIC SAND BATHS"ですから間違いないでしょう。
 このセットは考証が深いんだか浅いんだかどうもよくわかりません。百科事典を引かないと出てこないような用語が使われているかと思えば、いかにマンガとは言え中国風でも朝鮮風でもない変な衣装だったりします。ディズニーの日本法人もあるんですから、普通の日本人社員に聞くだけでもだいぶ違った出来になったんじゃないかと思います。そんな思いとともにさらに2種をご紹介します。

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 左は"CLARABELLE COW ENJOYS TRADITIONAL INCENSE BURNING"とあるのでおそらく香道のことだと思われます。しかし、惜しいことに道具が違う。蚊取り線香を入れるブタの陶器はないでしょう。これ、よく考えればかなりレベルの高い(?)図案ミス切手です。
 右は"MICKEY AND MINNIE ENJOY CARD AND LETTER WRITING EVERY NEW YEAR"で、たぶん年賀状のことだと思います。部屋内なのにミニーが草履をはいている程度の軽い図案ミスですので(よくあります)まあ、これはこれで良しとしましょう。伝統郵趣的に年賀状使用例などをがっちり集めているアナタ、タイトルリーフにこの1枚を飾りましょう。たったそれだけのことで作品が台無しになることカクジツです!(笑)

 

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May 04, 2009

ワイリー・ポスト単独世界一周飛行75周年

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 ゴールデン・ウィーク特別企画! ということで最新の面白切手をご紹介します。裏焼きミス切手を連発することでつとに有名なリベリアがまたやってくれました。枚挙にいとまがないその現実に、もはや「誰でも手軽に図案ミス切手を買えるファンキー&ラッキーな国だーい!」と開き直ってみましょうか。
 航空史におけるパイオニアのひとり、ワイリー・ポストの単独世界一周飛行75周年切手です。$100切手1種を納める小型シートの他に、6種連刷シートも同時発行されました。問題は図の小型シートです。アメリカ本国でも1979年に氏の顕彰切手(下図)が発行されているので見比べれば一目瞭然です。はい、眼帯が左右逆ですね。肖像写真の裏焼きミスです。
 リベリアはこのような有名人から、ここにお名前を書くのがはばかられるような国家元首クラスの政治家や宗教指導者など、それこそおかまいなしです。リベリア切手のデザイナーはほんとだいじょうぶか?と心配です。もし私が過激派とか○○○○教極右派とかだったとしたら確実に狙いますな(ひえーっ!)。
 小型シートには地図も描かれているし航空機の写真もあります。裏焼きミスうんぬん以前にトピカル図案として集めなくてはならない方々のお顔が浮かびます。あ、そうそう、6種連刷シートの方は正しい向きの写真を使っているようですので、小型シートとの対比も面白いです。ともにスタマガネットで今すぐ買えますので興味のある方はここからどうぞ

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ルイ・ブライユ誕生200年

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 2009年は6点式点字発明者のルイ・ブライユ誕生200年にあたり、特殊印刷・加工切手を収集対象にしている自分にとっては、そのリサーチに多くの時間を費やさなくてはなりません。エンボス加工の中でも大きな比重を占める点字エンボスが用いられる可能性が非常に高いからです。具体的には総当たりの全品チェックです。楽しいけれども大変は大変です。現在はまだリサーチ途中ですが、気になった1点を速報でご紹介します。それは中国マカオです。
 真面目でそつのないデザインですが、ある意味、面白味はありません。それは、印刷による点字表現である墨点字があるだけだからです。エンボスなり盛り上げ印刷で額面数字とか周年数字の"200"あたりを表現して欲しかったのですが残念ながら一切ありません。
 ところが印面左上にはデザイナー(赤矢印)、同右上には仏カルトール社(青矢印)のインプリントがマイクロ文字で入っています。盲人の生活環境を革命的に変えた偉人の顕彰切手に、それでなくても見えにくいマイクロ印刷をしておきながら、肝心の点字加工をしないっちゅーのはどういうことよ?。おそらく偽造防止のためのセキュリティー対策でしょうが、本来こんなインプリントは耳紙に1カ所入れとけば済む程度のものです。ましてや樹脂熱着式の盛り上げ印刷はカルトール社の得意中の得意ではありませんか。それだけの予算がなかったのかもしれませんが、50年、100年に一度の好機を大人の事情でみすみす逃すとは何ともったいない!。
 一方、公式FDCを見てみますと、封筒の左下部分(黒丸で囲った部分)に点字エンボスで"louis braille"と表示されています。やはり、マカオ郵政自身も、一切点字加工がないというのは寂し過ぎると自覚していたのかもしれません。さらに記念印の図案にも墨点字でルイ・ブライユの頭文字"lb"が組み込まれています。

 それにしてもわが日本国では本テーマでの記念切手発行は予定されていません。日本の盲教育に尽力したのが誰あろう前島密であることを日本郵便はご存知ないのでしょうか。

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