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March 2009

March 30, 2009

極地保護切手(フィンランド)

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 今日、フィンランドから極地保護切手が届きました。さすが本家本元、いやあ、ホントにかっこいいです。第1種用(=0.80ユーロ)の円形切手が上下に2枚納められていて、上のアイスクリスタルはブルー、下のそれはシルバーの箔押しで、それでいてケバケバしい印象がまったく感じられない爽やかさ。素晴らしい作品です。
 また、せっかくなので公式FDCも注文しました。見ての通りこれもまたかっこいい。シート地とカシェが連続した流氷の海原のように見えます。細かい部分を見ると、絵柄は実際には連続してはいないのですが、そんな風に思わせるのが巧いです。この流氷模様は、カバー裏面にも印刷されているあたりも面白い演出です。こういうのを見せつけられてしまうと、しつこいようですが、やっぱり日本の極地保護切手のデザインは"おばか"にしか見えませんよ。この歴然たる差はいかんともしがたいです。
 かつての切手デザイン大国と言われたオランダはエンスケデ社で持ってるようなもので往時の勢いはなく、格式を誇ったオーストリアは若作りし過ぎ、スイスは半歩時代遅れ、フランスは滅茶苦茶と、今世紀に入ってからの変化はめまぐるしい限りです。そしてフィンランド切手のデザインの良さは、他の追随を許さないレベルに達しています。もはや従来の切手収集における美意識やグッド・デザインの基準を変えざるをえないところまできているように感じます。そう、たとえて言うならフィンランドは"劇的"です。

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March 27, 2009

スタンプショウ'09参観します

 あれこれ迷ったのですが、やはり企画展示と講演会への期待が大きく、思い切って参観することにしました。ただし、毎年ゴールデン・ウィーク直前は仕事がたて込むので3日間フル参加というのは避け、4月25-26日(土日)の一泊二日にしました。航空券も宿も押さえたので決定です。
 また、皆さんと一杯やりましょう。左の「リラックマ時計」下の「メール送信」をクリックしてメールを送ってくだされば、折り返し私のメアドと携帯電話番号をお知らせしますので利用してください。

 個人的には全国展といえば浅草、飲み会もやはり浅草、ですねえ。

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March 25, 2009

公式FDCの再検証

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 初期の盛り上げ印刷切手について荒牧さんからコメントをいただきましたが(委細はこちら)同様に過去のリサーチがじゅうぶんとは言えなかったがために再評価的新発見が期待される分野が他にもたくさんあります。その一例がタイトルの通り「公式FDC」です(以下、OFDC)。
 FDCはあくまでも当該切手の発行日を記録する一(いち)形式に過ぎないので、いかに美麗で手の込んだ作りであろうとも、装飾性自体に郵趣的な付加価値はないというのが原理原則です。その考え方の背景には、1970年代後半に日本の郵趣シーンに登場した「美術カバー」なる商品が、過度なスペックで高い値段で販売されていた、あるいは高く売るために余計なゴテゴテ装飾が施されていたことに対する反省・反動もあります。
 しかし、それらは私製であって、そして日本では基本的にOFDCは作られてこなかったために、日本以外の国々のOFDCも同一視されがちであるという不幸な混同が実は今も続いています。カナダ、オーストリア、ノルウェー等々、OFDCの製作販売に熱心な国も多く、せめてそれ位は切手に準ずる注意が払われてもいいのではないかと常々申し上げております。もちろん「公式であれば良く私製はダメ」みたいな官尊民卑な考えに基づいてのことではなく、あくまでも広く一般に収集価値を評価する場合の線引きのひとつに過ぎません。個人的には面白ければ公式・非公式を問わず差別もせず収集しています。その方が話が面白いからです(←いつもの理由ですな)
 そのような視線で改めてOFDCを観察していると、けっこう面白いアイテムがあることに気付きます。上図はインドネシアが2001年に発行したグリーティング切手(全8種)の2通組のOFDCです。カシェ部分の額縁でピンと来ませんか?。そうです、ここに別途添付のメッセージシール(下図参照)を貼れということです。今ではPスタンプのカテゴリーに含まれるようになった、初期のカスタマイズ様式でありますDIY切手スタイルのカシェをアレンジしています。資料によると製造数は1万セットで、この数字が多いか少ないかは意見の分かれるところですが、おそらく気付いている人の方が少ないのではないかと思います。Pスタンプ収集家の方々は当然ながら看過するわけにはいかないはずです。
 この他にも「そんなモノがあるのか?!」的OFDCはけっこうありますので、いずれ機会を得てまとめてみたいと思います。

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<スタンプショウ'09>
 催事の詳細が発表になりましたね。ネット上でのPRは積極的に打って出ないとなかなか気付かれないので、関係スタッフのみなさんには前例にとらわれることなくもう一歩踏み込んだ運動を期待します。(今年は宣伝活動が低調でよろしくないよ、という意味です)
 さて、自分としては非常に興味のある展示や講演会がずらっと並んでいるので悩ましいです。エコロジー切手展は極地保護切手を総覧できるであろう絶好の機会です。また、専門家のコレクションを拝見することで自分には未知のアイテムを知ることも重要です。
 さらに、出版記念講演&サイン会内藤陽介さん西海隆夫さん大沢秀雄さんの講演は必聴だと確信します。内藤さんはバリバリの新刊のお話でしょうから否応なく期待してしまいます。西海さんの地図切手も興味津々なのは、実は本業の方で地図もさんざんデザインしてきたからです。空間表現ツールとしての地図はたいへんに懐が深いものなのです。大沢さんの視覚障害関係テーマのお話はJAPEX'08のご講演で感銘を受けたのがきっかけです。今年はブライユ生誕200年記念切手が世界各国から発行されていて、前述とも関連するのですが、点字エンボス加工をした切手、のみならずOFDCもたくさん発行されています。特殊加工技術のひとつとして、これも見過ごせません。
 開催までちょうど1ヶ月となりました。休みが取れるかどうか、懐具合はどうか、さあどうしよう!。あれこれと"計画をねりねり"(↓)


※買い物袋がぴょんと飛び出すのはCG合成ではないというのが受けました

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March 21, 2009

WBC

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 ええ、もちろん買ってきましたとも!「週刊少年漫画50周年Ⅰ」を。いやもう、全部の漫画を知ってます。私のような40代狙いがミエミエですが、ま、いいじゃないっすか(笑)。それに、単なるサブカルチャー扱いから日本を代表する世界に通じるMANGAの、その記念切手の製造がフランスのカルトール社だというのもしゃれてて素晴らしいではありませんか。日本切手にしては久しぶりにまじまじと眺めてしまいました。
 上図の「おそ松くん」は特にいいですね。ちょっとひねってはいるもののイヤミのシェーがついに切手になったかと感慨深いものがあります。はい、自分も昔のアルバムの中でシェーをやっとりますよ、しかもラッパズボン履いて!。
 特にうれしいのが印面中に「バカ」の文字がある点です。落書き風とは言え2カ所も書いてあるとは何と大胆な。フレーム切手や写真付き切手ではなく正刷切手での「バカ」表記は、スラング・隠語・差別用語などのテーマでも収集している私にとってはぐっときました。中国マカオも馬鹿切手(下図)を発行しているので、これで日中の「バカ」が揃いました。これに韓国やベトナムなどの他の漢字文化圏でも発行されると今話題の(?)WBCことワールド・バカ切手・コレクションが充実するんですが・・・もちろん、バカっぽい人物が既に切手になってるじゃないかとのご意見は重々承知済みです。

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※↑第2次・故事成語より3.50p切手(中国マカオ2007年発行)。
「指鹿為馬」=権力を利用して間違ったことを押し通す、または他人を愚弄すること。これは史記の故事で「馬鹿」という語の由来とされている。

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March 15, 2009

もうひとつの「クリスマス・アイランド」

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 ほぼ毎日拝見しているお気に入りブログのひとつにmapstampfanさんの「切手で読む地図の楽しみ」があります。ちょうどクリスマス・アイランドを取り上げていらっしゃったので、そう言えばこんなのを持っていたなと思い出しました。

 切手収集家ならオーストラリア領クリスマス島のことは知っていると思います。南半球らしく真夏にくつろぐサンタクロースを描いたクリスマス切手、同島の象徴とも言えるアカガニを描いた各種切手類は見ていて楽しいものです。
 ところが、カナダのノヴァスコティア州にまったくの同姓同名、Christmas Islandという場所があります。単独の島ではなくCape Breton Islandにある小さな村で、1868年には同名の郵便局も開局していた由緒ある土地です。上掲のエアレターは、南太平洋の「クリスマス・アイランド」宛に差し出されたものが、何をどう間違えたものか、大きな地図には載っていないカナダの「クリスマス・アイランド」郵便局に送られ、受取人不在(受け取り請求なし)で差出人に戻されました。通信文が書かれていないのでおそらく郵趣家便でしょうが、宛先国名はあくまでもChristmas Islandであってカナダとは書かれていませんから本当に間違えてしまったものと想像しています。しかも、難しい方に間違えたと(笑)。
 こんなにばかばかしい意義深い実逓カバーなのに、クリスマス関係の展覧会では一度も展示依頼を受けたことがありません。こういう洒落はお嫌いな方が多いのかな?。

 わずかながら誤送便も集めていまして、圧倒的に多いのが荷役人が搭載すべきキャリア(車、船舶、航空機など)を間違えた場合です。その場合は「missent to jakarta」式の素っ気ない一行印がポンと押されているだけというのが多いです。「誤ってオーストラリアに誤送され云々」のお詫び付箋を付けて配達してくれる親切な日本郵便はむしろ例外のようです。ここいらへんもちょっと注意して見ると面白いですよ。

▼データ
 差し出し:LONDON 1968.11.1(イギリス)
 差し戻し:CHRISTMAS ISLAND 1968.12.17(カナダ)

▼カナダの「クリスマス・アイランド」地図
▼オーストラリア領「クリスマス・アイランド」地図
※↑地図を適宜ズームイン・アウトして地理関係をご確認ください。

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March 08, 2009

極地保護切手

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 『2007年にフィンランド、チリ両国の大統領が提唱し、両国の郵政事業体の呼びかけに賛同した42の国と地域において、切手を通じて、世界中の多くの人々に南極・北極の極地保護及び氷河の保護を訴え、地球温暖化という世界的な環境問題に関心を持っていただくために、2007年からの第4回国際極年(International Polar Year)にちなみ、環境問題を題材とした「極地保護切手」を共同発行します。
 各国と地域の切手は、環境問題を題材としてそれぞれ独自のデザインにより発行しますが、共通デザインとして、シンボルマーク「アイスクリスタル」(切手シート左上部のマーク)とスローガン「極地と氷河を保護しよう!」を記載した小型シートとして発行します。』

 上記は日本郵政のホームページに掲載されている極地保護切手の説明文です。また、図版はノルウェーが発行した極地保護切手です。国際テーマでの発行ですから、日本切手であろうとノルウェー切手であろうと主旨は相通じるものがあって当然です。ノルウェー切手には様々な特殊加工が施されているのですが(後述します)、それを差し引いて図版を見ただけでも発行意義や目的(=コンセプト)と切手の出来ばえ(=デザイン)がぴたっと一致していることにどなたも納得されることと思います。さらに、その他の国々の事例は、これから発行される分も含め、下記フィンランド郵政サイト内で一覧できます。
http://www.posti.fi/postimerkkikeskus/preservethepolarregionsandglaciers.html

 それらをご覧になったうえで、改めて見比べていただきたいのが日本のデザインです。

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 可能ならばきちんと説明を聞かせてもらってからモノを言うべきでしょうが、残念ながらその機会はないので、やむをえず先に自分の意見を書きたいと思います。日本初のホログラム切手であるとか、1シート320円という五百円玉を出してお釣りがくる手軽なワンコイン価格といった長所はもちろんおおいに認めますけれど、端的に言ってこんな切手を出しているようではいけません。情けないにもほどがあります。
 そもそも、この共同発行への参加が呼びかけられた時も日本郵政はずっとたな晒しにしたままでした。申込締切日が過ぎた後になってやっと参加表明するようなていたらくであったことも承知しています。この時には既に図案発表まで済ませていた国や地域が少なからずあったというのに、です。そんな役所時代そのままの、スピード感のない遅きに失した対応のあおりが付け焼き刃的なデザインにまで影響しているとは思いたくはありませんが。
 世界各国のデザインと比較して、明らかに見劣りしている、否、次元が低過ぎます。国際テーマとして何も競う必要はないにせよ、協調して極地保護を訴えるというスタートラインにすら届いていません。詳しく書きますと、提示された極地保護というテーマについてそのコンセプトに高い次元で取り組んでいるかどうか、もっと言えば誠実であるかどうかに疑問符が付きます。他国の図案も簡単に見比べられるというのに、日本はなぜ漫画チックなイラスト表現を選択したのでしょうか?。極地保護を訴えるのに、かわいさをも感じる親しみやすいシンプルなデザインである必要性は(さしあたっては)ありません。第一に必要だと思う「意義を啓蒙する」とか「危機感を訴える」などの、芯となるべき意図がまるで感じられないことに、企画段階で誰も何も問題視しなかったのですか?。極地のオーロラを背景に動物イラストで、これがベストだなんて本気でそう判断したのですか?。どう見てもお菓子に付いてくるおまけシールじゃないか。これが日本独自の個性とでも?。とても信じられません。
 まるで今、日本中が注目している第2回ワールド・ベースボール・クラシック大会に、何の手違いか草野球チームが乱入してきたかのような気恥ずかしい思いがします。要は、極地保護とは何かという基本的なスタディが全然できていないのではないかと危惧する次第です。
 郵趣2月号の巻頭特集記事でも書きましたように、いかに特殊で高度な印刷技術を駆使しようとも、まず切手としてきちんと成り立つデザインになっていなければ合格とは言えません。今回の場合、6色オフセットであるとか(通常はCMYKの4色)、ホログラムであるとか、そこそこがんばってはいますが、外国切手ではとっくに使い慣れた技術であって特段の珍しさはありません。ホログラムごときにいちいち感動するホドのモンはないんで、やはり図案そのものの吟味に取り組んでもらいたいです。

 おしまいに、ノルウェーの小型シートについて記しておきます。円形切手が2種横並びに納められているように見えますが、額面が円形目打の外側に表示されているので、円形切手ではなく穴開き切手の一種になります。また、右側は氷で表現した緯度経度部分がエンボス+透明樹脂コーティングという文字通りクールな(かっこいい)姿。シート地の共通マーク「アイスクリスタル」部分もエンボスです。さらにまだ裏付けが取れていないのですが、地の淡い青緑色が全体に輝きを持っているので、何らかのイリオジン系インクを使用している可能性があります。
 もちろん、ノルウェー切手を出してきましたのは、前述の通り「提示された極地保護というテーマについてそのコンセプトに高い次元で取り組んでいるかどうか、もっと言えば誠実であるかどうか」が十分発揮されていて、提唱国のフィンランド、チリ両国とも堂々と比肩できる出来ばえだと思ったからです。もっとがんばってくれなきゃ困ります日本!。

▼ノルウェー郵政の詳細説明ページ
http://www.posten.no/en/Products+and+services/Stamps+and+collecting/Stamp+programme+2009/9189.cms

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