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April 2008

April 29, 2008

北京オリンピック

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 聖火リレーにまつわるお騒がせニュースがいろいろと報じられていますが、私のところにも北京オリンピック関連アイテムが届きました。上図はマン島が4月21日に発行した北京オリンピック記念切手の一種です。この1枚を見ただけでピンときた貴方はたいへんすばらしい!。

 確かに今年の干支は子年ですが、オリンピックと直接関係はありませんね。呪術の世界観が生きていた古代中国ならまだしも、現代ではあたかも宗教のように干支が生活の隅々にまで敷衍しているかのような意味と有効性を持ち続けているわけではありません。異文化を大切にしようというマン島郵政の気持ちは理解できるものの、オリンピックの記念切手に干支は変です。やはり何かの思い違いです。
 また、印面下部に波形の五輪色をアレンジしているのもどうでしょう。デザイン的に特に優れた効果を発揮しているようにも見えませんし、むしろなぜ普通の五輪マークを使わなかったのかが気になります。
 そしてうっかり見落としそうなのが額面です。よーっく考えてみてくださいね、たったの1ペンスの記念切手なのですよ。日本で言えば最低額面券種の前島密の1円切手と同じと思ってください。交換レートを考慮したとしても秋田犬の2円切手とほぼ同額です。この意味は全4種を納めた小型シートを見れば、おおよその察しがつきます。

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 向かって左から1p、2p、3pそして94pという額面構成です。そうです、額面数字でワン・ツー・スリーを表現したかったに違いありません。94pはヨーロッパ宛航空便40〜60gまでの料金ですが、さほど頻繁に必要とされる券種ではありませんので、ここはやはり額面合計でぴったり1ポンドにしたかっただけのことかと類推されます。
 さらにさらに、公式FDCの消印はなんと金箔押しです。箔押しによる郵便消印は前例がない訳ではありませんが珍しいことには変りはありません。下図に箔押し消印の部分拡大図も添えておきます。金箔切手を集めている方ならなおさら話のタネにお薦めです。

 どうでしょう、相当オモシロ・タノシイ切手だと私は思うのですが。

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April 27, 2008

美しき謎の抽象

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 美しい曲線で構成された斬新なデザイン切手、これが最初に世に出たのが1967年(昭和42年)と知り、たいへん驚いたものです。しかも発行はアフリカのマラウイ、券種は不足料切手という、およそデザインとは縁のなさそうな出自です。宗主国イギリスをも巻き込んだ地下資源を巡る利権争いに明け暮れ、独立は果たしたものの、いまだに最貧国のひとつにとどまっているマラウイに、どうしてこのような美しい切手が生まれたのでしょう。
 本業絡みもあってコンピュータ・グラフィックス(CG)によるデザイン切手も注意しています。今でこそ切手デザインの現場にPCが使われることが当たり前になりましたが、1980年代後半でさえPC自体のハードの脆弱さから、それほど複雑なことはできませんでした。1970年代に至ってはドット絵や荒目モザイク画像に代表されるような「いかにもコンピュータで描きました」的なプリミティブなアートが関の山でした。にもかかわらず、本件はそれ以前の1960年代のアイテムですし、おそらくCGではないとは思いますので、現代にも通用する卓越した美を手描きで作り出した手腕には驚かない方が無理と言うものです。その後も額面変更などを重ねながらも曲線のデザインはそのまま、1980年代まで同一図案切手の発行が継続されました。不足料切手という裏方的存在の券種であったことが、かえって息の長いデザインを続けることができたのかもしれません。上図も1971年の改版5種のうちの1枚です。
 旧宗主国イギリスの協力なくしては考えられない切手です。ですが、詳しい事情がほとんど何もわかっていません。気をつけてはいるものの、実逓使用例もまったく見たことがありません。ぜひとも解明したい謎の切手のひとつです。

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April 20, 2008

ガーナのデノミ

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 2007年7月3日、ガーナがゼロを4つも取る1/1万のデノミを実施しました。切手上の表記変更についてほぼ概要が見えてきましたのでまとめておきます。
 旧10,000セディ=新1ガーナセディ(GHC)です。これは日本円にして約106円です。また、補助通貨はガーナペセワ(Gp)と言い、新1ガーナセディ=新100ガーナペセワです。上図が新通貨単位表記切手の代表例で、「農業開発銀行」4種より左が90Gp、右がGHC1額面です。
 通貨単位表記の変更が行われると、郵趣面での常としてファイナルおよびファースト・イシューの確認が必要になります。ですが、これがなかなかの難物で、特定の1種もしくは1件に絞り込むことはできませんでした。同国もまた切手代理発行エージェントに業務委託していまして、デノミ実施後の9月15日付の記念切手類が全部で18件もあり、しかも新旧通貨が入り交じっていたからです。よって以下にその全リストを掲げて記録といたします。

【旧通貨表示】
・独立50年:1種
・ベネディクト16世誕生80年:1種
・民族衣装:5種
・ガーナの鉱業:5種
・織物のデザイン:6種
・ガーナの著名人:8種
・イヌ:4種+小型シート1種
・ネコ:4種+小型シート1種
・ラン:4種+小型シート1種
・鳥:4種+小型シート1種
・アブリ植物園:5種+連刷シート(6種)1種
・カカオ産業:5種+連刷シート(6種)1種
※以上合計、12件/単片52種、小型シート4種、連刷シート(6種)2種

【新通貨表示】
・航空会社:2種
・農業開発銀行50年:4種
・商業銀行:4種
・州保険:5種
・建造物:5種
・大統領:9種+小型シート1種
※以上合計、6件/29種、小型シート1種

 これらの中で特筆すべきは「ガーナの鉱業」5種です。精錬した金塊を手にした女性を描くC7.500切手は、経済状況の不安定、貧富の差、いわゆるアフリカ問題等々を皮肉的に象徴しているようにも思えますね。インフレーション関係のテーマ収集をなさっている方々はどうぞご留意ください。
 なお、当初は7月1日にデノミ実施を予定していたそうですが、当日がガーナ共和国独立50周年のまさにその記念日だったうえに日曜日とも重なったために3日にスライドされたそうです。

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April 17, 2008

使い回し?、パクリ?

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 荒牧さんのブログの「立体印刷切手のおかしな図案」では、いつもながらの造詣の深さが伺えます。意図的あるいは結果的にそうなってしまった使い回し図案、パクリ図案はけっこうあります。かつて昭和30〜40年代には盛んだった全世界ゼネラル収集がすっかり退潮してしまったせいで、何の関係もなさそうに見える異なる国どうしでの類似に気付くことは難しいことでしょう。私も何点か"発見"しているので、知名度の高い国どうしのそっくりさんをひとつご紹介します。
 左は1985年に国連・ジュネーブ事務局が発行した「児童福祉」2種のうちの1種、右は1963年にアルゼンチンが発行した「世界食糧計画」です。これは率直に『激似』レベルと断言してもいいと思います。後に発行した国連が、まさかのパクリ行為をするとはちょっと考えにくいので、おそらく元(下絵)にした報道写真がたまたま同じだった結果ではなかろうかと想像しています。元写真の特定ができればベストですが、残念ながら私はそこまで解明できていません。
 ま、しかし、「盗作」みたいなきつい言葉はなるべく使わないようにしています。こういう例は「インスパイアされた結果」と言いましょう(笑)。

☆推奨します☆
 日本の底力は『おもしろければなんでもあり』にあり/NBonlineさんより
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080416/153213/

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April 13, 2008

立体切手をふまじめに鑑賞する

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 郵趣4月号P.68を参照ください。フィンランドが発行した「アルペンスキー」小型シートは、既発行のレンティキュラー切手に大きく差をつけるマイクロレンティキュラー印刷です。パソコン、コンピュータを駆使したデジタル処理によって、より細やかな動きが再現されています。かつてブータン、アラブ土侯国、イエメン、北朝鮮などが商魂逞しくして発行していた立体切手・3D切手が冷遇されていた時代からは想像もできなかった展開です。先進国が立体切手を積極的に発行する時代が来るとは!。

 そこでふと気付いたのです。かつての立体切手は、マトモな収集家からは一瞥もされず、その存在自体そのものを無視されていたかわりに、立体切手が持つある側面が正しく理解されていないことを。他のいんちき切手や切手まがいのラベル類にも備わってはいるものの、立体切手こそがその特徴がより顕著なのです。それは・・・・・

チープ感

 そうです、安っぽい、へたれ、クズ、お粗末・・・・・そんな軽薄なイメージである"チープ感"こそが、かつての立体切手がほぼ独占して兼ね備えている「味わい」「テイスト」なのです。これを単にマイナスイメージであると切って捨てるのはもったいないことであります。世はリサイクルの時代なのですよ!(関係ないがな)。
 実物でご説明した方がわかりやすいでしょう。最初の1枚はこれです。

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 どうです、明らかにぬいぐるみ、作り物ですね。ジオラマの背景セットを作りライオンのぬいぐるみを置いて写真撮影したものです。この時、位置を少しずらして撮影して立体切手の元画像を得るわけで、言わば光学的な切手製造法です。どこかのレンタルラボからそれらしい写真を借りてくるなどという高級なことを言ってはいけません。この方法であれば、ライオンを見たことがないお国のスタジオでも作業ができるのですから!。

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 これも素晴らしいでしょう!。背景セット(絵)の上に買って来た魚を3匹乗せて撮影しています。普通は透明のアクリル板かガラス板を1枚ひき、その上にオブジェ(この場合は生魚)を乗せます。そうすると背景画が汚れませんし立体感も出るからです。がしかし、こんなネタバレまくりのちんけな方法は、今でははすっぱな写真スタジオでさえやりません。かつてはこれも"特撮"の一種であったとの歴史を偲ぶだけのことです。
 むしろ撮影の強い照明で表面がテカテカに干からび、今にも生臭さが立ち上ってくるようではありませんか。この生気のなさを何と形容すべきでしょう!。
 さらに主題らしき一番大きな魚くんの頭(かしら)にアラビア文字が重なっていて表情が見えない配慮の無さも重要です。むしろ生きの悪い様を隠すために意図的に被らせているとの別解釈もアリですが。

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 私が所持している立体切手では、今のところ暫定1位を誇っています。アポロ11号の月探査船が再び地球を目指して月面から飛び立つ場面を、まごうかたなき"模型"で再現しています。その時の噴射を、なななな・・・・なんと毛糸の束で表現しています(矢印部分)。黄色と赤色の毛糸だなんて、なんと脱力感漂うアイデアでしょう。そこらへんの裁縫店で調達可能な素材ですから、もはや似せようという意志すら希薄で開き直った横着な態度が明らかに無茶!。

 かのように1960年代後半〜1970年代前半に流行した立体切手群には、卓越したチープ感が満載です。以上、ご紹介した3点を凌ぐ逸品があればぜひご教示いただきたいものです。

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デジタルコードの新しいムーブメント

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 郵趣4月号P.68を参照ください。フィンランドが発行した「ヘルシンキ工科大学100年」と「バレンタイン/ハート」の2種の小型シートとも、シート地にUpcode(アップコード)という見慣れないデジタルコードが表示されています(上はその拡大図)。Upcodeは誌面の説明通り、携帯電話のカメラなどで読み取るとインターネットに接続し切手の情報が得られるという機能を持っています。
 あるいはまた、郵趣2月号の私の連載記事(P.39)でご紹介しましたスイスの「インターネットへのリンク」切手に表示されているBeeTagg(ビー・タグ)もまた同じく、インターネットという別の媒体へ接続する機能を持っています(下図)。
 以上3件は郵便切手におけるデジタルコード利用の新しい方向性を示したもので、その点において特記すべきものと考えています。
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 従来からシートの耳紙や小型シートの地、つまりいわゆる「余白」部分にバーコードが表示されている例はありました。これは日本のスーパーなどでも実用化されているPOSシステムの一種で、切手の場合は売上・在庫管理といったごく基本的な管理システムとみなしてよいものです。
 その次に出て来たのは郵便物の区分に利用する目的のデジタルコードです。その代表例としては下図上段の「クリスマス切手」(カナダ・1986年)と同下段の「普通切手2種」(スイス・1993年)が挙げられます。前者はクリスマスメールを選別するために用いられたもので、若干の改良を加えられながらも1995年まで実用されました。太く黒々としたバーの列は、やはりクリスマスメールには似つかわしくない美観上の欠陥が感じられます。
 後者スイス切手も同様に郵便区分のためのものです。60サンチーム切手には長さ1mmほどの青い線が21本、80サンチーム切手には赤い線が23本、印面の右辺に等間隔で並んでいます。スイス切手の方がデザイン上の配慮が伺えます。
 さりながら、今となっては過渡期の技術であったようで、いずれも新世紀まで生き延びることはできませんでした。従来からある蛍光・燐光インクの技術向上などにより、美観を損なわず、新技術を利用するためのパテント料の支払いも不要といった方向に流れが変わって行きました。あるいはまた、全世界的に切手を貼った個人差し出しの信書郵便物が減っていることから、それを区分するためにしては対費用効果が評価されにくい側面もあろうかと思います。
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 簡単に要約しますと、郵便切手におけるデジタルコードの利用を歴史順に並べると、(1)売上・在庫管理→(2)郵便区分へと変遷してきました。その特徴は大量の郵便物を扱う先進国のみが必要としがちな技術で、特に郵便区分に関しては情報を読み取って活用するための機材(ハード)設備も欠かせないことから、世界的な潮流となるほどまでには成熟していませんし、しえないと思われます。かろうじて売上・在庫管理目的での使用が生き残っているくらいのもので、これは郵趣研究の側面からは一般的にそれほど魅力ある対象ではありません。
 そこへ冒頭のUpcodeとBeeTaggの話に戻ります。もうおわかりですね、個人が持つ携帯電話というミニマムなインフラしか必要としない利点があることを。そもそも携帯電話網は郵政当局が整備しなければならないインフラではないし、言わば既存インフラへ便乗する応用技術です。
 しかも興味深いことに、UpcodeもBeeTaggも日本の携帯電話では読めません。つまり、オープンなようで実は閉鎖的・排他的性格を持っているのですね。当該郵政のサービスエリア内のユーザーのみが利用できるようにコントロールできるフォーマットを使っています。この「囲い込み」技術がより精緻に行えるのであれば、むしろ郵便切手の別媒体(メディア)へのリンク機能以外にも様々な新しい機能が実用化される可能性があります。その点に非常に大きな関心を持っています。

 できることならデジタルコードに関してはパソコン、コンピュータ郵趣をしている専門コレクターさんたちがきちんとまとめて研究発表して欲しいです。どなたか手を挙げてはいただけないものでしょうか。

※興味のある方は郵趣4月号P.68を参照ください。
 または同号の見本誌はこちらから申し込めます(本文末を参照)。
 「バレンタイン/ハート」(フィンランド)はこちらを参照ください。
 「インターネットへのリンク」(スイス)はこちらを参照ください。

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April 12, 2008

青山と言えば・・・・・

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呉市の切手商さんのことではありません。いや、その話題をしてもいいんですが、今日はベクトルが違いまして同じ青山でも「テルマ」さんの方です。

 父方のおじいさまがトリニダード・トバコ人ということで、検索で間違ってこのブログに来てしまったあなた、決してハズレでもないのですよ。青山さんは調布市のアメリカンスクールに通っておられたとのことですので、調布にゆかりがある方ならば、長州人の敵・近藤勇以外(笑)は支援しなければなりませんので、ホッピー同様に大プッシュいたしませう。
 切手収集の面では、個人的にはトリニダード・トバコに対する印象はかなり良い方です。カリブ海各国によく見受けられる、切手代理発行エージェントによる不健全な怪しい切手発行といった側面も希薄です。苦難の歴史も切手を通して見聞きしていますし、なによりスチール・ドラム発明の地であることで有名です。
 1969年に発行された16種の普通切手がすべて多色刷りで金箔押し(エリザベス2世女王のシルエット)であることに驚いたのが最初の好印象でしょうか。当時、既に金箔押し切手は旧英領植民地各国で採用されていましたが、普通切手への全面的な導入例はこれが初めてで最後、つまり空前絶後のことです。旧宗主国イギリスの同国における力の入れようには並々ならぬものを感じました。
 上掲の西ドイツ宛書留カバーはイイダバシくんが探し出して取り次いでくれたものです。前述の普通切手のうち$1と40cの貼り合わせで、その姿の良さもあってたいへん気に入っています。もちろん第1軍扱いのコレクションです(NEWTOWN 28.JAN.77)。しかし、昨今の新切手では特筆すべき券種に乏しいのがやや残念です。

がんばれ トリニダード・トバコ!
がんばれ 青山テルマ!

■MAKAI - Garden of Love feat.青山テルマ
 (もちろんiTunesでPVを購入しましたとも!)

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デビュー

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 スウェーデン郵政の報道発表によると、ウェブデザイナーから切手デザイナーに転身したJenny Burman女史のデビュー作品とのふれこみ。新人さんのうちからこんなに持ち上げられて大丈夫なんかなあ?。俺なんざデザイナーとしての仕事よりコンクリートの配合を試したりオービタルサンダで研磨したり、すっかりドカタ派になってますが。ええ、もちろんうらやましくて書いてますよ(笑)。
 同時発行された昆虫3種のコイル切手のうち、テントウムシを描く1種のみが図のように6面建てで限定3万シート発行されました。売価も額面合計33クローネのところを5クローネ増しの38クローネで販売されました。無額面切手・郵便等級表示切手の類だと、こういう割増販売も見過ごしやすくなる点に要注意ですね。また、シート左下のドットは目打穿孔穴でテントウムシを象っています。ですから穴開き切手の一種ということにもなります。
 3種のうちこれだけがオフセット印刷で他の2種はいかにもスウェーデンらしい凹版印刷です。一般に安価と言われるオフセット印刷なのに割増販売ってどうよ?みたいな気もしますが、風合いとしては意識的に多色凹版印刷の趣を醸し出しています。オフセットでもここまで表現力がありますよ、という意図でしょうか。

※興味のある方は郵趣4月号P.78を参照ください。
 または同号の見本誌はこちらから申し込めます(本文末を参照)。

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切手収集のすすめ小型シート

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 ハンガリーが1989年10月に発行した「切手収集のすすめ」小型シート(無目打)は、今でもさほど高価な切手ではありませんが不思議な出自を持っています。発行当時の資料によると販売されたのではなく、手持ちの切手と額面交換されたとあります。
 同年2月・ハンガリー政府は1956年の「ハンガリー動乱」を肯定評価、5月・オーストリアとの国境に設けていた高圧電流が流れる越境防止鉄条網(鉄のカーテン)を撤去。これを知った東ドイツ国民が8月頃からハンガリー経由で西ドイツに脱出・・・・・と時代がめまぐるしく変化したまっただ中での発行です。この時のハンガリーの民主化は暴力革命を伴わなかったおかげで、記念切手が発行されるとか国名表示が変更されるなどの動きはありましたが、インフレを思わせる極端な額面の高騰や切手そのものの品質劣化、取り上げるテーマの急激な右傾化といった、革命期特有の表情には乏しいものがあります。それゆえ、本券がなぜ一般販売されなかったのか、あえて額面交換された理由、逆に言えばなぜそうしなければならなかったのか、がいまだにわかりません。
 額面50Ft(フォリント)はまぎれもない高額面です。通貨不安の予兆でもあったのでしょうか。国体の変化を見越して、国内の切手収集家が持っていた記念切手類を額面交換によって回収しようと考えたとか?。いやいや、政治的な側面はまったく関係なかったのかもしれません。つまり、委細はわかりません、ということであります。だれか聞いて来て(笑)

※興味のある方はこちらへどうぞ

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April 11, 2008

プラド美術館/ピカソ 小型シート

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 今月の郵趣誌、スタンプマガジン誌には面白切手がいろいろピックアップされていて楽しめました。そのうち、実際に購入したアイテムをいくつかご紹介します。
 これはサントメプリンシペが2007年に発行したピカソをテーマにした小型シートです。切手に採用されているのは「扇をもつ女(あるいは舞踏会の夜)」(1908)です。これが裏焼きの図案ミスということだけではなく、正方形の印面に無理矢理納めるために画像を変倍した結果、上下に潰れたプロポーションになってしまっているお笑い切手でもあります。下の元画像と比較してみてください。

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 そして話はこれで終りではありません。そもそも、「扇をもつ女」はロシアのエルミタージュ美術館、地の「ゲルニカ」はスペインのソフィア王妃芸術センターの収蔵作品です。ゲルニカこそ一時、プラド美術館別館に納められてはいましたが、やはり小型シート自体の主題にするのはムリっちゅーもんでしょう。
 というわけで、なかなか奥深い(笑)図案ミス切手ではないかと思われるのだが。

※興味のある方はこちらへどうぞ

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April 08, 2008

インドネシアー日本共同発行

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 何かとお世話になっていますマサスタンプこと山本誠之さんから上図画像を送っていただきました。日本とインドネシアの共同発行切手、そのインドネシア側の発行券種です。同国では2種を市松模様型に8面並べた別建てシートも5種発行するようですね。インドネシアも発行情報が非常に入手しにくい国のひとつなので、世界を駆け回っている国際派ディーラーの山本さんならではのありがたい情報です。ありがとうございます。

 インターネットで何気なくトラベル情報を見ていたら、今さらながら安さと便利さを再認識させられました。今月末のスタンプショウ'08は特に参観予定ではなかったのですが、旅費・宿泊費の安さにそこそこ気持ちが揺れましたねえ。山口宇部ー羽田間往復航空券付きホテルパック、それも2泊でもわずか3万ちょっと。イメージコストでは5万円に近い4万円台のような気がしていたので、1万円を超える割安感はかなりインパクトがあります。
 それでなくとも4月は何かと物要りです。新車に買い替えたばかりだし来月にはスタンプショウ=ヒロシマ'08もあります。ここはひとつ冷静にと自分に言い聞かせて踏みとどまりましたが、ワンクリックしさえすればチケットが手に入るというのは・・・・・魔物ですねえ、あぶないあぶない(笑)。
 そんな話を職場でしていたら、東京に行ったら銀座のユニクロに行きたいという女性の意見あり。ユニクロの本社は山口市にあるんだし店舗も県内にもあるし、何も銀座店にまで行かなくても、などと考えるのは男どもの短絡的発想だそうな。銀座店ではコンセプトの異なる品揃えでぜんぜん違うのだそうで。ふーん(←としか返事のしようがない俺)
 自分ならコッテコテの山口弁を駆使しながら銀座店で買い物をするっちゅーのはどうかなあ?とか、くだらんことを考えてしまいました。

「何なんこれ。ワヤすらー」
「こねーにイナゲなもんは売れんじゃろー」
「それいね、山口店でも防府店でも売っちょらんじゃったそに」
「なして銀座店じゃからって違うんかね?」
「店員にニクジでも言うちゃろかぁー」
「ジラくいよったらぶち怒られるいやー」
「やっぱやめちょこうか」
「うちゃあ見ちょるだけで、はー、うるおうた」
「お金もみてたしねえー」
(※標準語訳は付けません。わかる人がわかればということで)

 しかし、3万ナニガシも使うなら韓国に行った方が焼肉食い放題の殿様旅行ができるだの、飛行機は苦手じゃぁー、福岡か下関からフェリーで数時間で行こう、いや私は台湾に行きたい、あ!パスポートがないぞ・・・・・と延々と茶飲み話に花が咲くことでした。

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April 06, 2008

信じ難い図案ミス

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 3月下旬から非常にシリアスな仕事に取り組んでいた関係で、ブログ更新がすっかり滞ってしまいました。月が開けた4月1日に無事に完成検査合格・引き渡しが済み、ほっとしたのも束の間、再び難題解決のために様々な条件で試作を重ねる毎日でした。それもなんとか解決のメドがたち、ほんとにほんとのお休み気分モードになりました。
 昨日は完成品の写真撮影のために長門、萩と回り、そのついでに「北斎 -シーボルトの見た日本-」展を見に山口県立萩美術館・浦上記念館にも立ち寄りました。その後、若干の隠密行動を経て帰宅しました。
 さて、仕事モードから解放された直後、およそ信じ難い図案ミス切手の情報が寄せられました。上図がそれです。名称は「第3回経済協力機構郵政会議」で、2007年9月22日に発行されたパキスタン切手ですが、翌10月12日に販売停止・回収されたそうです。実売期間わずか20日です。
 同一図案による参加各国の共同発行で、現時点ではイランとカザフスタンの発行を確認しています。ところがパキスタンは一体何をどう取り違えたのか、

(1)自国名表記がない。
(2)「イランイスラム共和国」と表記されている。
(3)自国額面Rs.10の他に余計なイランの額面「650Rials」の表記もある。

という大失態を晒しています。また、本来なら会議が開催された2006年に発行されて然るべきもので、イランもカザフスタンも同年内に発行済です。しかし、パキスタンだけがなぜか2007年にずれ込み(インプリントは"2006"になっています)、しかも事情を理解していないとイラン切手としか思えないほどの滅茶苦茶ぶりです。原画を流用するにしても自国名を間違える(修正し忘れ?&誰もチェックしていなかった?)なんてブザマは、間違いなく世の地図切手、国旗切手の中でも超弩級の図案ミス切手であると断定できましょう。

(追記)
 逆説的に考えてみますと、これほどのトンチンカン切手なのに20日間も売ってたなんてある意味凄いですね。侮り難し!パキスタン!(笑)

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