もうひとつの「クリスマス・アイランド」
ほぼ毎日拝見しているお気に入りブログのひとつにmapstampfanさんの「切手で読む地図の楽しみ」があります。ちょうどクリスマス・アイランドを取り上げていらっしゃったので、そう言えばこんなのを持っていたなと思い出しました。
切手収集家ならオーストラリア領クリスマス島のことは知っていると思います。南半球らしく真夏にくつろぐサンタクロースを描いたクリスマス切手、同島の象徴とも言えるアカガニを描いた各種切手類は見ていて楽しいものです。
ところが、カナダのノヴァスコティア州にまったくの同姓同名、Christmas Islandという場所があります。単独の島ではなくCape Breton Islandにある小さな村で、1868年には同名の郵便局も開局していた由緒ある土地です。上掲のエアレターは、南太平洋の「クリスマス・アイランド」宛に差し出されたものが、何をどう間違えたものか、大きな地図には載っていないカナダの「クリスマス・アイランド」郵便局に送られ、受取人不在(受け取り請求なし)で差出人に戻されました。通信文が書かれていないのでおそらく郵趣家便でしょうが、宛先国名はあくまでもChristmas Islandであってカナダとは書かれていませんから本当に間違えてしまったものと想像しています。しかも、難しい方に間違えたと(笑)。
こんなにばかばかしい意義深い実逓カバーなのに、クリスマス関係の展覧会では一度も展示依頼を受けたことがありません。こういう洒落はお嫌いな方が多いのかな?。
わずかながら誤送便も集めていまして、圧倒的に多いのが荷役人が搭載すべきキャリア(車、船舶、航空機など)を間違えた場合です。その場合は「missent to jakarta」式の素っ気ない一行印がポンと押されているだけというのが多いです。「誤ってオーストラリアに誤送され云々」のお詫び付箋を付けて配達してくれる親切な日本郵便はむしろ例外のようです。ここいらへんもちょっと注意して見ると面白いですよ。
▼データ
差し出し:LONDON 1968.11.1(イギリス)
差し戻し:CHRISTMAS ISLAND 1968.12.17(カナダ)
▼カナダの「クリスマス・アイランド」地図
▼オーストラリア領「クリスマス・アイランド」地図
※↑地図を適宜ズームイン・アウトして地理関係をご確認ください。
Comments
本当に意義深い実逓カバーですね。
クリスマス島を地名事典で調べると,当方のブログでも取りあげたオーストラリア領の島と,中部太平洋キリバスの島の2つの島が記載されています。
イギリスの人からすれば,地球の真裏側に近い島よりも,大西洋をはさんだカナダの小さい村の方が身近な存在だったのでしょうか。
Posted by: mapstampfan | March 17, 2009 09:09 PM